Q (ジェームズ・ボンド)
Q | |
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演 | ピーター・バートン (1962) デスモンド・リュウェリン (1963-99) ジェフリー・ベイルドン (1967) アレック・マッコーエン (1983) ジョン・クリーズ (1999-2002) ベン・ウィショー (2012-) |
詳細情報 | |
職業 | イギリス情報局秘密情報部(MI6) 需品係将校 |
Qは、ジェームズ・ボンドを主人公とした小説及び映画作品に登場するキャラクターである。QはQuartermaster(「需品係将校」の意)から来ており、Mのように個人名ではない。Qはイギリス情報局秘密情報部(MI6)の架空の研究開発であるQ課の課長である。ジェームズ・ボンドシリーズの原作者であるイアン・フレミングの小説にはキャラクターのQは登場せず、Q課が登場するのみである[1]。Qは大半の映画では頻繁に登場し、また小説ではクリストファー・ウッド、ジョン・ガードナー、レイモンド・ベンソンのものに登場する。
イーオン・プロダクションズによるボンド映画では23作品中、『死ぬのは奴らだ』、『カジノ・ロワイヤル』、『慰めの報酬』を除く20作品に登場する。非イーオン作品では『007 カジノロワイヤル』と『ネバーセイ・ネバーアゲイン』に登場する。
小説
[編集]ブースロイド少佐
[編集]フレミングの小説『007 ドクター・ノオ』では武器担当のブースロイド少佐が初登場する。フレミングはこのキャラクターの名前をスコットランドグラスゴーの銃器専門家ジェフリー・ブースロイドから参照している[2]。彼はそれまでボンドが使っていた25口径のベレッタM418は最善の選択でないことを指摘し(「婦人の護身用」と評した)、ドイツ製の7.65mm(32口径)ワルサーPPKを使うようにアドバイスするファンレターを送った[3]。
アン・ライリー
[編集]ジョン・ガードナーのボンド小説1作目である『メルトダウン作戦』にはブースロイドの他に、新キャラクターのアン・ライリーが登場し、ボンドからは「Q'ute」と呼ばれる。
映画
[編集]映画ではブースロイド少佐は『ドクター・ノオ』と『ロシアより愛をこめて』に登場し、2人の俳優が演じる。
『ゴールドフィンガー』からはブースロイドではなくQと呼ばれるようになるが、『私を愛したスパイ』(1977年)では会話中にブースロイドの名前が再登場する。
イーオン・プロダクションズ
[編集]ピーター・バートン: 1962年
[編集]1作目『ドクター・ノオ』ではピーター・バートンが登場し、ボンドの.25口径のベレッタ418を.32口径のワルサーPPKと取り替えた。『ロシアより愛をこめて』ではスケジュールの都合でバートンは降板した。
登場作品
- 『007 ドクター・ノオ』(1962年)
デスモンド・リュウェリン: 1963-99年
[編集]『ロシアより愛をこめて』からはデスモンド・リュウェリンがQを演じ、1999年に亡くなるまで『死ぬのは奴らだ』以外の全作品に登場する。
最後の登場作品となった『ワールド・イズ・ノット・イナフ』ではボンドに後述のRを紹介してから、隠しエレベーターで下がり去っていくという形で物語から退場した。
登場作品
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リュウェリンは他にユナイテッド・アーティスツ・テレビジョン製作による1967年のテレビスペシャル『Welcome to Japan, Mr. Bond』でもQを演じた。さらに『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』のDVDアルティメット・エディションに収録されたドキュメンタリー『Highly Classified: The World of 007』でも演じた。
リュウェリンは17本のボンド映画に出演したが、これはシリーズ出演者中最多である。
ジョン・クリーズ: 1999-2002年
[編集]『ワールド・イズ・ノット・イナフ』ではデスモンド・リュウェリン演じるQから、モンティ・パイソンのメンバーとして知られるジョン・クリーズ演じる「若い助手」として紹介された。劇中でキャラクターの本名は明らかにされず、「R」とクレジットされている。なお終盤では連絡を絶っていたボンドを発見するも、モニター上にボンドが女性とベッドインしている姿が映ったのに対してM達に「どうやら2000年問題のようで…」と誤魔化していた。
『ダイ・アナザー・デイ』では正式にQの職に就いており、最新鋭の光学迷彩により姿を隠すことの出来るヴァニッシュ・カー(消える車)をボンドに紹介する際、驚いたボンドから「冗談だろ?」と言われるが、「Qの職にある者は、仕事の場で冗談は言わん」と答える。その直後、ボンドに分厚い取扱説明書を渡すが、ボンドがこれを読むのを面倒に思い、ヴァニッシュ・カーの自動追尾散弾砲に撃たせて粉々にしたあげく「一瞬で読破だ」と言ったボンドに「お前を消してやりたい」と毒を吐いた。00ナンバーを剥奪されたボンドに対して一度だけながら「ダブルオー・ゼロ」と呼んでいる。
クリーズは他にテレビゲーム『The World is Not Enough』(2000年)、『007 Racing』(2000年)、『Agent Under Fire』(2001年)でもRとして登場した。1999年にリュウェリンが亡くなると、『ダイ・アナザー・デイ』(2002年)ではクリーズがQとなった。さらに2004年の『007 エブリシング オア ナッシング』でもクリーズのQが登場した。
- 登場作品
映画:
| ゲーム:
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2010年のテレビゲーム『007 ブラッドストーン』ではブースロイドの姿は見られないが、ビル・タナーがQ課で働いていることが触れられる[4]。
ベン・ウィショー: 2012年-
[編集]2006年の『カジノ・ロワイヤル』及びその続編の『慰めの報酬』(2008年)ではQは登場しなかった。ボンドを演じたダニエル・クレイグはキャラクターが登場しないことに対する懸念を表明し、『スカイフォール』でQを復活させるという希望を表明した[5]。2011年11月、ベン・ウィショーがQ役に決まったことが発表された[6]。ウィショーは2012年時点で31歳であり、歴代のQ俳優では最年少となる。黒縁の眼鏡を着用し、パソコンによるハッキングを主に行う。
登場作品
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非イーオン作品
[編集]ジェフリー・ベイルドン: 1967年
[編集]コメディ映画『007 カジノロワイヤル』ではジェフリー・ベイルドンが登場するが、ジェームズ・ボンドではなく、イーブリン・トレンブル(演: ピーター・セラーズ)に秘密兵器を提供する。
アレック・マッコーエン: 1983年
[編集]1983年の映画『ネバーセイ・ネバーアゲイン』ではアレック・マッコーエンがQ課の課長を演じる。
出典
[編集]- ^ Griswold, John (2006). Ian Fleming's James Bond: Annotations And Chronologies for Ian Fleming's Bond Stories. AuthorHouse. p. 25-26. ISBN 978-1-4259-3100-1
- ^ Macintyre, Ben (5 April 2008). “Was Ian Fleming the real 007?”. The Times 8 April 2008閲覧。
- ^ 小説ではこの時、ベレッタ代替の銃としてPPKのほか、やはりドイツ製のザウエル&ゾーンM38に加え、当時の敵国・ソ連製で安全装置が付かないトカレフTT-33、日本製のM-14(南部十四年式、世界的に見ても性能・品質が低いうえ1945年に製造終了。弾丸は日本でしか作られなかった特殊な南部8mm弾)が候補に挙がっている。後者2種は1950年代にイギリスのスパイが使うにはあまりにも実用性に乏しく、フレミングはジェフリー・ブースロイドの助言を正確に理解していたか疑わしい。
- ^ “007: Blood Stone - Review - by Sean Colleli”. GamingNexus.com (6 December 2010). 2 May 2012閲覧。
- ^ “Daniel Craig talks about the future of JAMES BOND”. Collider.com. 2 May 2012閲覧。
- ^ “Ben Whishaw cast as Q in new James Bond film Skyfall”. BBC Online (BBC). (26 November) 26 November 2011閲覧。