コブラー

コブラー
アップルコブラー
発祥地 イギリスの旗 イギリス
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
主な材料 生地ビスケット、もしくはパイ生地。果物あるいは塩味のフィリング
派生料理 ベティ、グラント、スランプ、バックル、ソンカー、ブーツ
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コブラー英語: cobbler)は、主にイギリスアメリカ合衆国で食べられている焼き菓子で、様々な種類がある。果物や塩味のフィリング[1]を大きな焼き皿に敷き、液状の生地をかけたりビスケットダンプリング[2]で覆ってからオーブンで焼く。レシピによっては上下から厚いパイ生地で挟んだ深皿パイに近く、特にアメリカ南部ではこのタイプが多い。

起源

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コブラーは英領北米植民地が起源である。イングランド人の入植者は、適切な食材や調理器具がなかったため、伝統的なスエットプディングを作ることができなかった。そこで代わりの方法として、味をつけていないビスケットやダンプリングの生地を丸め、煮込んだフィリングの上に隙間なく並べて焼いた[要出典]。コブラーという名前は1859年から記録に見受けられる。その起源は不明だが、「木のボウル」を意味する古風な単語"cobeler"に由来する可能性がある[3]

バリエーション

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以下で述べるクリスプやクランブルは、一般的なコブラーと異なり、一番上の層にオートミールで作られたロールオーツを用いることがある[4]

北アメリカ

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アイスクリームが添えられたピーチコブラー

グランツ、パンダウディ、スランプはカナダ沿海州ニューイングランドで見られるコブラーの派生型である。典型的なレシピでは、フィリングの上に団子状の生地を載せ、コンロにかけた鉄鍋やフライパンで焼く。伝えられるところによれば、これらの名は火にかけている間のブツブツいう音(英語でこれをgruntと呼ぶ)から取られている。ここで使われるようなビスケットやダンプリングはドウボーイとも呼ばれる。ドウボーイはシチューでもコブラーと同じように用いられる。

アメリカ合衆国で食べられているコブラーのバリエーションには、このほかにもアップル・パンダウディ(アップルコブラーの皮を崩したもの。皮をフィリングと混ぜ合わせることもある)、ベティ、バックル(イエローケーキ[6]生地に具材を混ぜ込んだもの)、ダンプ(またはダンプケーキ)[7][8]、グランプ、スランプ、ソンカーなどがある。ソンカーはノースカロライナ州特有のもので、アメリカ式のコブラーを深皿で焼いて作ったものである[4][9]

ディープサウスではフィリングとして果物1種類だけを用いたコブラーが最も一般的で、その果物の名を取ってブラックベリーコブラー、ブルーベリーコブラー、ピーチコブラーのように呼ばれる。ディープサウスの伝統では、フルーツコブラーにバニラ・アイスクリームをトッピングすることもある[要出典]。この地域では塩味のコブラーはそれほど一般的ではないが、例としてはトマトコブラーがある。これはサザントマトパイに似たもので、タマネギなどを具材としており、上に載せるビスケット生地にはチーズコーンミールを入れることがある[10]

ベティ

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ベティ、またはブラウンベティとして知られるコブラーの一種はアメリカ植民時代にまで遡ることができる。1864年の『イエール・ライブラリー・マガジン』では"brown Betty"として紹介されており、「ブラウン」が小文字で始まっていることから「ベティ」が正式な料理名だと考えられる[11]。しかし、1890年に出版されたレシピでは「ブラウン」も大文字で始まっているため「ブラウンベティ」が正式名とされる[12]

ブラウンベティはパン粉(またはパン片や砕いたグラハムクラッカー)と果物(さいの目に切ったリンゴが一般的)の層を交互に重ね、蓋をしてオーブンで焼いたものである。食感はブレッドプディングに近い。

アメリカ中西部では、アップル・ベティまたはストロベリー・ベティは、しばしばアップル・クリスプと同義語である[要出典]

イギリスとコモンウェルス諸国

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イギリスとコモンウェルス諸国では、スコーンを載せたコブラーが優勢であり、甘いものも塩味のものも見受けられる。甘いフィリングとしてはリンゴ、ブラックベリー、ピーチなどが一般的である。塩味のコブラーは、牛肉、子羊、羊肉などのフィリングをキャセロールに入れ、スコーン生地の団子を載せて作る。団子を全面に敷き詰めるのではなく、肉に火が通りやすいように器のへりに沿って並べるだけの場合もある[13]。塩味のコブラーにはチーズやハーブのスコーンを載せることもある[14]

コブラーとクランブルは腹持ちがよいにもかかわらず、伝統的なペストリーほどバターを必要とせず、マーガリンで作ることもできるため、第二次世界大戦中に食糧省によって奨励された[要出典]

脚注

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  1. ^ 中に詰める具材。
  2. ^ イングランド風。
  3. ^ Douglas Harper. “Cobbler (n.2)”. Online Etymological Dictionary. 7 October 2016閲覧。
  4. ^ a b Betty Crocker (2015年). “Apple Crisp Recipe”. 11 December 2016閲覧。
  5. ^ Yellow cake definition and meaning”. Collins Dictionary. 2017年2月11日閲覧。
  6. ^ 卵黄を用いるケーキ生地[5]
  7. ^ Filippone, Peggy Trowbridge (2016年). “Dump Cake Recipe”. About. 1 November 2016閲覧。
  8. ^ What is Dump Cake?”. WiseGeek (25 November 2016). 11 December 2016閲覧。
  9. ^ History of Cobblers, Whats Cooking America”. Linda Stradley. 1 October 2015閲覧。
  10. ^ Savory Tomato Cobbler”. Southern Living. March 14, 2016閲覧。
  11. ^ Davidson, Alan; Tom Jaine; Soun Vannithone (2008). The Oxford Companion to Food. Oxford: Oxford University Press. ISBN 0-19-280681-5 
  12. ^ Hinman Abel, Mary (1890). Practical sanitary and economic cooking adapted to persons of moderate and small means. Rochester, NY: American Public Health Association. OCLC 14799381. https://books.google.com/books?id=O7Jpauc3MAAC&printsec=frontcover&dq=Mary+Hinman+Abel 12 June 2012閲覧。 
  13. ^ Herby Lamb Cobbler Recipe”. Good Good. BBC (2012年). 1 June 2012閲覧。
  14. ^ Beef Cobbler Recipe”. The Green Chronicle (2012年). 2005年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。1 June 2012閲覧。

外部リンク

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  • ウィキメディア・コモンズには、コブラーに関するカテゴリがあります。