同中性子体
同中性子体(どうちゅうせいしたい、isotone)は、中性子の個数が等しく陽子の個数(原子番号)が異なる核種のことである。同調体(どうちょうたい)ともいう。
例えば15Nと16Oはともに中性子を8個持つので同中性子体である。
同中性子体同士は異なる元素であるので化学的性質は異なる。化学的性質が同じ同位体、ベータ崩壊で移り合う同重体に比べると同中性子体間の関連性は薄い。
"isotone" の名称は "isotope"(同位体)の "p"(陽子) を "n"(中性子)に置き換えた言葉遊びである。「同じ場所」を意味する isotope に対して無理にギリシャ語に訳すと「同じ伸び方」だが、意味は特にない。「同調体」は "tone" を英語で直訳したものである。
安定核種が最も多いのは中性子82個の同中性子体(7種)で、次いで中性子20個,50個で5種ずつある。中性子が魔法数の同中性子体には安定核種が多い。
- 中性子20個の安定核
- 36S, 37Cl, 38Ar, 39K, 40Ca
- 中性子50個の安定核
- 86Kr, 88Sr, 89Y, 90Zr, 92Mo
- 中性子82個の安定核
- 136Xe, 138Ba, 139La, 140Ce, 141Pr, 142Nd, 144Sm