宗谷海流
宗谷海流(そうやかいりゅう)とは対馬海流の末流が宗谷海峡を通ってオホーツク海に入り、北海道の北東海岸に沿って南東に流れる海流のこと[1][2]。宗谷暖流[1]とも呼ばれる暖流であり、水温は年間を通じて4℃以上で、真夏には18℃近く[1]にものぼる。中心部の塩分濃度は33.8‰程度[1]。流速は春および秋には1.5ノット、夏には3ノットに達する[2]。宗谷海流の区域は通常沿岸20海里以内で知床岬までは冬季を除き明瞭に見られるが、知床岬より東では一部は根室海峡を通って太平洋に出て[2]、一部は北上して東樺太海流と混合してしまう。
宗谷海峡を挟んだオホーツク海と日本海の水位差により駆動されている(日本海側の水位がオホーツク海側の水位より高い)[3]。この差は夏季に大きくなり、冬季にはかなり小さくなる。そのため夏季には流量の増加がおこり、冬季には減少するという季節変動を生じている[3][4]。
脚注
[編集]- ^ a b c d 青田昌秋, 石川正雄, 山田俊郎「宗谷海峡の流れについて」『低温科學. 物理篇』第47号、北海道大学低温科学研究所、1988年、147-160頁、ISSN 04393538、NAID 110001496384。
- ^ a b c 北海道周辺の海流 第一管区海上保安本部
- ^ a b 小野祐嗣, 磯田豊, 工藤勲, 宮園章, 有田駿「東風時に弱化され易い宗谷暖流」『北海道大学水産科学研究彙報』第65巻第2号、北海道大学大学院水産科学研究科、2015年8月、47-59頁、doi:10.14943/bull.fish.65.2.47、ISSN 1346-1842、NAID 120005649143。
- ^ 青田昌秋「宗谷暖流の研究」『低温科学 物理篇』第33号、北海道大学低温科学研究所、1976年3月、151-172頁、ISSN 04393538、NAID 110001706765。