接中辞
接辞 |
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接中辞(せっちゅうじ、英: infix)とは、接辞の一種で、語幹の中に割り込むもの。オーストロネシア語族の言語によく見られる。グロス表記では、角括弧(⟨xxx⟩)で表記される。
例
[編集]オーストロネシア語族
[編集]- タガログ語で sulat は書くことを意味する名詞である。これに接中辞 ⟨-um-⟩ [1]を加えたsumulat は書くという意味の動詞である。
- 古代ジャワ語では接中辞 ⟨-a-⟩ を加えて未来形を表す。
オーストロアジア語族
[編集]- クメール語では កើត kaət (生まれる)に対する កំណើត k-ɑmn-aət (誕生・起源)のように接中辞を使って名詞を作る。ただし、現代では造語性は失われている。⟨-amn-⟩を加えて名詞を表す。
中国語
[編集]アラビア語
[編集]- アラビア語の動詞で再帰形にあたる第八派生形は、نظر naẓara (見る)に対して انتظر ('i)n-t-aẓara (待つ)のように接中辞 ⟨-t-⟩ を使用する。なお 'i- は語頭の子音連結を避けるための音挿入(prothesis)。
インド・ヨーロッパ語族
[編集]- ラテン語の linquō (残す)に対して liquī (残した)のように、現在語幹に接中辞 ⟨-n-⟩ があらわれる動詞がある。
スー語族
[編集]脚注
[編集]- ^ umは行為者焦点の、単純な中立的行為に使われる接中辞。
- ^ 徐通鏘 (1981). “山西平定方言的“児化”和晋中的所謂嵌“l”詞”. 中国語文 (6): 408-415.
- ^ Tüting, A. W (2003), Some Reflections on Lakota Language Structures as looked at by a naive non-Native