ふつうの軽音部

ふつうの軽音部
ジャンル 学園
音楽軽音楽[1]
漫画
原作・原案など クワハリ
作画 出内テツオ
出版社 集英社
掲載サイト 少年ジャンプ+
レーベル ジャンプ・コミックス
発表期間 2024年1月14日[1] -
巻数 既刊2巻(2024年6月4日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

ふつうの軽音部』(ふつうのけいおんぶ)は、原作:クワハリ、作画:出内テツオによる日本漫画。2023年1月7日より9月18日までウェブコミック投稿サイトジャンプルーキー!』(集英社)に投稿された。ウェブコミック配信サイト少年ジャンプ+』(集英社)にて、2024年1月14日から日曜更新で連載中[1][2]

ジャンプルーキー!版

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『ジャンプルーキー!』に2023年1月7日から9月18日まで投稿された『少年ジャンプ+』連載版の前身。全22話。原作担当のクワハリが作画まで自分で行っていた。制作に至るまでの経緯として、原作者がコロナ禍で挑戦した絵の練習をきっかけにTwitter(現:X)にてエッセイ漫画の掲載を開始、高校生活をひと通り描き終えて次の企画を考える中で「よりお話に起伏を作れるフィクションを作ってみたい」と考え『ふつうの軽音部』が誕生したとインタビューの中で語っている[3]

少年ジャンプ+連載版

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前項の『ジャンプルーキー!』版をベースとして、出内テツオの作画で2024年1月14日から連載開始。なお初回は1〜4話、第2回は5〜7話までまとめて配信された。『ルーキー』版との相違点として、細かいセリフ描写が変更される、新たなエピソードが補完的に追加される等している。また、一部のキャラクターの設定や描写も変更されている。

あらすじ

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渋めの邦ロックが好きな大阪在住の女子高校生・鳩野 ちひろ(はとの ちひろ)は中学時代のとある出来事がきっかけでバンドの趣味や自身の歌声に一種のコンプレックスを抱いていた。高校入学後、赤いフェンダー・テレキャスターを携えて軽音部に入部したちひろは、同じクラスとなった陽キャ女子・内田 桃(うちだ もも)や自身とバンドを組みたいと言う幸山 厘(こうやま りん)ら様々な軽音部員と出会い、多くの経験を経て成長していく。

登場人物

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谷九高校軽音部

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鳩野 ちひろ(はとの ちひろ)
主人公。1年。長髪の黒髪に四白眼が特徴。高校進学を機にギターを購入して軽音部に入部。親の離婚に伴い、川崎市から大阪に移住したため普段は標準語で話す。銀杏BOYZナンバーガール志村ボーカル時代のフジファブリックなどが好き。自他ともに認める「陰キャ」だが、負けん気は強く努力家で、行動力もある。厘らと最初のバンド「ラチッタデッラ」を結成するが、厘の策略により早々に解散。
幸山 厘(こうやま りん)
1年。長身(『ルーキー』版では170cm)のショートヘアでベース担当。見た目はおっとり系だが非常に観察力に長けており、様々な情報を収集している。ちひろ達と打算込みで「ラチッタデッラ」を結成するが、視聴覚室でこっそりちひろが「everything is my guitar」を歌う場面を目撃したことでちひろを「神」と崇めるようになる。
内田 桃(うちだ もも)
1年。赤っぽい茶髪を2つ三つ編みにして下げている。ちひろのクラスメイトで、コミュニケーション能力が高く見た目も華やか(ちひろ曰く「一軍女子」)。ちひろとは登校初日に仲良くなった。ドラム担当でちひろを「はとっち」と呼ぶ。中学時代の同級生と3ピースバンド「sound sleep」を組む約束をしており、部内での評価も高かったが6月の校内ライブ後に解散の憂き目にあう。その後厘が仕掛けたカラオケでちひろの歌声を聴き、ちひろ達のバンドに加入することとなる。恋愛に対してコンプレックスを抱えている。
藤井 彩目(ふじい あやめ)
1年。ウルフカットにインナーカラーという出で立ちでピンクのパーカーを羽織っている。幼少期のトラウマから何かと人を見下して陰口を言うことが多い。項希のバンド「protocol.」のギター担当だったが、舞伽と別れた項希と付き合ったのち、自身も項希に振られることとなりバンドを脱退。部活も去るつもりでいた折、ちひろ達のバンドに誘われ、ちひろの弾き語りを聴くことになる。
大道 優希(おおみち ゆうき)
1年。ロングの黒髪で大人びた外見をしている。桃の中学時代の同級生で「sound sleep」のギターボーカル担当。後述の理由から先輩と交際していることを桃に隠していたが、そのことを厘に利用されて桃がちひろ達のバンドに加入する要因となる。「sound sleep」解散後は「Color Circuit」を結成して、バンド活動を継続している。
鷹見 項希(たかみ こうき)
1年。「protocol.」のギターボーカル担当。ちひろがギターを買いに行った際に楽器屋で出会った同級生。イケメンで歌や演奏技術も高校生離れしており非常にモテるが、これがトラブルの要因となることも多い。: 「sound sleep」のベース・舞伽と交際していたが6月の校内ライブ直後に破局、このことがストーリーを大きく動かすきっかけとなる。
水尾 春一(みずお はるいち)
1年。彩目が脱退した後に後釜のギターとして「protocol.」に加入した。表情の変化に乏しく発言が誤解を招くこともあるが、本人に誰かを見下すような意図はない。ちひろと同じ中学出身で、夏休み期間に中華料理店のバイト仲間として再会する。軽音部の前はバレー部に所属しており長身。ギターの演奏技術は非常に高い。
田口 流哉(たぐち りゅうや)
1年。「protocol.」のベース担当。肩までの長髪に三白眼の生徒。ベースの技術は非常に高く本人もベースを弾ければ何でもいいというスタンス。「吉田商店」のサポートメンバーも務める。
遠野 元(とおの げん)
1年。「protocol.」のドラム担当。ツーブロックにメガネという出で立ちで、左眉には剃り込みのような線が入っている。1年部員では随一のドラムの腕前。入学当初から桃に片思いしており、会話が続いた際には自身のスマホに会話内容を一言一句メモする一面を見せた。
柿田 駿(かきた しゅん)
1年。ニックネームは「かっきー」。「ラチッタデッラ」のドラムメンバーとなるが、他のバンド(「吉田商店」)に誘われており、陽一の退部もあって脱退、「吉田商店」に加入する。
田端 陽一(たばた よういち)
1年。ニックネームは「ヨンス」。「ラチッタデッラ」のギターボーカル。同じバンドメンバーとなった厘にアタックするも策略のためにしばらく泳がされたのち、手酷く振られて退部。ただし、厘がその後彩目の監視役を任せたりと、何かにつけて利用されている。駿の懇願でボーカルが脱退した「吉田商店」の後任のボーカルとして軽音部に復帰する。
吉田 佳織(よしだ かおり)
1年。「吉田商店」のギター担当で紅一点。前任ボーカル・矢部の代理で加入した陽一に中学の頃から苦手意識を持っている。
真島 るり(まじま るり)
1年。大きな目とおかっぱ頭の女子生徒。「るりるり帝国」のリーダーとギターボーカルを務める。ちひろとは入部後、早い段階で仲良くなっていた。
新田 たまき(にった たまき)
3年。軽音部副部長。新入生歓迎会でのライブの際、ボーカルとして「あいどんわなだい」を歌った。ちひろのことを気にかけており、ちひろからも尊敬されている。笑いのツボが独特。
山添 悟(やまぞえ さとる)
3年。軽音部部長。
丸太 周平(まるた しゅうへい)
男性。新任の顧問。

その他の人物

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矢賀 緑(やが みどり)
1年。帰宅部。ちひろが最も仲の良い友人で、同じクラスかつ同じ歴史好きということから仲良くなった。ちひろから軽音部に誘われるが、持論を展開して拒否。同じ中学出身の厘をちひろに紹介する。「非日常伝道師・アップデート堀井」という謎の人物の推し活をしている。
乃木 舞伽(のぎ まいか)
1年。桃の中学時代の同級生で「sound sleep」のベース担当だったが、項希に振られて退部。その際、退部を巡って桃と口論になり、桃の恋愛に対するコンプレックスを刺激する発言をしてしまう。ちなみに『ジャンプ+』での連載にあたって苗字が変更されている(『ルーキー』版では「小堀端舞伽」という名前だった)。
巽 玲羽(たつみ れいは)
大阪有数の進学校に通うちひろの中学時代の生徒会長。高校では軽音部に所属している。永井公園で弾き語りをするちひろと偶然再会し、ギターを借りて「怪獣の花唄」を熱唱するが、その際ちひろは玲羽から学びを得るとともに見下されているとも感じ一層奮起する。

劇中バンド

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作内に登場したバンド

ラチッタデッラ
メンバーはGt.ちひろ、Ba.厘、Dr.駿、Gt.Vo.陽一。ちひろが初めて結成したバンドだったが、実態は厘が止まり木として集めたバンドであり、厘が「神」と認識したちひろのためのバンド作りに向けて動き出した中で早々に解散。
sound sleep(サウンド スリープ)
メンバーはDr.桃、Gt.Vo.優希、Ba.舞伽。中学時代の同級生で3ピースバンドを結成するも、前述の経緯で舞伽が退部、そのまま解散となった(桃と優希はそれぞれ別のバンドで活動を続行)。
protocol.(プロトコル)
メンバーはGt.Vo.項希、Gt.彩目→春一、Ba.流哉、Dr.元。彩目はギターで参加していたが項希との恋愛トラブルで脱退、入れ替わる形で春一が加入した。1年バンドの中では別格に評価の高いバンド。
はーとぶれいく
メンバーはGt.Vo.ちひろ、Ba.厘、Dr.桃、Gt.彩目。それぞれのバンドを失った各メンバーを厘が誘導し、ちひろを中心に結成されたバンド。バンド名の由来はZAZEN BOYSの「はあとぶれいく」。
Color Circuit(カラーサーキット)
メンバーはGt.Vo.優希、Gt.矢車、Ba.古旗、Dr.色川。「sound sleep」解散後の優希が結成したバンド。
るりるり帝国(るりるりていこく)
メンバーはGt.Vo.るり、Gt.Key.進藤、Ba.西山、Dr.牧田。紅一点のるりが男子3人をまとめるバンド。1年最初のライブオーディションでは「protocol.」・「sound sleep」に次ぐ高評価を得ていた。
吉田商店(よしだしょうてん)
メンバーはVo.矢部→陽一、Gt.佳織、Dr.駿、Ba.流哉(サポートメンバー)。ボーカルが文化祭ライブ前に脱退し、駿の誘いで急遽陽一が加入。前任ボーカルの矢部の歌唱は評価が高かった。

用語解説

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谷九高等学校
ちひろ達が通う大阪府谷町九丁目にある高校。
永井公園
ちひろが弾き語り修行をする公園。規模が大きく人通りも多い。モデルは大阪市長居公園[4]

反響

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  • 楽曲「理由なき反抗(The Rebel Age)」が作中に使用された同週にa flood of circleが同曲のライブ映像をYouTubeで公開した[5]
  • 2024年8月には、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2024」の開催に合わせて、初となる交通広告がJR蘇我駅に登場した[6]

書誌情報

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  • クワハリ(著)・出内テツオ(漫画)『ふつうの軽音部』 集英社〈ジャンプ・コミックス〉、既刊2巻(2024年6月4日現在)
    1. 2024年4月4日発売[7][8]ISBN 978-4-08-884019-2
    2. 2024年6月4日発売[9]ISBN 978-4-08-884082-6

脚注

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  1. ^ a b c 銀杏、ナンバガ……邦ロックを愛する陰キャ女子の青春描く新連載がジャンプラで. コミックナタリー(2024年1月14日). 2024年6月2日閲覧。
  2. ^ 少年ジャンプ+ 2024年1月14日のポスト2024年6月1日閲覧。
  3. ^ 【第113回】『ふつうの軽音部』が生まれるまで【クワハリ先生インタビュー】. ジャンプルーキー!(2024年4月4日). 2024年6月1日閲覧。
  4. ^ ジャンプルーキー!版ふつうの軽音部 15話では「長居公園」と書かれている。
  5. ^ 漫画『ふつうの軽音部』で楽曲を使われたロックバンド「a flood of circle」が粋な心遣い。「公式が最高の対応をしている!!」とファン熱狂. buzzfeed(2024年6月11日). 2024年6月16日閲覧。
  6. ^ 『ふつうの軽音部』初の交通広告が登場 音楽フェスにあわせて蘇我駅に. オリコン(2024年8月2日). 2024年8月2日閲覧。
  7. ^ 邦ロックを愛するギター初心者女子が軽音部に入部して奮闘「ふつうの軽音部」1巻. コミックナタリー(2024年4月4日). 2024年6月2日閲覧。
  8. ^ ふつうの軽音部 1”. 集英社. 2024年6月1日閲覧。
  9. ^ ふつうの軽音部 2”. 集英社. 2024年6月4日閲覧。

外部リンク

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