現代教養文庫
現代教養文庫(げんだいきょうようぶんこ)は、社会思想社の文庫である。第2次文庫本ブームの1951年に創刊された。2002年6月の社会思想社廃業により廃刊。翻訳物を含む人文科学系の書籍やミステリーの他に、1980年代のゲームブックブームの火付け役とされるファイティング・ファンタジーシリーズなどでも知られる。
2012年~2013年、電子書籍出版社インタープレイにより、「現代教養文庫ライブラリ」として多数が電子書籍で再刊された。
分類
[編集]出版分野(背表紙マーク)は、以下の通り分類される。
- 黄A - 人文科学
- 鼠B - 社会科学
- 青C - 自然科学
- 白D - 文学・芸術・読物
- 赤E - 趣味・生活文化
- 緑F - ミステリ・ボックス
また教養カラー文庫も出版された。
作品
[編集]人文科学
[編集]- ルース・ベネディクト「菊と刀」
- アーノルド・J・トインビー「歴史の研究」
- バートランド・ラッセル「哲学入門」
- トール・ヘイエルダール「アク・アク(全2巻)」「ファッツ・ヒバ(全2巻)」
- 巻正平「恋愛の方法」
- 江上波夫他「世界の歴史(全12巻)」
- 大森志郎他「日本を知る小事典(全6巻)」
など
自然科学
[編集]- A.サトクリフ「エピソード科学史(全4巻)」
- アルカジイ・レオクム「ポケットサイエンス(全5巻)」
- シュテーリヒ「西洋科学史(全5巻)」
- マーティン・ガードナー「おもしろい数学パズル(全2巻)」
- 草下英明「星座の楽しみ」「星座手帖」「星の百科」
など
文学・芸術・読物
[編集]異色作家傑作選
[編集]- 夢野久作
- 死後の恋
- 氷の涯
- 悪魔祈禱書
- ドグラ・マグラ
- 爆弾太平記
- 小栗虫太郎
- 黒死館殺人事件
- 白蟻
- 青い鷺
- 潜航艇「鷹の城」
- 紅毛傾城
- 久生十蘭
- 魔都
- 黄金遁走曲
- 地底獣国
- 昆虫図
- 無月物語
- 山田風太郎
- 首
- 夜よりほかに聴くものなし
- 棺の中の悦楽
- 誰にも出来る殺人
- 橘外男
- 死の蔭(チヤブロ・マチユロ)探検記
- ナリン殿下への回想
- ベイラの獅子像
- 香山滋
- ソロモンの桃
- オラン・ペンデクの復讐
- 妖蝶記
- 日影丈吉
- かむなぎうた
- 猫の泉
- 内部の真実
- ハイカラ右京探偵暦
アドベンチャー&ファンタジー
[編集]1988年1月創刊の翻訳ファンタジーを中心としたレーベル。
- D.アースコット&D.J.マール「凍結都市」
- ディビット・ビショップ「ゲーミング マギ(全3巻)」
- ポール・フィッシャー「魔剣伝説(全3巻)」
- 神月摩由璃「幾千の夜を超えて」
- タニス・リー「ドラゴン探索号の冒険」
- マーセデス・ラッキー「女王の矢(全2巻)」
など
ミステリ・ボックス
[編集]1990年10月創刊の翻訳ミステリ専門レーベル。キャッチコピーは「人間の数だけ、ミステリが生まれる!」
など
その他
[編集]- 目加田誠他「中国詩選(全4巻)」
- 魚返善雄 「漢文入門」
- 猪俣勝人「日本映画名作全史(全3巻)」「世界映画名作全史(全3巻)」
- 江崎俊平 「日本武将列伝」「日本剣豪列伝」「物語柳生宗矩」
- 牧逸馬(牧逸馬文庫)「浴槽の花嫁 世界怪奇実話Ⅰ」「血の三角形 世界怪奇実話Ⅱ」「街を陰る死翼 世界怪奇実話Ⅲ」「親分お眠り 世界怪奇実話Ⅳ」「第七の天 ミステリーⅠ」「白仙境 ミステリーⅡ」
- 谷譲次(谷譲次文庫)「めりけんじゃっぷ商売往来」「テキサス無宿」「踊る地平線」「もだん・でかめろん」「新・巌窟王(上下)」
- アレックス・ヘイリー「ルーツ(全3巻)」
など
趣味・生活文化
[編集]- 井上宗和「日本の城」「ヨーロッパの城」
- 片方善治「洋酒入門」「ワイン入門」「カクテル入門」
など
ゲーム
[編集]1984年に発売された火吹山の魔法使いを始めとするファイティング・ファンタジーシリーズなどのゲームブックの他に、トンネルズ&トロールズなどのテーブルトークRPGが発行されている。
主なシリーズ作品
[編集]以下のゲームブック・RPGが発売されている。詳細は各記事を参照
- ファイティング・ファンタジー
- トンネルズ&トロールズ及びハイパートンネルズ&トロールズ
- ウォーハンマーRPG
- 混沌の渦
- J.H.ブレナン「モンスター・ホラーショウ」
ギリシャ神話アドベンチャーゲーム
[編集]→「ギリシャ神話アドベンチャーゲーム」を参照
1986年発売・全3巻 P・パーカー他著
- アルテウスの復讐
- ミノス王の宮廷
- 冒険者の帰還
その他のゲームブック
[編集]教養カラー文庫
[編集]- 田中光常「ガラパゴス」「日本野生動物誌」「オーストラリア」「アフリカ」「野性の家族」「可愛い仔猫」「インド」
- 吉野信「動物の顔」「ネコ」
- 栗林慧「昆虫記(全2巻)」
脚注
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