将校

将校(しょうこう、officer)とは、広義には少尉以上の軍人を意味する士官の類義語、狭義には軍隊において主に兵科に属し部隊指揮官としての任にある士官を指す。

ただし、大日本帝国において陸軍海軍とでは「将校」自体の意味や用法が異なっていた事や、日本語でいう士官も将校も英語においては「オフィサー(officer)」に対応付けられているなど、日本以外の軍隊における士官と将校の厳密な定義付けは不適当な為、本項では主に旧日本軍での事情について詳述する。

概要

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旧日本軍において、少尉以上の階級で(主に戦闘職種たる兵科ではない)衛生・経理等の各部(陸軍呼称)・科(海軍呼称)にある者を「将校相当官」(旧陸軍1937年昭和12年)2月にこの「各部将校相当官」を廃し、「各部将校」に改称。旧海軍敗戦による武装解除に伴う解体に至るまで「将校相当官」制を固持)と称し、兵科にある者と合わせて「将校」ないし「士官」等と総称する。

しかし、陸軍は1937年(昭和12年)まで、海軍は1919年大正8年)まではあくまで「陸軍武官官等表」および「海軍武官官階表」上において正式には尉官を「士官」、佐官を「上長官」と称していた。その一方で、少尉以上の階級総称を陸軍は「将校」・海軍は「士官」と古くより慣用的に呼称していた側面もある。

なお、陸軍においては兵科・各部の違い、士官候補生少尉候補者甲種幹部候補生等出自の違い、部隊指揮官としての任の関係なく士官全てを平等に「陸軍将校」と呼称していた。一方で海軍においては、海軍機関科問題軍令承行令等に代表される様に、軍人としての出自についての区別(差別)や対立が根強く、海軍兵学校を卒業した兵科[注釈 1]の士官のみが「海軍将校」であり、他の「将校相当官たる士官」・「特務士官」は「海軍将校」とはされなかった。

現在の自衛隊においては、「幹部」自衛官が将校に相当する地位および名称である。「将校」という用語は公式には用いていないものの、旧日本陸軍の事実上の後身に相当する陸上自衛隊においては、第35代陸上自衛隊幹部候補生学校長の前田忠男が「(前略)第一線で真に有用な幹部を育成するため、将校は良き戦士たれ、自らの後輩は自ら育てるを要望事項に掲げ(後略)」と発言しているように、「将校」の概念や呼称は依然存在している[1]

脚注

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注釈

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  1. ^ 1942年(昭和17年)に、制度上は兵科と機関科が統合されたが、実際には敗戦によって海軍が消滅するまで兵科と機関科の「区別」が続いた。「海軍機関科問題」を参照。

出典

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  1. ^ 陸上自衛隊幹部候補生学校長プロフィール”. 陸上自衛隊幹部候補生学校. 2014年1月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月30日閲覧。

関連項目

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