インパラ

インパラ
インパラ
インパラ Aepyceros melampus
保全状況評価[a 1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 鯨偶蹄目 Cetartiodactyla
亜目 : ウシ亜目 Ruminantia
: ウシ科 Bovidae
: インパラ属 Aepyceros
Sundevall, 1847年
: インパラ A. melampus
学名
Aepyceros melampus
(Lichtenstein, 1812年)
和名
インパラ
英名
Impala
分布図

インパラAepyceros melampus)は、ウシ科に分類される偶蹄類に分類される哺乳類である。インパラのみで、インパラ属を構成する。

分布

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A. m. melampus ケープインパラ

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本種はアフリカ大陸の南東部に広く分布する。例えば、ウガンダ、ケニア、ザンビア、ジンバブエ、タンザニア、ボツワナ、マラウイ、南アフリカ共和国、モザンビーク、ルワンダといった地域である[1][2][a 1]

A. m. petersi アンゴラインパラ

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本種はアフリカ大陸南部の限られた地域にしかいない。棲息地として、アンゴラ南西部、ナミビア北西部が知られる[1][2]

形態

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体長は120から160センチメートル[2]。肩高は70から95センチメートル[2]。体重は40から80キログラム[2]。尾長は30から45センチメートルで[2]、尾の先端のみ体毛が房状に伸長する[2]。背面や上半身の体側面の毛衣は赤褐色で、下半身の体側面や四肢背面の毛衣は黄褐色である[1][2]。下顎や喉、胸部から腹部、大腿部の内側の毛衣は白い[1][2]。大腿部後部や尾背面に黒い縞模様が入り、後肢の蹄の上部後面に黒い房状の体毛が有る[1][2]。また、後肢の管骨後部には、臭腺(中足腺)を持つ[2]

耳介は先端が尖っている[2]。吻端は体毛で被われ、裸出した板状の皮膚(鼻鏡)が無い[2]。左右の第3指趾と第4指趾の蹄(主蹄)が、皮膚で連結されている[2]。第2指趾と第5指趾の蹄(側蹄)は無い[2]

オスにのみ竪琴形の洞角が有る[1][2]。角長は91センチメートルに達する[2]

  • A. m. petersi アンゴラインパラ

顔の中央に黒褐色の斑紋が入る[2]

分類

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インパラはかつてブルーバック亜科に分類されてきた。しかし、分子系統学の見地より、独自のインパラ亜科に分類し直された。

インパラを6つの亜種に分ける説も有るが[1]、分布の境界線や形態などの定義は不明瞭であり、あまり解明されていない[2]

  • Aepyceros melampus melampus (Lichtenstein, 1812年) ケープインパラ
  • Aepyceros melampus petersi Bocage, 1878年 アンゴラインパラ、カオグロインパラ

生態

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水辺のサバンナや落葉樹林などに棲息する[1][2]。乾季になると多くの場合で30頭から50頭程度の群れを形成し[注釈 1]、食物を求めて放浪する[2]

天敵としては、例えばライオンチーターヒョウハイエナリカオンなどのように、広範囲を移動して狩りを行う肉食の哺乳類が挙げられる。そのような肉食動物の接近などで危険を感じると、時々大きな跳躍を交えながら走って逃げる[2]。成獣の走行速度は時速60キロメートルに達し、跳躍は高さ3メートル、幅10メートルに達する[2]

食性は植物食であり、主に草を食べる[1][2]。ただし、木の枝、葉、花、果実なども食べる[1][2]

繁殖期になるとオスは縄張りを形成し、数頭のメスとハレムを形成する[2]。繁殖形態は胎生で、その妊娠期間は6ヶ月から7か月程度である[2]。1回に1頭の幼獣を産む[2]。寿命は約12年である[2]

なお、天敵として、ライオン、チーター、ヒョウ、ハイエナ、リカオンのような肉食の哺乳類以外に、ナイルワニなども挙げられ、稀にアフリカニシキヘビにも捕食される場合も有る。さらに、幼獣や亜成獣にとってはカラカルなどの小型の肉食動物や、ヒヒなどの雑食動物も脅威となる。

保全状態評価

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  • A. m. melampus ケープインパラ

LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[a 1]

  • A. m. petersi アンゴラインパラ

VULNERABLE (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001))[a 1]

脚注

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注釈

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  1. ^ ただし、200頭以上の群れを形成した事例も有る。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j 今泉吉典(監修) D.W.マクドナルド(編)『動物大百科4 大型草食獣』、平凡社、1986年、126、131頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac 今泉吉典(監修)『世界の動物 分類と飼育7 (偶蹄目III)』、東京動物園協会、1988年、58-59頁。

関連項目

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外部リンク

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  1. ^ a b c d The IUCN Red List of Threatened Species
    • IUCN SSC Antelope Specialist Group 2008. Aepyceros melampus. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
      • IUCN SSC Antelope Specialist Group 2008. Aepyceros melampus petersi. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.
      • IUCN SSC Antelope Specialist Group 2008. Aepyceros melampus melampus. In: IUCN 2010. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2010.4.