食草
食草(しょくそう、host plant)は草食動物、とくに植食性昆虫が食物として摂食する植物のこと。寄主植物[1]、食餌植物[2]とも。また、対象が木本の場合は「食樹」と呼び、「食草」を草本のみを指すものとして区別する場合もある[3]。
食草と食性
[編集]一般に、植食性昆虫は食草に関して選好性を示す(ある昆虫はある限られた分類群の植物しか食べない)。食性は選好の程度によって以下のみっつ[4][5]、あるいは単食性を数えずにふたつに大別される[1][3]。
- Oligophagy:狭食性[3]、少食性[4]、寡食性[1]
- 狭食性よりさらに広範囲の植物を摂食する。複数の科に属するさまざまな植物を食草とする[5]。
昆虫の食草選択は植物の二次代謝産物と密接に関係しており[5]、昆虫と植物の共進化を考える上で重要な現象となっている[6][7]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c 中秀司 著「2. 飼育法 (1) 採卵と交配 - 飼育の基本は卵から -」、那須義次; 広渡俊哉; 吉安裕 編 編『鱗翅類学入門 飼育・解剖・DNA研究のテクニック』東海大学出版部、2016年、38-61頁。ISBN 978-4-486-02111-7。
- ^ “みんなで作る日本産蛾類図鑑”. 2021年2月4日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b c d e 森上信夫、林将之『昆虫の食草・食樹ハンドブック』文一総合出版、2010年。
- ^ a b c d 伊藤智夫「蚕児の食性について」『日本蚕糸学雑誌』第28巻第1号、日本蚕糸学会、1959年、52-57頁、doi:10.11416/kontyushigen1930.28.52、ISSN 0037-2455、NAID 130004029469。
- ^ a b c d e Elizabeth A. Bernays; Reginald F. Chapman (1994). Host-Plant Selection by Phytophagous Insects. Contemporary Topics in Entomology. 2. Springer US. doi:10.1007/b102508
- ^ 西田律夫「昆虫と植物二次代謝成分 その特異な化学生態学」『化学と生物』第27巻第4号、日本蚕糸学会、228-235頁、doi:10.1271/kagakutoseibutsu1962.27.228、ISSN 0037-2455、NAID 130003633321。
- ^ 西田律夫「共進化する蝶と食草」『生命誌』第5巻第2号、JT生命誌研究館、228-235頁。