藤嶋昭
ふじしま あきら 藤嶋 昭 | |
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文化勲章受章に際して 公表された肖像写真 | |
生誕 | 1942年3月10日(82歳) 日本 東京都世田谷区 |
居住 | 日本 |
国籍 | 日本 |
研究分野 | 化学 |
出身校 | 横浜国立大学工学部 東京大学大学院工学系研究科博士課程 |
主な業績 | 本多-藤嶋効果(酸化チタンの光触媒反応)の発見 |
主な受賞歴 | #学術賞参照 |
プロジェクト:人物伝 |
藤嶋 昭(ふじしま あきら、1942年3月10日 - )は、日本の化学者。専門は、光電気化学・機能材料化学。東京理科大学第9代学長[1]。東京理科大学栄誉教授[2]。東京理科大学光触媒国際研究センター長[3] 兼 東京理科大学光触媒研究推進拠点長[4]。初代東京大学特別栄誉教授。東京応化科学技術振興財団理事長[5]。財団法人神奈川科学技術アカデミー理事長。2006~2007年度日本化学会会長。他に日本学術会議会員、化学委員会委員長、光機能材料研究会会長、電気化学会会長、光化学協会会長、川崎市教育アドバイザーなどを歴任。
東京都世田谷区生まれ、1944年から中学入学まで愛知県豊田市に疎開した経験を持つ[6][7][8]事から、2021年3月に豊田市の名誉市民に推挙された。
人物
[編集]東京大学大学院に在学中の1967年春、水溶液中の酸化チタン電極に強い光を当てたところ、酸化チタン表面で光触媒反応が起きることを発見。この現象は共同研究者の本多健一の名前と合わせ「本多-藤嶋効果」と呼ばれる。それらの業績が認められ、2004年に日本国際賞を受賞している。 2013年4月に東京理科大学光触媒国際研究センターを開設しセンター長に就任、同センターにより光触媒の多様な応用展開を実現[9]。また、学長在職中も2014年に光触媒による伝染病撲滅装置の試作品を完成させるなど、様々な研究を実践し続けている[10]。
経歴
[編集]- 1966年 横浜国立大学工学部卒業
- 1971年
- 1975年 東京大学工学部講師
- 1976年 テキサス大学オースティン校博士研究員 (- 1977)
- 1978年 東京大学工学部助教授
- 1986年 東京大学工学部教授
- 1995年 東京大学大学院工学系研究科教授
- 1998年 光化学協会会長[12]
- 2003年
- 財団法人神奈川科学技術アカデミー理事長 (- 2010.3)[13][リンク切れ]
- JR東海機能材料研究所所長(現任)
- 東京大学名誉教授
- 2005年
- 東京大学特別栄誉教授
- 横浜国立大学名誉博士
- 2006年 日本化学会会長(-2007)
- 2008年 科学技術振興機構中国総合研究センターセンター長
- 2010年 東京理科大学学長(~2018年3月)
- 2018年 東京理科大学栄誉教授
学術賞
[編集]- 1983年 朝日賞[14]
- 1987年 電気化学協会学術賞
- 1988年 光化学協会賞
- 1997年 日本照明学会賞
- 1998年
- 井上春成賞
- Innovations in Real Materials Award(実用材料発明賞)
- 1999年
- 電気化学賞・武井賞
- Award of Federation of Asian Chemical Societies(アジア化学連合会賞)
- 2000年
- 日本化学会賞
- Award of Journal of AOTs Advanced Oxidation Technologies(Ti02賞)
- 2003年 第1回The Gerischer Award
- 2004年
- 2005年 APA Award
- 2006年 恩賜発明賞
- 2011年 The Luigi Galvani Medal
- 2012年 トムソン・ロイター引用栄誉賞『本多-藤嶋効果(酸化チタンの光触媒反応)の発見』[16]
栄誉・叙勲
[編集]- 2003年 紫綬褒章[17]
- 2004年
- 産学官連携功労者表彰内閣総理大臣賞
- 川崎市民栄誉賞
- 2006年 神奈川文化賞
- 2010年
- 2017年 文化勲章 [19][20][21][22]
- 2018年 川崎市名誉市民
- 2019年 中国政府友誼賞
- 2021年 豊田市名誉市民
著書
[編集]- 『電気化学測定法 (上)』技報堂出版、1984年。
- 『電気化学測定法 (下)』技報堂出版、1984年。
- 『光のはなし〈1〉』技報堂出版、1986年。
- 『光のはなし〈2〉』技報堂出版、1986年。
- 『光クリーン革命―酸化チタン光触媒が活躍する』 シーエムシー、1997年。
- 『光触媒のしくみ (入門ビジュアルサイエンス)』日本実業出版社、2000年。
- 『光機能化学―光触媒を中心にして』昭晃堂、2005年。
- 『Diamond Electrochemistry』ビーケイシー、2005年。
- 『くらべるシリーズ2 どこが違うの?ホタルの光と蛍光灯』丸善、2006年。
- 『ナノテクとエネルギー』丸善、2006年。
- 『天寿を全うするための科学技術―光触媒を例にして』川崎市生涯学習財団かわさき市民アカデミー出版部、2006年。
- 『アサガオはいつ、花を開くのか?―読んで納得。「お茶の間サイエンス」』神奈川新聞社、2007年。
- 『科学も感動から 光触媒を例にして』東京書籍、2010年。
- 『時代を変えた科学者の名言』東京書籍、2011年。
- 『CLEAN AND GREEN:A STORY OF THE SUN AND PHOTOCATALYSTS』偕成社、2011年。
- 『高等学校理科用 化学 啓林館 化学305 文部科学省検定済教科書 平成28年度用』啓林館、2015年。
- 『理系のための中国古典名言集』朝日学生新聞社、2016年。
- 『化学基礎(化基318)啓林館 文部科学省検定済教科書 高等学校理科用【平成29年度版】』啓林館、2016年。
- 『やさしい 科学者のことばと論語』朝日学生新聞社、2017年。
- 『第一人者が明かす光触媒のすべて-基本から最新事例まで完全図解』ダイヤモンド社、2017年。
- 『人物でよみとく物理』朝日新聞出版、2020年。
- 『最新情報をやさしく解説 光触媒実験法』北野書店、2021年。
- 『人物で読みとく化学』朝日新聞出版、2021年。
- 『かこさとし 科学絵本の世界』学研プラス、2022年。
- 『地球のびっくり!数の図鑑』北野書店、2023年
- 『ファラデーのつくった世界 ロウソクの科学が歴史を変えた』化学同人、2024年。
その他、書籍の監修を多数手がけており、オリジナル論文(英文のみ)896編、著書(分担執筆、英文含む)約50編、総説・解説494編、特許310編などがある[23]。
脚注
[編集]- ^ 歴代学長肖像 東京理科大学
- ^ 藤嶋 昭学長の「東京理科大学栄誉教授称号贈呈式」(1/26)および「文化勲章受章祝賀会」(1/27)を開催 東京理科大学
- ^ センター長挨拶 東京理科大学光触媒国際研究センター
- ^ 拠点長挨拶 東京理科大学光触媒研究推進拠点
- ^ 理事長挨拶 東京応化科学技術振興財団
- ^ 東京大学基金
- ^ 東京理科大学学長 藤嶋昭先生に聞く
- ^ 【神奈川のノーベル賞候補 新春インタビュー】東京理科大学長・藤嶋昭さん 産経新聞2015年1月3日
- ^ トッピク 日刊工業新聞
- ^ 藤嶋昭さん 「光触媒」の応用技術、身近に広く 東京理科大学長 産経新聞
- ^ 国立国会図書館. “博士論文『半導体の光電極反応究』”. 2023年4月7日閲覧。
- ^ 1977-2003光化学協会
- ^ http://www.newkast.or.jp/kisya/press_100326.html
- ^ “朝日賞 1971-2000年度”. 朝日新聞社. 2022年9月2日閲覧。
- ^ “ジャパンプライズ(Japan Prize/日本国際賞)”. 国際科学技術財団. 2022年9月2日閲覧。
- ^ 11回目の「トムソン・ロイター引用栄誉賞」で、21名(うち3名が日本人)の新たなノーベル賞有力候補者を発表
- ^ “平成15年秋の褒章受章者 神奈川県” (PDF). 内閣府. p. 2 (2003年11月3日). 2004年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月30日閲覧。
- ^ “安藤・三宅氏ら7人に文化勲章 ノーベル賞2氏も”. 日本経済新聞 (2010年10月26日). 2023年3月21日閲覧。
- ^ 文化勲章に光触媒の藤嶋氏ら5人 日本経済新聞
- ^ 発見50年目、「大変光栄」=光触媒の藤嶋昭さん-文化勲章 時事ドットコムニュース
- ^ 文化勲章に東京理科大学長の藤嶋昭さんら5人 NHK
- ^ 光触媒応用感慨深く 東京理科大学長・藤嶋昭氏 毎日新聞
- ^ 光触媒の「抗カビ効果」を活かした見ざる・言わざる・聞かざる「日光東照宮・漆プロジェクト」がアツイ! DIAMOND ONLINE
外部リンク
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