うれしいひなまつり

「嬉しい雛まつり[1]
河村順子シングル
B面 可愛い春(木村百合子[2]
リリース
規格 シングルレコード(SP盤)
録音 1936年1月中旬[3]
ジャンル 童謡
時間
レーベル ポリドール
作詞・作曲 作詞:サトウハチロー
作曲:河村直則(河村光陽
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ひな人形

うれしいひなまつり」は、サトウハチロー(「山野三郎」名義で紹介されることもある[3])作詞、河村直則(河村光陽)作曲の日本の童謡である。2007年(平成19年)に日本の歌百選に選出されている。

なお、レコード初出(歌:河村順子日本ポリドール、規格品番:7580)での曲題は「嬉しい雛まつり」である。

概要

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題名どおり、ひな祭りを歌った曲。1935年(昭和10年)、サトウハチローが娘に雛人形セットを買い与えた前後に作詞したとされる[4]。それに河村が曲をつけ、1936年(昭和11年)2月にレコードが発売されている。

楽しい行事を歌った曲で、題名にも「うれしい」とあるにもかかわらず、西洋音楽的に分類すれば短調である。ただし、唱歌の多くは日本古来のヨナ抜き音階を用いて作曲されており、短調の曲も多い。

一方で、歌詞の中に官女から嫁いだ姉を連想するくだりがあるが、これについては、嫁ぎ先が決まった矢先に18歳で結核で亡くなったサトウハチローの姉のことを歌っているものであり、この曲が短調なのはハチローの姉へのレクイエムだからであるとの解釈もある[5]

サトウハチローが作詞した楽曲の中では最もよく歌われるものの一つともいわれ[6]、日本では広く知られた曲となっている。

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\relative {
    \set Staff.midiInstrument = #"piano"
	\key c \minor
	\time 2/4
	\tempo 4 = 100
    \new Voice \relative c' {
	g'8 g8 g8 f8 g8 g8 c8 aes8 g8 g8 aes8 aes8 g4 r4 \bar "|" \break
	ees8 ees8 ees8 d8 ees8 ees8 g8 ees8 d8 d8 ees8 d8 c4 r4 \bar "|" \break
	c'4 c8 d8 c8 aes16 g16 ees8 ees8 g8 g8 c8 aes8 g4 c,8 d8 \bar "|" \break
	ees4 d8 c8 d8 ees8 g8 c8 aes8 g8 ees8 d8 c4 r4 \bar "|." \break
    }
}

歌詞の事実誤認

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この歌の歌詞には下記の事実誤認があるとされる。

  • 歌詞に「右大臣」とあるが、身分の高い右大臣であれば三人官女より上にあるはずなので、正しくは大臣ではなく「随人」[7]
  • 「赤い顔」なのは向かって右にあるので(仮に大臣だとしても)「右大臣」ではなく左大臣[6][7]
  • 男雛と女雛を「お内裏様とお雛様」と呼ぶ事に関しても議論がある。詳細は「雛祭り#女雛の呼称に関して」を参照。

サトウハチローの次男でサトウハチロー記念館の館長の佐藤四郎によれば、作詞したハチロー自身はこれらを誤りだと認識しており、それゆえ「自分の作品の中で一番嫌っ」[6]ており「できることなら、この歌を捨ててしまいたい」[6]と考えていたという[8]

替え歌

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1944年(昭和19年)1月にキングレコードから、この曲に加藤省吾作詞の全く異なる歌詞がつけられた「うれしいひな祭り」が中根庸子の歌で発売された(『日本年中行事童謡集』収録)が、無断で「替え歌」を作られたことにサトウハチローが激怒し、発売停止に追い込まれた[9]

また子供の間では「ぼんぼり」を「爆弾」に置き換えた替え歌が登場した[10]

録音した歌手

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脚注

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  1. ^ a b 嬉しい雛まつり(国立国会図書館・歴史的音源)
  2. ^ 可愛い春(国立国会図書館・歴史的音源)
  3. ^ a b c 池田小百合 なっとく童謡・唱歌 うれしいひなまつり
  4. ^ 読売新聞文化部『唱歌・童謡ものがたり』岩波書店、1999年、10頁。ISBN 4000233408
  5. ^ 『唱歌・童謡ものがたり』11-12頁。
  6. ^ a b c d “うたの旅人 捨てたいのに広まった 「うれしいひなまつり」”. be (朝日新聞社). (2012年3月3日). オリジナルの2012年3月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20120302122526/http://www.asahi.com/shopping/tabibito/TKY201203010324.html 2013年1月19日閲覧。 
  7. ^ a b 吉海 直人(日本語日本文学科 教授) (2016年3月2日). “「桃の節句」の話”. 教員によるコラム. 同志社女子大学. 2024年3月4日閲覧。
  8. ^ 『唱歌・童謡ものがたり』11頁。
  9. ^ 長田暁二『童謡名曲事典』全音楽譜出版社、2020年、103頁。ISBN 978-4-11-880235-0
  10. ^ 『伝統と現代 No.46』内「〈昭和史の感性〉について」 伝統と現代社 1977年7月
  11. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年12月1日閲覧。
  12. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年11月30日閲覧。
  13. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年11月30日閲覧。
  14. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年11月30日閲覧。
  15. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年12月1日閲覧。
  16. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年12月1日閲覧。
  17. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年12月1日閲覧。
  18. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年12月1日閲覧。
  19. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年12月1日閲覧。
  20. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年12月1日閲覧。
  21. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年12月1日閲覧。
  22. ^ 国立国会図書館オンライン | National Diet Library Online”. ndlonline.ndl.go.jp. 2021年12月1日閲覧。

外部リンク

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