大塚勇三
大塚 勇三(おおつか ゆうぞう、1921年1月27日 - 2018年8月18日[1])は、日本の児童文学者・翻訳家。
旧満洲旧安東市(現・遼寧省丹東市)生まれ。東京帝国大学法学部を卒業。1957年から1966年まで平凡社に勤め、瀬田貞二と出会い、米英、ドイツ、北欧などの児童文学の翻訳に携わる。特にアストリッド・リンドグレーンの作品をほとんど翻訳、アルフ・プリョイセンの「スプーンおばさん」シリーズ、ルーネル・ヨンソンの「小さなバイキング」などの翻訳が著名である。ほか自身で民話の再話絵本も執筆した。
2018年8月18日、死去。97歳没[1]。
著書
[編集]- 『うみのがくたい』(福音館書店、こどものとも傑作集) 1964
- 『スーホの白い馬』(モンゴル民話、福音館書店) 1967:1968年に産経児童出版文化賞受賞
- 『いしになったかりゅうど』(モンゴル民話、福音館書店) 1970
- 『プンクマインチャ』(ネパール民話、福音館書店) 1971
- 『石のししのものがたり チベットの民話による』(福音館書店、こどものとも傑作集) 1992
- 『まじょのひ パプア・ニューギニアの昔話』(福音館書店、こどものとも世界昔ばなしの旅) 1997
- 『おおきなかぬー』(土方久功画、福音館書店、こどものとも世界昔ばなしの旅) 2005
翻訳
[編集]- 『ウル』(ウーリー、瀬田貞二共訳、みすず書房、人間と文明の発見シリーズ) 1958
- 『赤い月と暑い時』第1 - 第2(ヘルベルト・カウフマン、みすず書房) 1959
- 『夢を掘りあてた人 トロイアを発掘したシュリーマン』(ヴィーゼ、岩波書店) 1961
- 「あかずきん」(グリム原作、宮脇公実絵、福音館書店、『こどものとも』80号 / 1962年11月号)
- 『地下の洞穴の冒険 / ふたたび洞穴へ』(リチャード・チャーチ、岩波書店) 1962、のち岩波少年文庫
- 「おおきな かぬー」(ニュージーランド マオリ族の民話 再話、土方久功絵、福音館書店、『こどものとも』 82号 / 1963年1月号)
- 『たんじょうび 』(ハンス・フィッシャー、福音館書店) 1965
- 『ハンニバルの象つかい』(ハンス・バウマン、岩波書店) 1966
- 『しあわせなふくろう オランダ民話』(ホイテーマ、福音館書店) 1966
- 『ワシとハト』(ジェームズ・クリュス、岩波書店、岩波おはなしの本) 1967
- 『小さなバイキング』(ルーネル・ヨンソン、学習研究社) 1967
- 『どこからかきた少女』(ゲープハルト、岩波書店) 1968
- 『ラモンじいさん』(シェファー、学習研究社、少年少女学研文庫) 1968
- 『子どもだけの町』(ウィンターフェルト、河出書房、少年少女世界の文学21) 1968
- 『マウルスと三びきのヤギ』(アロワ・カリジェ、岩波書店) 1969
- 『ナシの木とシラカバとメギの木』(アロワ・カリジェ、岩波書店) 1970
- 『いたずら小人プムックル』(カウト、学習研究社) 1970
- 『くさはらのこびと』(エルンスト・クライドルフ、福音館書店) 1970
- 『ふゆのはなし』(クライドルフ、福音館書店) 1971
- 『クルミわりとネズミの王さま』(E・T・A・ホフマン、講談社、こどもの世界文学16 - ドイツ編2) 1973
- 『ウルスリのすず』(ゼリーナ・ヘンツ、岩波書店) 1973
- 『フルリーナと山の鳥』(ゼリーナ・ヘンツ、岩波書店) 1974
- 『トム・ソーヤーの冒険』(マーク・トゥエイン、福音館書店) 1975、のち文庫
- 『マウルスとマドライナ』(アロワ・カリジェ、岩波書店) 1976
- 『黄金の七つの都市』(スコット・オデール、岩波書店) 1977
- 『くまのオートバイのり』(ライナー・チムニク、佑学社) 1978
- 『かしこいふくろう』(ライナー・チムニク,ハンネ・アクスマン、佑学社) 1979
- 『たのしいゾウの大パーティー』(パウル・ビーヘル、岩波書店) 1980
- 『ハリネズミのラッテのぼうけん』(セバスティアン・リーベック、福音館書店) 1980
- 『もりのこびとたち』(エルサ・ベスコフ、福音館書店) 1981
- 『氷の国のイワン』(ロバート・スウィンデルズ、岩波書店) 1981
- 『むぎうちヨナス』(クルト・バウマン、文化出版局) 1982
- 『運命の王子 古代エジプトの物語』(リーセ・マニケ、岩波書店) 1984
- 『ライオンとねずみ 古代エジプトの物語』(リーセ・マニケ、岩波書店) 1984
- 『ひとりぼっちのこねずみ』(エゴン・マチーセン、福音館書店) 1986
- 『グリムの昔話』(グリム、フェリクス・ホフマン編、福音館書店) 1986 - 1988、のち文庫
- 『なぞのヒョウのゆくえ』(セシル・ベズカー、岩波書店) 1988
- 『ハックルベリー・フィンの冒険』(マーク・トウェイン、福音館書店) 1997
- 『ノルウェーの昔話』(アスビョルンセン,モー編、福音館書店) 2003
- 『ペーテルとペトラ』(リンドグレーン、岩波書店) 2007
アストリッド・リンドグレーン作品
[編集]- 『リンドグレーン作品集 1 長くつ下のピッピ』(岩波書店) 1964、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 2 ピッピ 船にのる』(岩波書店) 1965、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 3 ピッピ 南の島へ』(岩波書店) 1965、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 4 やかまし村の子どもたち』(岩波書店) 1965、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 5 やかまし村の春・夏・秋・冬』(岩波書店) 1965、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 6 やかまし村はいつもにぎやか』(岩波書店) 1965、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 7 やねの上のカールソン』(岩波書店) 1965、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 別巻 ミオよ、わたしのミオ』(岩波書店) 1967、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 別巻 2 小さい兄弟』(岩波書店) 1969、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 別巻4 親指こぞうニルス・カールソン』(岩波書店) 1974、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 別巻5 やねの上のカールソンとびまわる』(岩波書店) 1975、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 別巻6 はるかな国の兄弟』(岩波書店) 1976、のち岩波少年文庫
- 『リンドグレーン作品集 別巻7 山賊のむすめローニャ』(岩波書店) 1982、のち岩波少年文庫
※『リンドグレーン作品集 別巻3 わたしたちの島で』は、尾崎義訳。
アルフ・プリョイセン作品
[編集]- 『小さなスプーンおばさん』(アルフ・プリョイセン、学習研究社) 1966
- 『スプーンおばさんのぼうけん』(アルフ=プリョイセン、学習研究社) 1968
- 『スプーンおばさんのゆかいな旅』(プリョイセン、学習研究社) 1975
- 『スプーンおばさんちいさくなる』(プリョイセン、偕成社) 1979
- 『スプーンおばさんのクリスマス』(プリョイセン、偕成社) 1979
- 『しあわせのテントウムシ』(プリョイセン、岩波書店) 1979
オトフリート・プロイスラー作品
[編集]- 『小さい魔女』(オトフリート・プロイスラー、学習研究社) 1965
- 『小さい水の精』(プロイスラー、学習研究社) 1966
- 『小さいおばけ』(プロイスラー、学習研究社) 1967
- 『大力のワーニャ』(プロイスラー、学習研究社) 1973
出典
[編集]- ^ a b “訃報 大塚勇三さん97歳=児童文学者「スーホの白い馬」”. 毎日新聞. (2018年8月20日) 2018年8月20日閲覧。