盛岡文士劇
盛岡文士劇(もりおかぶんしげき)は、岩手県盛岡市で毎年年末に上演される演劇。岩手や盛岡にゆかりのある作家、文化人、放送関係者(岩手県の放送局のアナウンサーなど)が出演する。
概要
[編集]1949年に作家の鈴木彦次郎が中心となって開始。13年継続し一度は中断する。1995年に盛岡在住の作家、高橋克彦が発起人となって復活し、現在に至る。
キャストは2チームに分かれ、それぞれ現代劇、時代劇に演題を分けて上演する。有名な映画のプロットを翻案したコメディや人情劇などが多いが、地元放送局のアナウンサーの出演を主体にした現代劇は盛岡を舞台とし、盛岡弁をふんだんに取り入れた台本が特徴。
素人の演劇ゆえの言い間違いや、他県出身のアナウンサーらが披露する下手な盛岡弁が笑いを誘っている。アドリブを連発する出演者もおり、会場内は終始笑い声に包まれる。スペシャルゲストが登場することもある[1]。
2つの演題の幕間には、盛岡市長をはじめとした文化人、名士が実行委員として裃姿で登場して口上を行う。こちらも出し物の一つとされ、名物となっている。
盛岡劇場(盛岡市松尾町)にて、毎年11月末または12月初頭の土日に公演が行われる。チケットは10月に売り出される。テレビ放送についてはIBC岩手放送が復活第1回から独占放映しており、公演後約1ヶ月後(年明け前後)に岩手県内に向けてテレビ放映している[2]。
代表的キャスト
[編集]原則として出演者に恒久的なメンバーは存在しないが、地元放送局アナウンサー[3]、高橋(克)(時代劇)、畑中(現代劇)は復活公演から2017年まで皆勤している[4]。
現代劇
[編集]アナウンサーが中心。公演の前半。
- 盛岡市の民放テレビ局のアナウンサー - IBC岩手放送から2-3名[5]。他の民放テレビ局は出演しない[6]。
- 高橋佳代子(元テレビ岩手、フリーアナウンサー)
- 高橋美佳(元テレビ岩手、フリーアナウンサー)
- 畑中美耶子(元IBC岩手放送、フリーアナウンサー、方言指導家、もりおか歴史文化館館長)
- 毎回冒頭に花道から登場し、客と盛岡弁丸出しで会話を行うのが通例。また、出演するアナウンサーに盛岡弁を指導している。
時代劇
[編集]盛岡に在住、あるいはゆかりのある作家が中心。公演の後半。
- アナウンサー - NHK盛岡放送局1 - 2名、IBC岩手放送[7]2名、エフエム岩手[8]1名
- 新聞記者 - 岩手日報[9]、読売新聞盛岡支局または朝日新聞盛岡支局
- 斎藤純(作家)
- 北上秋彦(作家)
- 内館牧子(脚本家)
- 盛岡市長
- 高橋克彦(作家、盛岡文士劇発起人)
- 主役または準主役級の重要な役で出演してきたが、2016年以降、声のみの出演となり2019年以降出演せず。
スタッフ
[編集]- 小野寺瑞穂(劇作家、朗読家)
- 藤原正教(劇作家、演出家)
- 浅沼久(演出家、会社社長)
- 道又力(脚本家、作家)
関連
[編集]脚注
[編集]- ^ 2002年の弘田三枝子など。
- ^ 2006年 - 2008年は時代劇のみ、NHK衛星放送で全国放送された。
- ^ 放映権を持つIBCは現代劇、時代劇両方に少なくとも2名ずつ出演。他の民放は現代劇か時代劇に1名のみ、NHK盛岡は時代劇のみ1名出演が原則。2024年はIBC岩手放送とエフエム岩手のみ。
- ^ 高橋は2018年は声の出演となり、公演には出演しない
- ^ 大塚富夫はカンニングペーパーを仕込むなどのアドリブ芝居が現代劇の定番となっており、ほぼ毎回出演。現役ではないが河辺邦博(OB、IBCアナウンス学院長)が出演する年あり
- ^ 2019年以降、テレビ岩手・岩手朝日テレビが出演を取りやめた。岩手めんこいテレビも2024年からは出演せず(時代劇に移行した年がある)。
- ^ 作家でもある菊池幸見が多く出演
- ^ 年により出演せず
- ^ 現代劇出演の場合あり