GSC 03549-02811

GSC 03549-02811
ケプラー探査機が撮影したGSC 03549-02811。左側が天の北極方向。
ケプラー探査機が撮影したGSC 03549-02811。左側が天の北極方向。
星座 りゅう座
見かけの等級 (mv) 11.25[1]
分類 連星
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  19h 07m 14.0379171930s[1]
赤緯 (Dec, δ) +49° 18′ 59.090895318″[1]
赤方偏移 -0.000001[1]
視線速度 (Rv) -0.373 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 5.219 ミリ秒/[1]
赤緯: 1.619 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 4.6154 ± 0.0224ミリ秒[1]
(誤差0.5%)
距離 707 ± 3 光年[注 1]
(217 ± 1 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 4.6[注 2]
物理的性質
半径 1.000+0.036
−0.033
R[2]
質量 0.980 ± 0.062[2] / 0.67[3] M
平均密度 1.375 ± 0.065 g/cm3[2]
表面重力 4.426+0.021
−0.023
(log g)[2]
自転速度 2 ± 1 km/s[2]
スペクトル分類 G0V+K4.5-6[1]
表面温度 5,850 ± 50 K[2]
金属量[Fe/H] -0.15 ± 0.10[2]
年齢 51+27
−23
億年[2]
他のカタログでの名称
TrES-2 Parent Star[1]
Gaia DR2 2131314401800665344[1]
ケプラー1[1]
KOI-1[1]
KIC 11446443[1]
TYC 3549-2811-1[1]
2MASS J19071403+4918590[1]
Template (ノート 解説) ■Project

GSC 03549-02811は、りゅう座の方向に約707光年離れた場所に位置する太陽に似たG型主系列星の主星とスペクトル分類K型の伴星から成る連星系である。ケプラー1英語: Kepler-1)とも呼ばれる[1]。見かけの明るさは11.25等級であり、肉眼で見ることは出来ないが、晴れた暗い夜に中型のアマチュア望遠鏡を用いれば観測することが出来る。形成から約51億年が経過しているとされている[2]

惑星系

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2006年に、大西洋両岸系外惑星サーベイ(TrES)によるトランジット法の観測で主星GSC 03549-02811 Aを公転する太陽系外惑星TrES-2TrES-2b)が発見された[3][4]。GSC 03549-02811系は2018年まで運用されていた太陽系外惑星探索を目的としたケプラー宇宙望遠鏡の観測視野内にある[4]。この惑星系は他の研究プロジェクトによる研究が続けられており、惑星系に関するパラメーターは継続的に改良されている[2]

GSC 03549-02811 Aの惑星[3]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
TrES-2
(TrES-2b)
1.199±0.052 MJ 0.03555±0.00075 2.4706133738±0.0000000187 0 83.908±0.009° 1.189±0.025[5] RJ

TrES-2は現在知られている太陽系外惑星の中では最も暗い惑星であり、主星から受けた光を1%未満しか反射しないが、かすかに赤く輝いていることが示されている。これは表面温度が約1,100 と非常に高いためであると考えられている。TrES-2は主星から潮汐固定の影響を受けていると想定されている[6]

連星系

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2008年に、比較的小さな望遠鏡による初期のトランジット法の観測で発見された太陽系外惑星を持つ14個の恒星の研究が行われた。これらの恒星はスペインカラル・アルト天文台にある口径2.2 mの反射望遠鏡で再調査された。その結果、GSC 03549-02811と他の2つの恒星が、それまで知られていなかった伴星を持つ連星系であることが判明した。それまで知られていなかったGSC 03549-02811の伴星は主星から約232 au離れている15等級のスペクトル分類K型の恒星で、画像上では主星から約1秒角ずれているように見える。この発見により、主星と惑星TrES-2のパラメーターの大幅な再計算が行われた[3]

ケプラー計画

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ケプラーのファーストライト画像におけるGSC 03549-02811系の位置。画像の左下が天の北極方向。

2009年3月、アメリカ航空宇宙局(NASA)は太陽系外惑星探索望遠鏡ケプラーを打ち上げた。ケプラーは太陽周回軌道からトランジット法で太陽系外惑星を発見するための探査ミッションである。同年4月、ミッションチームはケプラーが撮影したファーストライト画像を発表した。この画像ではGSC 03549-02811系は位置が印された2つの天体のうちの1つである。ケプラーの観測視野内に位置する既知の太陽系外惑星はTrES-2以外にも存在するが、このファーストライト画像では唯一、TrES-2のみ位置が印された。GSC 03549-02811系はケプラーにとって、望遠鏡の較正と機能のチェックに重要な天体である[7]

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r Results for Kepler-1”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2020年1月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Alessandro, Sozzetti; Torres, Guillermo; Charbonneau, David; Latham, David W.; Holman, Matthew J.; Winn, Joshua N.; Laird, John B.; o’Donovan, Francis T. (2007). “Improving Stellar and Planetary Parameters of Transiting Planet Systems: The Case of TrES-2”. The Astrophysical Journal 664 (2): 1190–1198. arXiv:0704.2938. Bibcode2007ApJ...664.1190S. doi:10.1086/519214. http://www.iop.org/EJ/article/0004-637X/664/2/1190/71636.html. 
  3. ^ a b c d Daemgen, S. et al. (2009). “Binarity of transit host stars. Implications for planetary parameters”. Astronomy and Astrophysics 498 (2): 567–574. arXiv:0902.2179. Bibcode2009A&A...498..567D. doi:10.1051/0004-6361/200810988. https://www.aanda.org/articles/aa/full_html/2009/17/aa10988-08/aa10988-08.html. 
  4. ^ a b O'Donovan, Francis T. et al. (2006). “TrES-2: The First Transiting Planet in the Kepler Field”. The Astrophysical Journal Letters 651 (1): L61–L64. arXiv:astro-ph/0609335. Bibcode2006ApJ...651L..61O. doi:10.1086/509123. 
  5. ^ Raetz, St.; Maciejewski, G.; Ginski, Ch.; Mugrauer, M.; Berndt, A. et al. (2014). “Transit timing of TrES-2: A combined analysis of ground- and space-based photometry”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 444 (2): 1351–1368. arXiv:1408.7022. Bibcode2014MNRAS.444.1351R. doi:10.1093/mnras/stu1505. 
  6. ^ Coal-Black Alien Planet Is Darkest Ever Seen”. Yahoo! News (2011年8月12日). 2020年1月28日閲覧。
  7. ^ Kepler Eyes Cluster and Known Planet”. NASA (2009年4月16日). 2020年1月29日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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