癜風
癜風 | |
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白色癜風を発症した身体(左)と原因菌のマラセチア属(右) | |
概要 | |
診療科 | 感染症内科学, 皮膚科学, 寄生虫学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | B36.0 |
ICD-9-CM | 111.0 |
DiseasesDB | 10071 |
MedlinePlus | 001465 |
eMedicine | derm/423 |
MeSH | D014010 |
癜風(でんぷう、英: Tinea versicolor)は、マラセチア属の癜風菌(Malassezia furfur)による皮膚感染症で、無症状の鱗屑を伴う斑が多発する。癜風は良性であり人から人への感染性はないと考えられ、発症者の大半は健康である[1]。熱帯地方では人口の20-30%が罹患していると報告されている[2]。
病変部は日焼けで黒くならないため、夏に診断されることが多い。ありふれた日和見感染の一つであるが気づかない人が多く、一般的に認知されていない[1]。M. furfur によって産生されるアゼライン酸が、メラニン合成に関わるモノフェノールモノオキシゲナーゼを阻害することで、皮膚の脱色や着色が生じる[1]。
原因菌
[編集]原因
[編集]癜風菌への感染によるが、皮膚の常在菌として存在しており、ほとんどの人では発症せず無害である[1]。当該疾患に対する感受性を高める因子は、高温多湿、コルチコステロイド、妊娠、低栄養、糖尿病、その他の疾患による免疫抑制がある[1]。遺伝的に、マラセチア属真菌が増殖しやすい体質の人もいる[3]。
症状
[編集]細かい鱗屑が付着する淡褐色斑(黒色癜風)あるいは脱色素斑(白色癜風)ができる。好発部位は背部、胸部、頸部、上腕、腋窩などで、春から夏にかけて発症および悪化しやすく、痒みを伴わないことが多い。
癜風で生じる色素減少は、数カ月から数年をかけて回復する[1]。
診断
[編集]- 臨床的な外観
- KOH法による直接鏡検
- ウッド灯検査
治療
[編集]出典・脚注
[編集]- 癜風 MSDマニュアル プロフェッショナル版
- 渡辺晋一、皮膚真菌症診断・治療ガイドライン 日本内科学会雑誌 2017年 106巻 4号 p.802-806, doi:10.2169/naika.106.802
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 清佳浩、癜風関連疾患 (PDF)
- 清佳浩、「マラセチア関連疾患」Medical Mycology Journal. Vol.53 (2012) No.2 p.97-102, doi:10.3314/mmj.53.97