モーゼルHSc

モーゼルHSc
モーゼルHSc .32口径(7.65mm)
概要
種類 軍用自動拳銃
製造国 ナチス・ドイツの旗 ドイツ国
設計・製造 モーゼル社
性能
口径 .32口径(7.65mm)
.38口径(9mm)
銃身長 86mm
使用弾薬 .32ACP弾(7.65mm×17)
.380ACP弾(9mm×17)
装弾数 8+1発(.32ACP弾)
7+1発(.380ACP弾)
作動方式 ダブルアクション
ストレートブローバック
全長 160mm
重量 596g
銃口初速 290m/s
有効射程 40m
テンプレートを表示

モーゼルHSc (Mauser HSc) は、1937年ドイツモーゼル社で開発された、自動拳銃である。

概要

[編集]

3種類の口径があり、小さい順に22口径 (5.6mm)、32口径 (7.65mm)、38口径 (9mm) となる。HSは"Hahn-Selbstspanner"の略(ドイツ語で「ダブルアクション」)で、cは3番目に開発された機種の意味。元になる試作品としてHSa、HSbが存在した。

警察用に開発されたワルサーPPPPKも含む)と比べるとHSc独特の直線を基準にしたデザインは、軍用拳銃の条件の一つである「製作が容易で、戦時下で需要が増した場合でも大量生産できる事」を計算にいれて設計されたと思われる。

沿革

[編集]

生産開始は第二次世界大戦中の1940年。ナチス・ドイツ軍の将校用(ゲシュタポも使用したと言う説もある)に生産されていたが、モーゼル社は戦後、銃器の製造を禁じられ残存パーツでフランスが短期間、製造した。モーゼル社自体、工場をはじめ生産設備の大半を戦災で失ったうえに連合国軍、特に旧ソ連の主張でモーゼル社は解散させられてしまい長期間製造は行われなかったが、1949年に旧モーゼル社の技術者と従業員が主として創立したヘッケラー&コッホ (H&K) 社の民間用小火器製造部門が1960年代に分離独立して、新生モーゼル社を設立し、1968年ルガーP08型拳銃(商品名 モーゼル・ニューパラベラムP-08)と、同時に再生産される様になり各国に輸出され、同じ口径のワルサーPPと共に、護身用として使用されている。モーゼル社製のHScは、1977年に「One of five thousand」と銘打った5000丁が最後のモデルで、以後の生産はイタリアのレナートガンバ社で行ない、モーゼル社が供給する体制で現在に至っている。

バリエーション

[編集]
  • レナートガンバ/モーゼルHSc80
    HScをベースに装弾数の増加等の改良型で、モーゼル社のライセンス生産を取り、レナートガンバ社がイタリア国内で生産したもの。アメリカ合衆国向けにはモーゼルHScスーパーの名称でインター・アームズ社が輸入し販売している。HScの名がついているが、デザインは少々、変えてある。

登場作品

[編集]

映画

[編集]
ネバーセイ・ネバーアゲイン
ボンドが使用
アヴァロン
主人公アッシュの拳銃。クライマックスではC96も使用する。
冒険者たち
最後の場面でトレンチコートの悪役が使用
『吼えろ脱獄囚』
佐藤允演じる大木竜介が使用。

漫画

[編集]
ワイルド7』 (望月三起也)
「コンクリートゲリラ」、「黄金の新幹線」編で使用。

小説

[編集]
鏖殺の凶鳥』(文庫名:『凶鳥〈フッケバイン〉 ヒトラー最終指令』)
ドイツ国防軍特殊降下猟兵中隊を率いるグロスマイスター大尉の私物として登場。
大藪春彦が著したアクション小説群
伊達邦彦愛銃ほか、初期作品に多く登場する。
野獣死すべし
凶銃ルガーP08
『戻り道はない』
『戦いの肖像』
『血の挑戦』
野獣都市
ウィンチェスターM70

ゲーム

[編集]
バイオハザード RE:2
ブルームHcの名称で、エイダ・ウォンの初期武装として登場。弾薬は9x19mmパラベラム弾を使用し、装弾数も9発となっている。

関連項目

[編集]