キングフィッシャー (ビール)

キングフィッシャー
キングフィッシャーのビール瓶とグラス
種類 ラガー
製造元 ユナイテッド・ブルワリーズ・グループ
発祥国 インドの旗 インド
販売開始 1978年
アルコール
度数
6.0%
公式サイト www.kingfisherworld.com
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キングフィッシャーヒンディー語: किंगफिशर英語: Kingfisher)はユナイテッド・ブルワリーズ・グループ英語版(UBグループ)が製造しているインドビールのブランドである。

ハイネケングループはユナイテッド・ブルワリーズ・グループの株式の37.5%を保有している[1]

概要

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瓶の栓に描かれているカワセミ

キングフィッシャーは、インドのビール英語版の筆頭に挙げられる銘柄であり、国際的なビール品評会でも数々の受賞歴がある[2]。インドではビールの代名詞でもあり、インドで「キングフィッシャー」と言えば、ビールのことかキングフィッシャー航空のことである[3]

「キングフィッシャー」とは小鳥カワセミのことで、ラベルにも描かれている[2]

「レッド」が定番商品であるが、アルコール度数が7パーセントの「ストロング」など、いくつかの種類が販売されている[2]

インドの市場におけるキングフィッシャーのシェアは全体の3分の1以上となる36%であり、インド国内において最もシェアの高いビールである。キングフィッシャーはインド国内で消費されている他、インド国外52カ国でも販売されている[4]。日本でもイギリスで製造されたものが日本ビールより輸入販売されている[5]

歴史

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1857年、「ユナイテッド・ブリュワリーズ」が創業する[3]。1915年には5つの小さな醸造所が合併し、UBグループが誕生する[3]

1980年、ビジェイ・マリヤ(1983年にUBグループ会長就任)が設立し、キングフィッシャーのブランドが開始された[3]。マリヤは「刺激的なブランドを作りたい」と考えていたが、当時の既存ブランドには強い印象を与えるものがなかった[6]。ある日、マリヤはベンガルールにある自宅で、カワセミを描いている古いラベル紙を発見し、これがブランド誕生のもとになった[6]

キングフィッシャーブランドは、マーケティングの成功例として語られることが多い[6]。これには、インドでは酒類の広告・宣伝が禁止されており、その環境下で、ビールのブランドが成功したことによる[6]

2021年7月、ハイネケンがユナイテッド・ブルワリーズ・リミテッド(UBL)を買収し、以降、UBLを事業に統合する[7]。2023年度最終四半期は前年同期比で17%増となる47億8,868万ルピー(約4億5,900万円)となった[7]

ブランド

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キングフィッシャーは以下のような様々なブランドの商品を展開している[4]

レッド[2]
プレミアム[8]
アルコール度数4.8%。
ストロング[2][8]
アルコール度数8%。
ブルー[2][8]
アルコール度数8%。
口当たりが軽く、若者を中心に人気が出ている。
ウルトラ[8]
インド国外の原料から作られている。

スローガン

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キングフィッシャーは「王(キング)」という名のキャッチコピーでプロモーション活動を行うことがある[9]

受賞

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  • 1994年に開催されたストックホルムビールフェスティバルにおいて、世界最優秀ライトラガービール賞を受賞した[10]
  • 1995年に開催されたストックホルムビールフェスティバルにおいて、世界最優秀ライトラガービール賞を受賞した。
  • 1997年にシカゴで開催された世界ビール選手権で金メダルを獲得した。
  • アジアグランプリサイレル2000ラベル賞において、ラベルワーク部門で1位を獲得した。
  • 2000年に開催されたオーストラリア国際ビール賞において3位を獲得した。

カレンダー

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キングフィッシャー水着カレンダーはキングフィッシャーブランドを長年に渡り支えている中核事業の一つである[11]。キングフィッシャー水着カレンダーはピレリカレンダーに似たコンセプトで、ファッション、娯楽、魅力を融合させたものとなっている。長年に渡り、キングフィッシャー・カレンダーの発表会はインドのファッションカレンダーにおいてファンが注目するイベントとなっている[9]

TGIOF

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TGIOF 2010の様子

キングフィッシャーが主催[12]、コモン・カラーズ・エンターテイメントが企画運営を行なって、大インドオクトーバーフェスト (The Great Indian Octoberfest、TGIOF) という音楽、ビール、エンターテイメントの祭典が2005年より毎年10月にバンガロールで開催されている。この祭典は全3日間のイベントであり、音楽、食、ショッピング、フリーマーケットモーターショーエレクトロニック・スポーツのパビリオンなど様々な催しが行われる。TGIOFはドイツのオクトーバーフェストを参考にして企画されたものであり、世界中で行われているオクトーバーフェスト関連祭典の一つとなっている。TGIOFには様々な分野から国際的なミュージシャンやインド国内のミュージシャンが出場する。

祭典の主な会場はバンガロールだが、組織委員会はインド全体での活動も行なっている。

クイーンフィッシャー

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クイーンフィッシャー英語: Qeenfisher)は、ハイネケンのユナイテッド・ブルワリーズ・リミテッド(UBL)が2024年3月に発売開始したビールのブランド名[13]

出典

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  1. ^ About Us: UBL at a glance”. 2013年4月25日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 「インドでビールを探すのは大変だ」『旅の賢人たちがつくったインド旅行最強ナビ』辰巳出版、2019年、129頁。ISBN 978-4777823260 
  3. ^ a b c d 帝羽ニルマラ純子 (2015年1月22日). “インドのイケてる企業家、規格外すぎる活躍”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. p. 1. 2024年7月28日閲覧。
  4. ^ a b Our Brands”. 2013年4月25日閲覧。
  5. ^ 商品紹介”. 日本ビール. 2015年8月24日閲覧。
  6. ^ a b c d 帝羽ニルマラ純子 (2015年1月22日). “インドのイケてる企業家、規格外すぎる活躍”. 東洋経済オンライン. 東洋経済新報社. p. 2. 2024年7月28日閲覧。
  7. ^ a b ジェシカ・メイソン (2024年5月9日). “ユナイテッド・ブルワリーズ、キングフィッシャーブランドのおかげで利益急増”. the drink business. 2024年7月28日閲覧。
  8. ^ a b c d コイズミユリア (2015年10月11日). “インド家庭料理には、やっぱりインディアビール!あまり聞いたことがないけど、どんな特徴があるの?”. ビール女子. 2024年7月28日閲覧。
  9. ^ a b Kingfisher Premium”. 2013年4月25日閲覧。
  10. ^ UBL Awards”. 2013年4月25日閲覧。
  11. ^ Bora, Sangeeta (2012年1月10日). “Calendar Art: Check the dates, in style”. IBNLive. http://ibnlive.in.com/news/calendar-art-check-the-dates-in-style/219392-60-119.html 2013年4月25日閲覧。 
  12. ^ Indiecision staff writer. “The Great Indian Octoberfest 2012 Dates Announced”. 2013年4月25日閲覧。
  13. ^ ジェシカ・メイソン (2024年3月14日). “ハイネケンのUBLがインドでクイーンフィッシャービールを発売”. the drink business. 2024年7月28日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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