クロシン
クロシン | |
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クロシンの構造式 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 42553-65-1 |
KEGG | C08589 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
クロシン(crocin)は、水溶性のカロテノイド系の色素である。クロチンとも呼ばれる。
構造と性質
[編集]カロチノイドは基本的に脂溶性の分子である。事実、クロシンのカロチノイドの部分であるクロセチンの部分は、比較的脂溶性が高い部分である。しかし、クロシンの場合は、水溶性の高い糖であるゲンチオビオースを、合計で2分子、エステル結合させているため、水溶性の性質を帯びている。クロシンの分子式は、C44H64O24だが[1]、この中で電気陰性度が高く極性を持ち易い酸素原子の大部分は、ゲンチオビオースの部分に集中している。この酸素が水からの水素結合を受容でき、さらに、水酸基は水への水素結合を供与できるために、水溶性が高まっている。
また、カロチノイドは一般に、分子内に共役系が伸びており、ヒトの可視光線の波長域を吸収する。クロシンの場合もクロセチンの部分が、そのような部分である。クロシンのメタノール溶液から再結晶させた、クロシン水和物の針状結晶は赤褐色を呈し、その常圧での融点は186 ℃である。また、クロシンは温水に溶け、橙色の水溶液を与える。
所在
[編集]クロシンは天然に存在する化合物である。例えば、サフラン(アヤメ科)の雌しべ、クチナシ(アカネ科)の果実などに含まれる。
利用
[編集]クロシンは食品の着色料として、古くから用いられてきた。
研究
[編集]出典
[編集]- ^ “Compound:C08589 クロシン(crosin)”. KEGG. 2021年8月31日閲覧。
- ^ Georgiadou, G.; Tarantilis, P.A.; Pitsikas, N. (2012). “Effects of the active constituents of Crocus Sativus L., crocins, in an animal model of obsessive–compulsive disorder.”. Neuroscience Letters 528: 27–30.
- ^ Marjan Nassiri-Asl; Hossein Hosseinzadeh (2015). “Chapter 3 - Neuropharmacology Effects of Saffron (Crocus sativus) and Its Active Constituents.”. Bioactive Nutraceuticals and Dietary Supplements in Neurological and Brain Disease.: 29-39.
参考文献
[編集]- Merck Index 14th ed., p.2589.