夏草
「夏草」(なつくさ)は、俳誌。1930年7月、編集・発行人の宮野小提灯らが、「ホトトギス」で活躍していた山口青邨を主宰に迎え盛岡で発行(発行所は1940年から東京にうつる)。伝統に則った俳句に加え、文章家としても知られていた青邨の意向で写生文も掲載、のちにこれに評論が加わり廃刊までの誌面の特徴となった。青邨は、俳句形式の遵守や季語の活用、「私」の体験を基本とすること、内面的蓄積の必要性などを説き後進を指導、多数の著名俳人を育てた。1988年に青邨が死去し、以後は古舘曹人を選者として継続していたが、「夏草」を青邨一代の俳誌とする考えから2001年5月に通巻650号をもって終刊した。
主な参加者
[編集]括弧内は各自の主宰誌。退会者なども含む。
参考文献
[編集]- 斎藤夏風 「夏草」 『現代俳句大事典』普及版、三省堂、2008年、398-399頁
- 吉野洋子 「夏草」 『現代俳句ハンドブック』 雄山閣、1995年、143頁
関連文献
[編集]- 関悦史 「古舘曹人――「夏草」の幕引き役を務めた「没蹤跡」の人」 『週刊俳句時評』 週刊俳句、2010年12月5日