薮内清
人物情報 | |
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生誕 | 1906年2月12日 日本兵庫県神戸市 |
死没 | 2000年6月2日 (94歳没) |
出身校 | 京都大学 |
学問 | |
研究分野 | 天文学・科学史(中国科学史) |
研究機関 | 京都大学人文科学研究所 |
薮内 清(藪内 清、やぶうち きよし、1906年(明治39年)2月12日 - 2000年(平成12年)6月2日)は、日本の天文学者・科学史学者(中国科学史)。京都大学名誉教授。初めは天文学の研究者であったが、新城新蔵の影響を受けて古代中国の暦法の研究へ転じた。
来歴
[編集]兵庫県神戸市生まれ。甲陽中学校、旧制大阪高等学校(現大阪大学)理科丙類を経て、昭和4年(1929年)京都帝国大学理学部宇宙物理学科卒業。
1929年、京都帝国大学副手、1935年(昭和10年)東方文化学院(現京都大学人文科学研究所)京都研究所嘱託、後に同研究員。1948年(昭和23年)京都大学研究員、1949年(昭和24年)同大人文科学研究所教授として、共同研究などにより中国科学史研究を世界的水準で進め高めた。1967年(昭和42年)同所長。その間、1955年(昭和30年)から日本天文学会副理事長を務めた。1969年(昭和44年)京都大学を定年退官し、同名誉教授。昭和44年から1979年(昭和54年)まで龍谷大学教授。1983年より日本学士院会員。
受賞・栄典
[編集]- 1970年(昭和45年):紫綬褒章を受章。
- 1970年(昭和45年):朝日賞を受賞。
- 1972年(昭和47年):アメリカ科学史会ジョージ・サートン・メダルを受章。
- 1976年(昭和51年):勲二等瑞宝章を受章。
- 1979年(昭和54年)1月:講書始の儀で「中国の天文暦法」を進講。
研究内容・業績
[編集]小惑星への命名
[編集]薮内の名は1953年4月7日にカール・ラインムートによって発見された小惑星に名付けられた[1]。薮内の名がつけられた小惑星については(2652) Yabuutiを参照。
著書
[編集]単著
[編集]- 『支那の天文学』(恒星社厚生閣 1943年)
- 『中国の天文学』(恒星社厚生閣 1949年)
- 『支那数学史概説』(山口書店 1944年)
- 『支那数学史』(山口書店 1944年)
- 『隋唐歴法史之研究』 東方文化研究所東洋暦術調査事業報告(三省堂 1944年)
- 『増訂 隋唐暦法史の研究』(臨川書店 1989年)
- 『ギリシヤ科学の精神』(全國書房 1946年)
- 『近世天文学史』(恒星社厚生閣 1947年)
- 『自然科学史 第1』(恒星社厚生閣 1952年)
- 『天文学史』(朝倉書店 1955年)
- 『一般天文学』(恒星社厚生閣 1963年、新版1981年)
- 『中国古代の科学』(角川新書 1964年/講談社学術文庫 2004年)
- 『中国の科学文明』(岩波新書 1970年)- 度々復刊
- 『中国の天文暦法』(平凡社 1969年 再版1975年、改訂増補1990年)
- 『中国文明の形成』(岩波書店 1972年)- 復刊1994年、2002年
- 『中国の科学と日本』(朝日新聞社 1972年/朝日選書 1978年)
- 『中国の数学』(岩波新書 1974年)- 復刊1991年、1996年
- 『歴史はいつ始まったか』(中公新書 1980年)
- 『科学史からみた中国文明』[2](日本放送出版協会〈NHKブックス〉1982年)
著作集
[編集]- 『定本 中国の天文暦法』
- 『漢書律暦志の研究/隋唐暦法史の研究』
- 『天文学史 I』
- 『天文学史 II』
- 『科学史/技術史』
- 『自然科学史/数学史/医学史』
- 『欧文』
- 『補遺/総索引』
共著
[編集]- 『地球と月・地球及び月の運動』(恒星社厚生閣 圖説天文講座 1937年)
- 『漢書律暦志の研究』(東方文化研究所研究報告)能田忠亮共著(全國書房 1947年/改訂版・臨川書店、1979年)
- 『星座・中国・朝鮮・日本・印度の星座』 野尻抱影編(新天文学講座1:恒星社厚生閣 1964年、新版1977年)
- 『天文学の歴史・東洋天文学』(新天文学講座12:恒星社厚生閣 1964年、新版1977年)
- 『科学史概説』 石蔵甚平共著(朝倉書店 1965年、新版1982年)
- 『元号を考える』(現代評論社 1977年)- 元号法制定反対の目的で刊行[3]
- 『授時暦 訳注と研究』 中山茂共著(新版 アイ・ケイコーポレーション 2006年)
編著・解説
[編集]- 『世界の名著 続1 中国の科学』(中央公論社 1975年、新版・中公バックス 1979年)
- 『科学の名著2 中国天文学・数学集』(川原秀城・橋本敬造 共編訳、朝日出版社 1980年)
- 『天工開物の研究』京都大学人文科学研究所研究報告(恒星社厚生閣 1953年)- 平凡社版の訳書は改訂版
- 『立杭窯の研究 技術・生活・人間』 京都大学人文科学研究所研究報告(恒星社厚生閣 1955年)
- 『中国中世科学技術史の研究』(角川書店 1963年/臨川書店 1998年)
- 『江戸時代の科学器械』 宗田一ほか共編(恒星社厚生閣 1964年)
- 『宋元時代の科学技術史』 京都大学人文科学研究所 (臨川書店 1967年/朋友書店 1997年)
- 『明清時代の科学技術史』 吉田光邦ほか共編・京都大学人文科学研究所(臨川書店 1970年/朋友書店 1997年)
- 『明治前日本天文学史』(日本学士院 同刊行会編、1960年、復刊1979年)
訳書
[編集]- ジェイムズ・ホプウッド・ジーンズ『神秘の宇宙』(恒星社厚生閣 1937年)
- ジェイムズ・ホプウッド・ジーンズ『新物理學の宇宙像』(恒星社厚生閣 1937年)
- 李儼『支那数學史』(島本一男共訳、生活社 1940年)
- プトレマイオス『アルマゲスト』(恒星社厚生閣 上 1949年、下 1958年/改訂版 全1巻 1982年、新版1993年)
- ジュン・グランエ『時間の測定』(白水社・文庫クセジュ、1953年)
- ガリレオ・ガリレイ『星界の報告、太陽黒点論』(河出書房新社「世界大思想全集(第2期・31)社会・宗教・科学思想篇」、1963年)- 岩波文庫版は弟子による改訳
- 宋応星『天工開物』(平凡社東洋文庫、1969年)。ワイド版2004年/改訂版・平凡社ライブラリー、2022年
- デビッド・バーガミニ『数の世界』(タイムライフブックス、1973年)
- 『ヘベリウス星座図絵』(地人書館、1977年、新版1993年)
- トーマス・フランシス・カーター『中国の印刷術 その発明と西伝』(L.C.グッドリッチ編、石橋正子共訳、平凡社東洋文庫〈全2巻〉、1977年)。ワイド版2006年
- 『墨子』(平凡社東洋文庫、1996年)。ワイド版2009年 - 元版は 平凡社「中国古典文学大系 5」に所収。
監修・回想
[編集]- ジョゼフ・ニーダム『中国の科学と文明』(監修、全11巻、思索社 1991年)、新装版・新思索社
- ニーダム『中国科学の流れ』(牛山輝代訳、思索社 1984年)、解説
- 『東洋の科学と技術 藪内清先生頌寿記念論文集』(同朋舎出版 1982年)
- 『東方学 第115号 「先学を語る」――薮内清博士』(東方学会、2008年1月)
脚注
[編集]- ^ “(2652) Yabuuti = 1953 GM = 1976 UZ17”. MPC. 2021年9月5日閲覧。
- ^ 元版は「NHK大学講座 中国科学技術史」教育テレビ:1979年4月-9月放送テキスト
- ^ 桑原武夫・尾藤正英・橋川文三・藤堂明保ほか全12名