コウ (霊獣)

(こう)[1]は、中国に伝わる霊獣あるいは妖怪金毛犼金毛吼(きんもうこう)青毛犼(せいもうこう)[2]とも。

一般的には(いぬ)あるいは獅(しし)のような姿(日本でいうところの唐獅子狛犬)の霊獣として描かれ、人を食べると言われている。の時代に書かれている『偃曝与談』には、形は兔のようで両耳は長く、その尿をあびると血肉は腐れただれるといい、獅子もこれを恐れるとある。

いっぽう、の時代に編まれた『続子不語』では神通力があり口から火を吐くとされており、獅子や象とならんで仏の乗り物である記されている。また僵尸が変じた魃(旱魃)がさらに変じたものであるとも説かれている[3]

犼の登場する作品

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神仏の乗り物であると考えられた点から、その性質をもった犼が描かれることが多い。主に観世音菩薩がこれに乗るとされており、物語に登場する際も観音と関連する存在が乗っていたりする。

西遊記
観音菩薩の乗る金毛犼(金毛吼)が化けた賽太歳として登場している(第71回)。中野美代子は犼(こう)について「犬の一種[4]」と注記している。版本の挿絵などで犼のときのすがたは、唐獅子のようなかたちで描かれており、四本の脚の下には蓮の花を踏まえている。
封神演義
金毛犼が正体である截教の仙人・金光仙が登場する。最後は慈航道人の乗り物となる。

脚注

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  1. ^ 『康熙字典』「『集韻』許后切,音吼。『玉篇』似犬。『集韻』北方獣名。似犬,食人」
  2. ^ 『鋒剣春秋』第五十九回
  3. ^ 袁枚『続子不語』巻3・犼
  4. ^ 中野美代子 訳 『西遊記』8 岩波書店岩波文庫> 1995年 33頁

関連項目

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