帰り花
この項目の現在の内容は百科事典というよりは辞書に適しています。 |
帰り花(かえりばな)とは、11月頃の小春日和に、桜、梅、梨、躑躅などの草木が本来の季節とは異なって咲かせた花のこと。ひとが忘れた頃に咲くので、「忘れ花」といった言い方もされる。「返り花」とも書き、「二度咲」「狂い咲」ともいう。
また、帰り花には、遊女が再び遊郭に勤めに出る意味もある[1]。
俳句における帰り花
[編集]俳句では冬の季語の一つとなっている。和歌や連歌には詠題としてはないが、俳諧に到って盛んに作られるようになり、「凩に匂ひやつけし帰花」(松尾芭蕉『後の旅』)、「かへり花暁の月にちりつくす」(与謝蕪村『夜半叟句集』)、「あたら日のついと入りけり帰り花」(小林一茶『享和句帖』)などの例が見られる[2]。
脚注
[編集]- ^ “マナーうんちく話833《「返り花」と「遊女」》”. 平松幹夫 - マイベストプロ岡山. 2015年2月15日閲覧。
- ^ 山本健吉 『基本季語五〇〇選』 講談社学術文庫、1989年、p841-842。