榎本滋民
榎本 滋民(えのもと しげたみ、1930年2月21日 - 2003年1月16日[1])は、日本の劇作家、演出家、小説家。日本演劇協会理事をつとめた[2]。
経歴
[編集]旧東京府生まれ。1951年に國學院大學文学部中退[3]。近世文学・芸能の研究を経て、戯曲・小説の創作を手がけ、演出も行う[4]。
雑誌編集のかたわら、1961年、オール讀物の懸賞戯曲に『孤塁』が入選。同1961年、新派の「花の吉原百人斬り」でデビュー[5]。
主な戯曲に新国劇の『同期の桜』、新派の『寺子屋お登勢』、その他『愛染め高尾』『たぬき』『浮世節立花家橘之助』があるほか、『明日のことは知らず候』『お前極楽』などの小説も執筆した。1977年には芸術祭大賞を受賞した[1]。
演出作品に「薄桜記」「築山殿始末」「権三と助十」、脚色・演出は「重ね扇」など多数[6]。
また、フジテレビ系列で放送された『三匹の侍』(1964年 - 1969年)の脚本を手掛けるなど、テレビドラマの制作に携わった事もあった。
落語の研究家でもあった。1999年までTBSで30年間続いたテレビ番組『TBS落語特選会』では、解説員として山本文郎アナウンサーと共にちゃぶ台に並んで座る姿がよく知られていた。
2003年1月16日、自宅が火事となり、焼け跡から遺体となって発見された。72歳没[1]。
受賞
[編集]出典:日外アソシエーツ現代人物情報
著作
[編集]単著
[編集]- 『落語小劇場』(1970年、寿満書店)
- 『夢二恋歌』(1974年、講談社)
- 『お前極楽 江戸人情づくし』(1975年、講談社)のち論創社
- 『落語俗物園』(1976年、三樹書房)
- 『長屋歳時記 大江戸庶民明け暮ればなし』(1982年、たくみ書房)
- 『古典落語の世界』(1984年、講談社)
- 『古典落語の力』(1988年、筑摩書房 ちくまライブラリー)
- 『落語ことば辞典―江戸時代をよむ』(2004年、岩波書店、京須偕充編)のち『落語ことば・事柄辞典』として角川ソフィア文庫
- 『榎本版 志ん朝落語』(2005年、ぴあ)
共著・編著
[編集]- 『大衆芸能資料集成 第4巻 寄席芸 1 落語』編著、(1981年、三一書房)
- 『殺し文句の研究 part 2』共著、1987年、読売新聞社
- 『落語名人大全』三田純市共編 講談社 (スーパー文庫) 1995年