織田信長サミット
織田信長サミット(おだのぶながサミット)は、織田信長に関係する地方公共団体の首長や観光協会長等が、織田信長を活用した地域活性・街作り推進のため開催する会議。町おこしの一環として隔年開催されている。
1984年(昭和59年)、織田信長生誕450年記念として滋賀県安土町(現・近江八幡市)が提唱し、同町にて第1回織田信長サミットが開催された[1]。1980年代に日本各地で盛んに結成された「自治体サミット」のさきがけとも評される[2]。
サミットは構成市町村持ち回りで開かれる。直近の開催(2022年1月現在)は、2019年6月8日と9日に愛知県名古屋市で開催された第28回サミット[3][4]。2021年に第29回サミット開催が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症の影響により開催中止となった[5]。
参加自治体
[編集]2022年現在、11市町がサミットを構成している[5][4]。
- 天童市(山形県) - 江戸時代後期から幕末まで織田家が藩主を務めた(天童藩)
- 甘楽町(群馬県) - 江戸時代前期から中期まで織田家が藩主を務めた(小幡藩)
- 越前町(福井県) - 織田氏の苗字発祥の地とされる(織田荘、劔神社)
- 岐阜市(岐阜県) - 織田信長の居城がある(岐阜城)
- 安八町(岐阜県) - 信長が戦った古戦場のひとつ(森部合戦)
- 富士宮市(静岡県) - 信長の首塚と言い伝えられる塚があり供養が行われている(西山本門寺)
- 名古屋市(愛知県) - 織田信長生誕の地(那古野城)
- 小牧市(愛知県) - 織田信長の居城がある(小牧山城)
- 清須市(愛知県) - 織田信長の居城がある(清州城)
- 豊明市(愛知県) - 信長が戦った古戦場のひとつ(桶狭間の戦い)
- 近江八幡市(滋賀県) - 織田信長の居城がある(安土城)
第1回サミットに参加したのは2市8町であったが[6](安土町、甘楽町[6]など)、参加や離脱、市町村合併[7]により構成市町村には変動がある。「平成の大合併」後の再開となった第22回サミット(2007年)では10市町が参加した[8]。小牧市はこの第22回(2007年)よりの参加である[9]。これ以後大垣市(岐阜県)と高島市(滋賀県)が離脱する一方[8]、名古屋市が第23回(2009年)より、富士宮市が第25回(2013年)より加わり10市町となった。豊明市は第29回(2021年)から参加予定であった[5]。
なお、信長の居城を持つ4都市(岐阜市・小牧市・清須市・近江八幡市)は「信長公居城連携協議会」を結成している。
歴史
[編集]第1回織田信長サミットは、1984年(昭和59年)10月15日・16日の2日間にわたって、安土町の主催により同町で開催された[6]。
第21回(2004年)までは1年一度の開催であった[1]。2005年と2006年は、当時全国的に進められていた自治体の統廃合の動き(平成の大合併)を受け[8][2]、「市町村の枠組みが定まるまでの間見守る」として休会になった[8]。2007年6月2日[2](信長の命日であり、「あづち信長まつり」に合わせた開催)、サミット発祥の地である安土町で第22回サミットが開催されて再開した[8]。以後は2年に一度の開催となった[1]。
開催年譜
[編集]- 第1回(1984年) - 滋賀県蒲生郡安土町(現・近江八幡市) [6]
- 第2回(1985年) - 兵庫県氷上郡柏原町(現・丹波市)
- 第3回(1986年) - 群馬県甘楽郡甘楽町 [10]
- 第4回(1987年) - 山形県天童市 [1]
- 第5回(1988年) - 岐阜県岐阜市
- 第6回(1989年) - 福井県丹生郡織田町(現・越前町)
- 第7回(1990年) - 愛知県西春日井郡清洲町(現・清須市)
- 第8回(1991年) - 滋賀県蒲生郡安土町
- 第9回(1992年) - 奈良県宇陀郡大宇陀町(現・宇陀市)
- 第10回(1994年) - 山形県東置賜郡高畠町
- 第11回(1994年) - 岐阜県安八郡墨俣町(現・大垣市)
- 第12回(1995年) - 兵庫県氷上郡柏原町
- 第13回(1996年) - 滋賀県高島郡高島町(現・高島市)
- 第14回(1997年) - 福井県丹生郡織田町
- 第15回(1998年) - 愛知県清洲町
- 第16回(1999年) - 群馬県甘楽町
- 第17回(2000年) - 滋賀県永源寺町(現・東近江市)
- 第18回(2001年) - 滋賀県蒲生郡安土町
- 第19回(2002年) - 山形県天童市 [1]
- 第20回(2003年) - 岐阜県安八町
- 第21回(2004年) - 岐阜県岐阜市
- 第22回(2007年) - 滋賀県蒲生郡安土町
- 第23回(2009年) - 愛知県小牧市
- 第24回(2011年) - 岐阜県岐阜市
- 第25回(2013年) - 群馬県甘楽町 [11]
- 第26回(2015年) - 愛知県清須市 [12]
- 第27回(2017年) - 静岡県富士宮市
- 第28回(2019年) - 愛知県名古屋市[3]
- 第29回(2021年) - 福井県丹生郡越前町 - 新型コロナウイルス感染症の影響により開催中止[5]
- 第30回(2023年) - 愛知県小牧市
- 第31回(2025年) - 山形県天童市
脚注
[編集]- ^ a b c d e “天童織田藩のあらまし”. 天童市. 2016年5月17日閲覧。
- ^ a b c ブログ記事(2007年5月30日付)が引く滋賀報知新聞記事(掲載日不明、推定2007年5月)「安土は「信長」1色・3年ぶりにサミット復活」[信頼性要検証]
- ^ a b “令和元年6月8日(土) 第28回織田信長サミット”. 甘楽町 (2019年6月9日). 2020年1月11日閲覧。
- ^ a b “織田信長サミット”. 岐阜市 (2022年1月9日). 2021年8月31日閲覧。
- ^ a b c d “信長ゆかりの地結ぶ冊子 サミット中止でも越前町実行委発刊” (2021年8月25日). 2021年8月31日閲覧。
- ^ a b c d “第1回織田信長サミット”. 甘楽町デジタルアーカイブ. 甘楽町. 2016年5月17日閲覧。
- ^ サミットを提唱した安土町も、統廃合により2010年に近江八幡市となった。
- ^ a b c d e “信長サミット”. 甘楽町 (2011年11月12日). 2016年5月17日閲覧。
- ^ 副島孝(小牧市教育長) (2007年6月4日). “織田信長サミットに参加して”. 教育委員だより No.181. 小牧市教育委員会. 2016年5月17日閲覧。
- ^ “第3回織田信長サミットIN甘楽(小幡)”. 甘楽町デジタルアーカイブ. 甘楽町. 2016年5月17日閲覧。
- ^ “織田信長サミット”. 岐阜市 (2013年5月14日). 2016年5月17日閲覧。
- ^ “第26回織田信長サミット”. 信長公居城連携協議会 (2014年4月1日). 2016年5月17日閲覧。