古高ドイツ語

古高ドイツ語 (ここうドイツご、ドイツ語: Althochdeutsch) は、8世紀から11世紀までの文献によって伝えられている、第二次子音推移を示す書き言葉(Schreibsprache)としてのドイツ語である[1]

方言

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中部と南部に大別される。南部のほうが子音推移の破裂音の無声化の傾向が強い。

中部 (中央) 方言

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南部 (上部) 方言

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文献

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古ドイツ語の文献は多くはキリスト教に関連するものである。

音韻

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9世紀の東フランク方言のものをあげる (タツィアーンの福音書で福音書の翻訳に用いられたのが東フランク方言であったため標準的な語形として東フランク方言のものが用いられる)。

母音

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  • 短母音: a, e, i, o, u (文法書ではもともとのeとaのウムラウトの表記のeとを区別してëが用いられることがある)
  • 長母音: ā, ē, ī, ō, ū
  • 二重母音: ei, ie, ou, uo, iu, io

子音

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  • b, d (語頭でth [ð]), g, p, t, k
  • f, h, s, ph (あるいはpf) [pf], z [ts], s, s (文法書ではIPAの「ʒ」のように書く特殊な文字を使うがここではsと区別しない)
  • m, n, l, r, w, j
  • sp, st, sk

形態

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名詞

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によって語形が変化する。

人称代名詞

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一人称
単数 複数
主格 ih wir
属格 mīn unsēr
与格 mir uns
対格 mih unsih
二人称
単数 複数
主格 thu,thū ir
属格 thīn iuwēr
与格 thir iu
対格 thih iuwih


三人称
男性
her
中性
is
女性
siu
単数 複数 単数 複数 単数 複数
主格 her,er sie is siu siu,sī,si sio,sie
属格 sīn iro es,sīn iro ira iro
与格 imo in imo in iru,iro in
対格 inan sie is siu sia sio,sie
  • 他に一人称に双数属格unkērがある (それ以外の双数形は不明である)。


動詞

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  • 法: 直説法接続法命令法
  • 時制: 現在形、過去形
  • 人称・数: 一人称単数、一人称複数、二人称単数、二人称複数、三人称単数、三人称複数

によって語形が変化する。変化の形式は強変化動詞、弱変化動詞、過去現在動詞、不規則動詞に大別され、強変化動詞は八種類、弱変化動詞は三種類に細分される。

前置詞

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  • ab, aba
  • after
  • anan
  • āno
  • ēr
  • fon, fona
  • for, fora
  • mit
  • nāh
  • ob, oba
  • ubar
  • zi
  • thurh
  • umbi
  • untar
  • unz
  • ūfan
  • ūs
  • sīd
  • widar
  • in
  • innan
  • ingegin
  • ir

関連項目

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脚注

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  1. ^ Werner König: dtv-Atlas zur deutschen Sprache. Tafeln und Texte. München: Deutscher Taschenbuch Verlag, 1978 (ISBN 3-423-03025-9), S. 73.