外核

1.地殻、2.マントル、3a(6).外核、3b(7).内核
4.リソスフェア、5.アセノスフェア

外核(がいかく、: outer core)は、地球の内部の層の一つ。

概要

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地球の内核の外側、マントルの内側にあり、厚さはおよそ2266キロメートル。中心部にある液体の層である。地球コア内核と外核があり、境界面にレーマン不連続面があることをインゲ・レーマンが初めて示した[1]。マントルと外核との境界(グーテンベルク不連続面)は地下およそ2,890キロメートルにあり、外核と内核との境界(レーマン不連続面)は地下およそ5,150キロメートルにある。密度は9900kg/m³から12200kg/m³。外核は、内核と似た組成で、ニッケルにより構成されていると推測されている。硫黄酸素も外核に存在しうる。外核の温度は、最も外側の部分で4400 ℃、最も内核に近い部分で6100 ℃。温度が高いと推測され、固体になるほどの圧力を受けていない。モデルを用いた研究によると、外核は粘度の低い流体(地表面における液体金属のおよそ10倍)で、乱流により熱気を循環させている[2]

外核ではP波は伝播するが、S波が完全に減衰されていることも、外核が流体であることを示している。これは、粘度の低い流体はせん断応力に対応できない、すなわち粘度の低い流体はせん断応力に応じて素早く変形し、圧力をなくしてしまうことによる。

流体力学電磁気学を融合した磁気流体力学は、導電性の流体の運動と磁場の相互作用を考える。ダイナモ理論はこれを応用し、鉄とニッケルでできた流体の外核に渦電流が発生しており、これが地磁気に影響していると考える。地球の外核における地磁気の強さを計算すると平均25ガウスである。これは地表における地磁気よりも50倍も強くなる[3][4]

熱はマントルへと移っていくため、正味の傾向として液体部分のうち、内核側との境界に近いところが固体化していき、固体の内核が成長していく[5]。この成長スピードは1年に1ミリメートルと見積もられている[6]

外核による磁場の発生がなかったら、地球の生命は今と大きく違っていた可能性がある。外核の液体金属が対流することにより地球の磁場、地磁気ができている[7][8]。この磁場は上空数千キロメートルにわたって存在し、いわば地球を守る天蓋となって太陽風をそらす。この磁場がなければ、太陽風が地球の大気に直に作用する。すると、地球の大気がだんだん剥ぎ取られ、生命がほとんど住めないようになり、火星のような惑星になるだろうという仮説がある[9]

関連項目

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出典

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  1. ^ Lehmann, I (1936). “P'”. Int. Trav. Sci. Ser. A (Publ. Bur. Centr. Seismol) 14: 87. 
  2. ^ Gilles A. de Wijs et. al., The viscosity of liquid iron at the physical conditions of the Earth's core, Nature 392, 805-807 (23 April 1998) . 392. doi:10.1038/33905. 
  3. ^ http://www.science20.com/news_articles/first_measurement_magnetic_field_inside_earths_core
  4. ^ https://www.nature.com/articles/nature09643
  5. ^ Gubbins, David; Sreenivasan, Binod; Mound, Jon; Rost, Sebastian (May 19, 2011), “Melting of the Earth’s inner core”, Nature 473: 361–363, doi:10.1038/nature10068 
  6. ^ Waszek, Lauren; Irving, Jessica; Deuss, Arwen (February 20, 2011), “Reconciling the hemispherical structure of Earth’s inner core with its super-rotation”, Nature Geoscience 4: 264–267, doi:10.1038/ngeo1083 
  7. ^ Woodrow L. Shew, Daniel P. Lathrop, Liquid sodium model of geophysical core convection, Physics of the Earth and Planetary Interiors 153 (2005) 136–149
  8. ^ Kent C. Condie, Plate Tectonics, Butterworth-Heinemann; 4th ed., 1997, p. 140 ISBN 978-0750633864
  9. ^ アーカイブされたコピー”. 2013年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月21日閲覧。

外部リンク

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