硫化鉄
硫化鉄(りゅうかてつ、iron sulfide)は鉄と硫黄の化合物。数種類が存在する。
硫化鉄(II)
[編集]→詳細は「硫化鉄(II)」を参照
組成式は FeS。
硫化鉄(III)
[編集]→詳細は「硫化鉄(III)」を参照
組成式は Fe2S3。硫化第二鉄とも呼ばれる、黒色の粉末である。湿った空気中で容易に酸化され、酸化鉄水和物と硫黄になる。空気を断って加熱すると、硫化鉄(II) と二硫化鉄との混合物になる。
二硫化鉄
[編集]組成式は FeS2 と表される。天然には黄鉄鉱 (pyrite)、白鉄鉱 (marcasite) として産出するが、産出量は黄鉄鉱が圧倒的に多い。黄鉄鉱は安定だが、白鉄鉱は水分と反応して分解しやすい。
磁硫鉄鉱
[編集]磁硫鉄鉱 (pyrrhotite) と呼ばれる鉱物として産出する。鉄と硫黄の割合が整数比でなく、また一定でない。組成式で表すと Fe1-xS (x = 0.09~0.17) となる。大半が顕著な磁性を持つ。
鉱山
[編集]硫化鉄(II)が自然発火物であるため、硫化鉄が産出する鉱山ではしばしば自然発火による火災が発生。火災対策は硫化鉄鉱山の重要な課題となっていた[1]。
脚注
[編集]- ^ 小川利男「わが国の金属鉱山における自然発火と坑内火災について」『日本鉱業会誌』第83巻第946号、資源・素材学会、1967年、261-263頁、doi:10.2473/shigentosozai1953.83.946_261、2020年9月4日閲覧。