蹄鉄理論

蹄鉄理論は、極右極左は各メンバーが認めている以上に多数の類似性があるとする。(左下が「極左」、中央上が「中道」、右下が「極右」)

蹄鉄理論(ていてつりろん、英語: Horseshoe theory)はフランスの作家ジャン=ピエール・ファイユによって提唱された政治学における理論の一つで、通常は正反対にあるとみなされている極右極左は、蹄鉄(馬蹄)の先の形状のように、実際には相互に類似性が認められるとする理論[1]

概要

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蹄鉄理論は、多数の多面的な政治的スペクトルにおける線状に継続する左翼・右翼という伝統的な認識を批判する。この理論の提唱者は、極左と極右の間の類似性を指摘する。特に両者は権威主義的な要素を共有している。社会主義など極左的な政治体制では、政府が経済資源の管理を握る。ファシズムなど極右的な政治体制でも、政府が経済生活の管理を握り、中央集権的な統制経済を実施する。いずれの急進主義でも権力を獲得したエリートが、自由で公正な選挙や、言論の自由や民主的な組織などに反対し、政治的な集権制を形成する、とする。

批判・批評

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蹄鉄理論の批判には、この理論は信頼性に欠けているとしているという声もある[2]

レディング大学のPeter Barkerの書籍[3]シェフィールド大学のPeter Thompson[4]は、この理論は「正統性を増している」とし、「左派政党と右派政党は中道よりも近い」と見ている。

関連項目

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脚注

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  1. ^ Encel, Frédéric; Thual, François (2004年11月13日). “United States-Israel: A friendship that needs to be demystified”. Le Figaro (Paris). オリジナルの2007年9月30日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070930160218/http://www.ufppc.org/content/view/1751/2/ 2009年2月13日閲覧. "Jean-Pierre Faye's famous horseshoe theory (according to which extremes meet) finds verification here more than in other places, and the two states of delirium often mingle and meet, unfortunately spreading beyond these extremist circles. But contrary to the legend deliberately maintained and/or the commonplace believed in good faith, Israel and the United States have not always been allies; on several occasions their relations have even been strained." 
  2. ^ Political Research Associates: Study the U.S. Political Right
  3. ^ en:University of Reading: Peter Barker
  4. ^ Peter Thompson