福澤克雄
ふくざわ かつお 福澤 克雄 | |
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別名義 | 山越 克雄(旧名) |
生年月日 | 1964年1月17日(60歳) |
職業 | ドラマ演出家、映画監督 |
ジャンル | テレビドラマ 映画 |
活動期間 | 1989年 - |
事務所 | TBSテレビ |
主な作品 | |
ドラマ 『3年B組金八先生』シリーズ 『理想の結婚』/『GOOD LUCK!!』 『砂の器』/『華麗なる一族』 『MR.BRAIN』/『南極大陸』 『半沢直樹』シリーズ 『ルーズヴェルト・ゲーム』 『下町ロケット』シリーズ 『陸王』/『ブラックペアン』 『ノーサイド・ゲーム』 『ドラゴン桜』 『VIVANT』 映画 『私は貝になりたい』 『祈りの幕が下りる時』/『七つの会議』 |
福澤 克雄(ふくざわ かつお、旧姓:山越、1964年〈昭和39年〉1月17日[1] - )は、日本のディレクター・演出家・映画監督。元・ラグビー選手。TBSテレビ・制作局ドラマ制作部所属。TBSテレビでの役職は上席役員待遇のエキスパート職。東京都生まれ。
概要
[編集]『日経エンタテインメント!』の調査によると2020年現在、日本で最も視聴率を獲得するテレビドラマディレクターとされる。特に『半沢直樹』は、平成時代の日本のテレビドラマ最高視聴率(42.2%)を獲得した。
大柄な体格から、藤子・F・不二雄の漫画「ドラえもん」のキャラクター剛田武(ジャイアン)にちなんだ「ジャイさん」が愛称となっている[1]。名付け親の武田鉄矢からは「ジャイ」と呼ばれている[2]。福澤がTBSに入社したばかりで助監督として弁当や茶の手配をしていたころから知っており[2]、直ぐに目がいくようなジャイアンみたいな大男だから「ジャイ」と呼ぶようになったと言う[2]。
福澤諭吉の玄孫である[3][4]。諭吉の次男・福澤捨次郎(時事新報社長)を曾祖父、福澤時太郎を祖父とし、時太郎の子である福澤和子の子である。学生時代やTBS入社時は山越姓だったが、両親の離婚により、母方の福澤姓になった。叔父に和子の弟の福澤武(三菱地所会長)、親族に福澤幸雄(レーサー)などがいる。幼稚舎から大学まで慶應義塾で過ごした。慶應義塾大学法学部政治学科卒業[5][6]。
来歴・人物
[編集]学生時代まではラグビーの有名選手だった。慶應義塾幼稚舎(小学校)から始め、その後慶應義塾普通部(中学校)、慶應義塾高等学校、慶應義塾大学と一貫して続けた[3]。特に慶應義塾高等学校蹴球部(高校ラグビー部)在籍時は、ラグビー高校日本代表にも選ばれた。
慶應義塾體育會蹴球部(大学ラグビー部)在籍中は上田昭夫監督の下、1985年に全国大学ラグビーフットボール選手権大会で優勝、同年の大学日本一と社会人日本一が対戦し、真のラグビー日本一を決める日本ラグビーフットボール選手権大会においてはトヨタ自動車(現トヨタ自動車ヴェルブリッツ)を破り、慶應史上初のラグビー日本一に輝いた。
個人としては、大学時代に関東代表、学生日本代表、日本代表A(23歳以下日本代表)にも選ばれ、190センチ100キロという体格だった。
大学卒業後は富士フイルムに入社するも、映画・テレビドラマに関わりたいという夢を捨てきれず、1989年、東京放送(TBSテレビ)に中途採用[5]。入社早々、ドラマ部に配属され『3年B組金八先生』シリーズ、『砂の器』『さとうきび畑の唄』『華麗なる一族』など、数多くのテレビドラマの演出を手掛ける[7]。特に『3年B組金八先生』では第4シリーズから第7シリーズまで35本の演出を手掛け、「金八」人気の再燃に貢献した。
2005年に、2006年1月に東宝系の劇場で公開予定だった映画『涙そうそう』の監督を担当していたが、撮影中に病気で倒れて入院し降板した[8][9]。これにより制作が延期された。結局、監督を土井裕泰に代えて制作を再開、2006年9月30日に映画は公開された(涙そうそうプロジェクトを参考)。
2008年11月22日劇場公開の映画『私は貝になりたい』で、初の映画監督を務めた。2019年3月から豊橋ふるさと大使[10]。
エピソード
[編集]- スタッフや俳優と衝突する事も少なく無かったといい、様々なエピソードが残されている。
- 「Jupiter」を、自らが手がける演出作品の山場で流す事も多い[14]。
- 「半沢直樹」シリーズの企画を池井戸潤に打診しに行った際に、池井戸の書籍を全て机に積み上げて、「半沢直樹が頭取になるまでの原作を全てください」と直談判したと池井戸との対談で語られている[15]。
作品
[編集]テレビドラマ
[編集]連続ドラマ
[編集]※◎は最高視聴率が25%以上、かつ太字は30%以上、太字は40%以上を記録した作品。
- ◎誰にも言えない(1993年、演出補兼任、ディレクターデビュー作)
- ◎Sweet Home(1994年、演出補兼任)
- 私の運命(1994年 - 1995年、初チーフディレクター)
- ◎長男の嫁(1994年・1995年)
- ◎愛していると言ってくれ(1995年)
- 3年B組金八先生 第4 - 7シリーズ・スペシャル10(1996年・1999 - 2000年・2001 - 2002年・2004 - 2005年)
- 君と出逢ってから(1996年)
- 義務と演技(1996年)
- 理想の結婚(1997年)
- Sweet Season(1998年)
- 二十六夜参り(1998年)
- あきまへんで!(1998年)
- コワイ童話 人魚姫(1999年)
- 教習所物語(1999年 - 2000年、プロデューサー兼任)
- QUIZ(2000年)
- 白い影(中居正広版・2001年)
- 世界で一番熱い夏(2001年)
- ヨイショの男(2002年)
- 真夜中の雨(2002年)
- ◎GOOD LUCK!!(2003年)
- ◎砂の器(中居正広版・2004年)
- ◎華麗なる一族(木村拓哉版・2007年、プロデューサー兼任)(TBS開局55周年記念ドラマ)
- MR.BRAIN(2009年)
- 南極大陸(2011年)(TBS開局60周年記念ドラマ)
- MONSTERS(2012年)
- ◎半沢直樹(2013年・2020年)
- ルーズヴェルト・ゲーム(2014年)
- 流星ワゴン(2015年)
- 下町ロケット(2015年・2018年)
- 陸王(2017年)
- ブラックペアン(2018年)
- ノーサイド・ゲーム(2019年)
- ドラゴン桜 第2シリーズ(2021年)
- VIVANT(2023年、原作兼任)
単発ドラマ
[編集]- 明智小五郎対怪人二十面相(2002年)
- 白い影 その物語のはじまりと命の記憶(2003年)
- ◎さとうきび畑の唄(2003年)(テレビ放送50周年記念ドラマ特別企画)
- 広島 昭和20年8月6日(2005年)(TBSテレビ50周年記念特別企画)
- 99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜(2010年)(TBS開局60周年記念特別企画五夜連続ドラマ)
- LEADERS リーダーズ(2014年)(トヨタ自動車全面協力 二夜連続大型ドラマ)
- 3つの街の物語(2015年、総合演出)
- レッドクロス〜女たちの赤紙〜(2015年)(TBSテレビ60周年特別企画二夜連続ドラマ)
- LEADERS リーダーズII(2017年)(トヨタ自動車全面協力大型ドラマ)
監修
[編集]- 小さな巨人(2017年)
- 半沢直樹イヤー記念・エピソードゼロ(2020年)
映画
[編集]受賞歴
[編集]- 1995年、『私の運命』チームで、第4回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞、タイトルバック賞
- 1998年、『Sweet Season』チームで、ザテレビジョンドラマアカデミー賞タイトルバック賞
- 2003年、『さとうきび畑の唄』での演出で、文化庁芸術祭大賞(テレビ部門)
- 2013年、『半沢直樹』の演出で、第78回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞
- 2013年、『半沢直樹』チームとして、「倍返し」で新語・流行語大賞の2013年度大賞。
- 2014年、前年度『半沢直樹』の演出で、東京ドラマアウォード2014で監督賞作品賞グランプリ
- 2015年、『レッドクロス〜女たちの赤紙〜』で文化庁芸術祭優秀賞(テレビ部門)
- 2016年、『下町ロケット』で第87回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞
- 2018年、前年度『陸王』で第95回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞(田中健太と共に)
- 2020年、『半沢直樹』で第105回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞(田中健太、松木彩と共に)[16]
- 2020年、『半沢直樹』でGQ Men of the Year2020 TVドラマ・ディレクター・オブ・ザ・イヤー賞[17]
- 2023年、第5回野間出版文化賞[18]
- 2023年、『VIVANT』で第117回ザテレビジョンドラマアカデミー賞監督賞(宮崎陽平、加藤亜季子と共に)[19]
脚注
[編集]- ^ a b TBS ドラマ 『 MR.BRAIN (ミスターブレイン) 』|本日のジャイさん vol.01, 2009年5月21日
- ^ a b c “名付け親”武田鉄矢が明かす「半沢直樹」福澤克雄監督の演出力 文春オンライン
- ^ a b 『半沢直樹』成功要因に福澤諭吉・玄孫の大胆かつ繊細演出も, 週刊ポスト2013年8月9日号
- ^ 最高視聴率を更新したドラマ「半沢直樹」 4つの見どころ (2) 人民日報 2013年8月5日
- ^ a b 監督も想定外!「半沢直樹」メガヒットの裏側 なぜ、銀行ドラマが視聴率30%を叩き出せたのか?、『東洋経済オンライン』 2013年8月12日
- ^ “新春対談:夢を育てる学塾|特集|三田評論ONLINE”. 三田評論. 2022年4月23日閲覧。
- ^ 【ヒットで振り返る2007年:テレビ編】視聴者の“二極化”に対応できた番組がヒットした、『日経トレンディネット』 2007年12月25日
- ^ 黒田昭彦,速報!ドラマ情報2005年 9月号 映画版難航でTBS「涙そうそう」, All About
- ^ 前田有一, 『涙そうそう』55点(100点満点中)
- ^ “豊橋ふるさと大使”. 豊橋市. 2023年10月28日閲覧。
- ^ 「VIVANT」福澤監督 カーラジオで聞いた“元ネタ”を初告白!「ああ、日本は守られてたんだって」
- ^ 『週刊文春』の取材より
- ^ 武田鉄矢が“金八先生”の後継者候補に挙げたタレントは?※ただし、引用元では福澤の名前は伏せられている。
- ^ 『3年B組金八先生』、『陸王』など
- ^ “異色のヒーロー、銀行マン 半沢直樹が日曜夜に大暴れ!”. 本の話. 文藝春秋 (2013年7月5日). 2021年2月18日閲覧。
- ^ 作品賞は「MIU404」 “半沢”堺&香川も戴冠! 第105回ドラマアカデミー賞結果発表 ザテレビジョン
- ^ “SixTONES&Snow Man・星野源・EXIT・田中みな実ら今年“もっとも輝いたヒーロー”に決定〈GQ MEN OF THE YEAR 2020〉”. モデルプレス (2020年11月23日). 2020年11月23日閲覧。
- ^ “『第5回野間出版文化賞』に芦田愛菜・黒柳徹子・藤井聡太・福澤克雄氏【受賞理由掲載】”. ORICON NEWS (2023年11月6日). 2023年11月7日閲覧。
- ^ “第117回ザテレビジョンドラマアカデミー賞”. ザテレビジョンドラマアカデミー賞. KADOKAWA. 2023年11月24日閲覧。