帽章
帽章(ぼうしょう)とは、帽子に付く徽章のことで、特に服制の定めのある者が被る制帽の徽章のことをいう。所属する組織・団体を表章する徽章がよく採用され、円形章もよく用いられる。
軍隊の制帽の場合、陸軍は剣や小銃、海軍は錨、空軍は鳥、翼、プロペラなどの意匠を用い、これと国章、国を象徴する動植物、政治体制を象徴する意匠(王冠や赤い星など)等を組み合わせている場合が多い。ただし国によっては帽章の軍種ごとの差異が希薄なものや、逆に兵科や部隊ごとに独自の帽章を用いている場合もある。
警察、消防、鉄道、警備業者など、官帽を服制に取り入れている団体では全て導入されている。
世界各国の帽章(おもに軍帽)
[編集]- 国旗・国章を基本にした帽章がもちいられた例
- ソビエト連邦軍(陸軍の兵と下士官)
- ユーゴスラビア人民軍(海軍)
- 独自の帽章がもちいられた例
- 陸上自衛隊の帽章の例(陸士用)
- 軍種・兵科・部隊ごとに異なる例
- その他
- 救世軍の制帽(ショー・クリフトン大将)
日本の公務員の制帽の帽章の例
[編集]- 旧日本陸軍:五芒星。近衛師団附は桜葉が付く。(日本陸軍の軍服)。
- 旧日本海軍:士官は桜に錨に円廊を桜葉と蕾(抱き茗荷)が囲む意匠。下士官用では初期は錨に円廊、太平洋戦争中に改正され士官用に類似した意匠となる。兵用ではペンネントが用いられた。(日本海軍の軍服)。
- 陸上自衛隊:桜星と桜葉。近衛兵帽章に類似するが着用位置等異なる。幹部・陸曹用と陸士用でデザイン、素材が異なる。
- 海上自衛隊:幹部自衛官は桜に錨と輪金。幹曹士ともに旧海軍のものに類似するが、細部異なる。
- 航空自衛隊:五芒星が入り翼が生えた日の丸の上にワシ。航空自衛隊旗や航空自衛隊章に用いられる意匠と同様。
- 警察:花と葉(男性用5枚、女性用3枚)がある桜の枝で囲まれた五角形の光条を持つ旭日章。「国警五(三)枚葉旭日章」と呼ばれる。
- 刑務官:花と葉がある桜の枝で囲まれた五角形の光条を持つ旭日章。警察の物に近いデザインだが、花・葉・旭日章ともに銀色で旭日章の外側に刑務所の塀を象徴する輪[1] がある。
- 衆議院と参議院の衛視:花と葉がある桜の枝で囲まれた五角形の光条を持つ旭日章。警察の物に似ているが、葉の数が多い。
- 消防:消防章(雪の結晶と日章に水柱のイメージ、全方向に向いた6本の管槍(かんそう、放水用ノズル)、中央には巻かれたホース、以上の組み合わせ)。消防章を桜の形で囲むと消防庁章。
- 消防団員:桜花とY字型の消防徽章(戦前の消防組の消防徽章と同じ)の組み合わせ。
- 海上保安官:32方位の方位磁針と旭光、救命浮環、鴎、梅の模様。
- 入国審査官・入国警備官:鳩と旭光と「I.A.」の文字に「IMMIGRATION」の黒文字入りリボン。
- 税関職員:銀色の篆書体で「関」の字。囲むように桜の花と葉5枚。
- 検疫官:金色の錨、銀色の翼、銀色の「Q」の字。囲むように銀色のつぼみを持つ金色の桜の葉7枚。
- 家畜防疫官:銀色の橄欖で囲まれた銀色の日本政府紋章(五七の桐)。
- 植物防疫官:金色の橄欖で囲まれた金色の日本政府紋章。
- 船員労務官:金色の橄欖で囲まれた金色の錨と浮輪、カモメ。
- 日本国有鉄道:日本政府紋章と蒸気機関車の動輪。
- 郵政省:伝書鳩のイメージ。羽ばたく鳩が足に手紙をつかむ。
- 警防団:旭光と桜花の組み合わせ。
- 消防組:Y字型の消防徽章[注釈 1]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 『図鑑 日本の監獄史』(雄山閣、1985年)359ページより