文献通考
『文献通考』(ぶんけんつこう)は、上古から南宋の寧宗の開禧3年(1207年)に至る歴代の制度の沿革を記した中国の政書。
元の延祐4年(1317年)、馬端臨(1254年 - 1324年)が完成させた。全348巻、考証3巻を付す。
概要
[編集]唐の杜佑の『通典』をモデルとするが、考証は正確で、宋代の制度について詳しく、『宋史』の志の部分や『宋会要』の欠を補う史料的価値があり、政書のなかでは最も評価されている。ただ、本書が100年も前の寧宗朝までしか記さなかったのは、散佚して伝わらない『宋朝国史』の志の部分を参考にしたためであると考えられる。『宋朝国史』は、寧宗朝までしか編纂されていなかった。また、その「経籍考」は、『郡斎読書志』や『直斎書録解題』に基づいて書かれている。
内容
[編集]- 田賦 土地制度論
- 銭幣 通貨論
- 戸口 人口戸籍論
- 職役 官僚制度論
- 徴榷 各種税制論
- 市糴 市場統制論
- 土貢 各地特産論
- 国用 物資輸送論
- 選挙 官吏任用論
- 学校 太学など学校制度論
- 郊社 国家祭祀論
- 宗廟 祖先祭祀論
- 王礼 王者典礼論
- 楽 音楽制度論
- 兵 軍事制度論
- 刑 刑罰制度論
- 経籍 古典書籍論
- 帝系 皇帝系譜論
- 封建 封建制度論
- 象緯 天文観測論
- 物異 怪奇現象論
- 輿地 国内地理論
- 四裔 外国地理論
外部リンク
[編集]- “国立国会図書館貴重書展:展示No.16 文献通考”. 国会図書館. 2018年2月15日閲覧。