ドラゴンボールZ (ゲーム)

ドラゴンボールZ
ジャンル 3D対戦アクションゲーム
対応機種 PlayStation 2
ニンテンドーゲームキューブ
開発元 ディンプス
発売元 バンダイ
プロデューサー 内山大輔[1]
人数 1 - 2人
メディア DVD-ROM1枚
発売日 2003年2月13日
2003年11月28日(GC版)
2004年9月16日(Best版)
売上本数 約57万本(PS2版)[2]
約7万8千本(GC版)[2]
その他 予約特典:四星球(PlayStation 2版)
「五星球」(ニンテンドーゲームキューブ版)
テンプレートを表示

ドラゴンボールZ』(ドラゴンボールゼット、DRAGON BALL Z)は、ディンプスが開発し、バンダイが発売したPlayStation 2用の3D対戦アクションゲーム

本作はPlayStation 2用ソフトとして2003年2月13日に発売されたのち、同年の11月28日ニンテンドーゲームキューブ版が発売された。

本作は、据え置き機では『ドラゴンボール FINAL BOUT』以来から約6年振りの発売となった『ドラゴンボール』のゲーム作品。オープニングムービーはアニメ版『ドラゴンボールZ』の初代オープニングをフルポリゴンで再現したものとなっている。

システム

[編集]

操作体系

[編集]

本作は十字キーとパンチ(□)・キック(△)・気功波(○)・ガード(×)で構成、また左右のスティックに同方向に割り当てられている。L1キーと一緒に入力すると軸移動が可能。

体力ゲージのほかに気力ゲージ(最高7本)が存在し、気功波や必殺技を使用する際には一定のゲージを必要とする。

本作には特殊な操作がいくつか存在しており、その一つである「変身」は一定の条件を満たすと使うことができる技である。変身すると攻撃力が上昇する代わりに気力ゲージが下がる。また、一定の値まで下がりダウンすると変身が解ける。

e.s.sシステム

[編集]

本作におけるスキルとはそれぞれのキャラクターが持つ能力を表し、変身や必殺技といった「能力系」、連続攻撃や投げ技のスキルといった「体術系」、仙豆などの補助アイテムである「補助系」の三種類に分かれる。スキルはホイポイカプセルの中に入っており、「ストーリーモード」や「スキル編集」モード内にある「スキルショップ」で購入することにより増える。使用可能な各キャラクターのカスタムトレーにスキルを装備することによりそのスキルが使用可能になり、究極技や能力が上昇する。

ゲーム内容

[編集]

本作のモードは大まかに「ストーリーモード」、「対戦」、「天下一武道会」、「練習」、「スキル編集」、「オプション」、「LEGEND of Mr.Satan」に分かれている。 「ストーリーモード」は 『ドラゴンボール』のストーリーをサイヤ人編からセル編までを追体験できる。2周目からは孫親子の視点だけでなく、ピッコロ、ベジータ、そしてフリーザ、セルのゲームオリジナルストーリーが楽しめる。 「対戦」ではコンピュータを相手とした一人用のモードや一対一の対人戦ほかに、コンピュータ同士で戦わせることもできる。 「天下一武道会」は優勝すると特殊スキルや優勝賞金が手に入るモードであり、難易度別に分かれている。 「LEGEND of Mr.Satan」は、ミスター・サタンを操作しサタン道を守りつつ、セルゲームの邪魔をするZ戦士とセルを撃破していくモードである。

登場キャラクター

[編集]

ストーリーモード専用キャラクター

[編集]
  • セルリン(声優:若本規夫)※クリリンを吸収したゲームオリジナル形態。セル編のゲームオリジナルストーリーにのみ使用可能で、他のモードでは使用できない。

以下はCPU専用キャラクターで、プレイヤーとしての使用はできない。

その他の登場キャラクター

[編集]

主題歌

[編集]
エンディングテーマは「CHA-LA HEAD-CHA-LA」のインストゥルメンタルバージョン。

関連商品

[編集]
攻略本
  • ドラゴンボールZ 限界突破の超戦士たち!!! - 集英社、2003年2月
関連CD

開発

[編集]

企画

[編集]

『ドラゴンボールZ』を題材としたPlayStation 2用ソフトの開発は、2000年頃から開始された[1]。開発を始めた時点において、原作漫画の連載は終了しており、同作を原作とするテレビアニメの放送もすでに終わっていた[1]。それでも、プロデューサーの内山大輔はバンダイ入社当時から『ドラゴンボール』を題材としたゲームの開発に携わってきたほか、開発に参加したPlayStation用ソフト『北斗の拳 世紀末救世主伝説』がヒットした実績があったことから、『北斗の拳』のように懐かしさで売れるのではないかという期待があった[1]。このとき開発チームは、面白いものを持っていけば喜んでもらえるだろうと考え、週刊少年ジャンプ編集部に許諾を得ないまま開発を進めていった[1]

ジャンプ編集部による不許可

[編集]

やがて、開発中の『ドラゴンボール』のゲームの噂がジャンプ編集部の耳に入り、内山と開発チームの一員である鵜之澤伸が呼び出された[3]。内山たちから提出された映像を見た編集者の鳥嶋和彦は、原作に対する研究がなされていないことに気づき、不許可を断言した[4]。鵜之澤は同作の開発に約3億円の費用がかかったことや、自身が『ONE PIECE』のゲームの開発実績があることをアピールしたものの、「偽物を出すことを許可して、原作のファンである子どもたちをがっかりさせたくない」という考えを持っていた鳥嶋は頑として譲らなかった[3]

鳥嶋は2019年のUnityのカンファレンス「UniteTokyo 2019」のセッションのなかで、当時のバンダイの姿勢について否定的な見解を示しており、編集部から許諾を得ていないということは原作者とのコミュニケーションが不十分であるという意味であり、それは海賊版に等しい行為と述べている[4]

作り直し

[編集]

鳥嶋は不許可の理由を具体的に説明していなかったため、開発チームは鳥嶋の意図を読み解くのに時間をかけ、格闘ゲームの開発実績があるディンプスを迎え入れるなど、開発体制にも大幅な変更が生じた[3]。また、キャラクターが似ていないという点については、3DCGモデルだけではなく、アニメーションの動作なども検証するなどの改善が施された[4]

販売

[編集]

作り直しが生じたことにより、2002年夏発売という当初の予定から延期せざるを得なくなり[4]、最終的には2003年2月13日に発売された。発売より少し前の2002年12月に完全版コミックスや『DRAGON BALL Z DVD BOX DRAGON BOX』などが発売され、本作は『ドラゴンボール』関連が盛り上がる中での発売となった。内山は「狙ったわけではなく全くの偶然だった」と『30th Anniversary ドラゴンボール超史集 -SUPER HISTORY BOOK-』の中で振り返っている[5]

反響

[編集]

売り上げ

[編集]

全世界での累計販売本数は2005年4月時点で334万本を記録[6]

参考文献

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e ITmedia 2019, p. 1.
  2. ^ a b Vジャンプ編集部編「DRAGON BALL スーパーデータ DRAGON BALL VIDEO GAME DATA」『30th ANNIVERSARY ドラゴンボール 超史集 -SUPER HISTORY BOOK-』集英社〈愛蔵版コミックス〉、平成28年(2016年)1月26日、ISBN 978-4-08-792505-0、216頁。
  3. ^ a b c ITmedia 2019, p. 2.
  4. ^ a b c d ITmedia 2019, p. 3.
  5. ^ Vジャンプ編集部編「VIDEOGAME SELECTION【03】『ドラゴンボールZ』シリーズ シリーズプロデューサー 内山大輔」『30th Anniversary ドラゴンボール超史集 -SUPER HISTORY BOOK-』186頁。
  6. ^ プレスリリース 株式会社バンダイ」バンダイ、2005年4月18日。

外部リンク

[編集]