法言
『法言』(ほうげん)は、前漢の学者揚雄が『論語』の体裁を模して作った思想書である。作者の名を冠して『揚子法言』とも呼ぶ。
概要
[編集]『論語』を模していることからも容易に想像がつくが、儒家の思想をその根本としている。『老子』に触れ、その内容を評価することもあるが、儒家を否定する文脈には従わないと明言している(「問道巻」)。
成立
[編集]『法言』の成立は、司馬光によれば平帝の時代であるが、汪栄宝はその説に反対して、揚雄の最晩年の作であり、新の天鳳改元(14年)以降の作であるとした[1]。田中麻紗巳もその説に賛成し、『法言』の末尾の言葉は王莽の礼制改革や王田制を賛美したものとする[2]。
構成
[編集]全13巻である。
- 学行
- 吾子
- 修身
- 問道
- 問神
- 問明
- 寡見
- 五百
- 先知
- 重黎
- 淵騫
- 君子
- 孝至
注釈書
[編集]東晋の李軌の注、北宋の司馬光の集注、中華民国の汪栄宝の『法言義疏』等がある。
日本語訳
[編集]脚注
[編集]参考文献
[編集]- 田中 麻紗巳『両漢思想の研究』研文出版、1986年。