ヨビノリたくみ

予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」
YouTube Space Tokyoで行われたトークイベントに出演したヨビノリたくみ。
人物
生誕 1993年[1]
神奈川県[1]
国籍 日本の旗 日本
職業 YouTuber
公式サイト 公式ホームページ
YouTube
チャンネル
活動期間 2017年 -
ジャンル 教育
登録者数 115万人
総再生回数 3億8,236万回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2024年8月30日時点。
テンプレートを表示

ヨビノリたくみ1993年 - )は、日本YouTuberYouTubeチャンネル『予備校のノリで学ぶ「大学数学物理」』で、主に大学の数学や物理の解説動画を配信している[4][5]学位修士(学術)東京大学2017年)。

令和5年度の「科学技術分野の文部科学大臣表彰」科学技術賞(理解増進部門)を、動画編集などを担当するヨビノリやすとともに受賞している。受賞理由は「インターネット動画配信による革新的な科学の理解増進」。

略歴

[編集]

横浜国立大学理工学部数物・電子情報系学科(物理工学教育プログラム)卒業。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修士課程修了[6]東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻博士課程中退[7][8]

学部生時代の講義が難解であったことから学部生向けに分かりやすい授業を行えたら良いと考え、研究者としての生計に不安を覚えていたこともあり、2017年7月に理系大学生向けにYouTubeチャンネル『予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」』(略称:ヨビノリ)を創設した[9]

日本学術振興会特別研究員(DC1)となるも2018年3月に中退[10]。中退の理由は、現代日本における大学教員の姿が幸せそうなものに見えなかったことと、想像以上にYouTubeチャンネルの人気が出たのでYouTuberとしての活動に本腰を入れるため[9]2019年の新型コロナウイルス感染症が流行する中で、NHK高校講座N高等学校のオンライン授業と並んで教育系YouTuberの動画が多く視聴されているが、ヨビノリたくみはその例の一つに挙げられている[11]

2023年4月7日には、一般社団法人日本物理学会からの推薦を受け、科学技術への関心や理解の増進に寄与し、科学技術に関する知識の普及啓発等に寄与する活動を行った人物へ送られる「科学技術分野の文部科学大臣表彰」科学技術賞(理解増進部門)を、動画編集や企画、撮影を担当するヨビノリやすとともに受賞した[12]。受賞理由は「インターネット動画配信による革新的な科学の理解増進」[12]

YouTube上では書籍に関するエンタメ情報番組『ほんタメ』のMCも務めている[13]

人物

[編集]

黒板を使った本格的かつ分かりやすい授業に定評がある。板書するシーンは早送りする一方でカットはしないのがこだわりであるが、これは板書する姿に趣があると考える一方、手軽に見られることの重要性も考えた結果だという。準備に3 - 4時間、動画撮影は15分の内容なら2時間ほど。編集にも3 - 4時間はかけている[14]

自身の予備校講師の経験から、「大学教員は授業のプロではなく研究のプロであり、基礎的なものより専門分野についての方が面白く授業する」と指摘。「教養や基礎的な分野は授業のプロに任せて、教員らには自身しかできない専門的な授業に集中してほしい」と話した。また「大学で学ぶ専門的な学びに橋渡しするつもりで、基本的な知識を分かりやすく動画で伝えている」と説明。大学との連携も進めており、オープンキャンパスで実際に講義をしたり、動画を授業の参考としてシラバスに掲載する大学教員もいるという[15][14]。また、大学生向けの講座だけでなく高校講座も開設しており、「今週の積分」などの企画を展開している[16]

YouTube教育の普及にも力を注いでおり、文部科学省においての講演や他の教育系YouTuberとの交流にも積極的である[17][18]。物理学の研究会への出席などもしている[19]

大喜利好きで、「大喜る人たち」にたびたび出演している[20]

出演

[編集]

テレビ番組

[編集]

ラジオ番組

[編集]

ウェブテレビ

[編集]

映画

[編集]

著書

[編集]

『予備校のノリで学ぶ大学数学』は中央大学理工学部教授田口善弘により高く評価されている。田口は、学生が躓きやすいテーマを掲載していて、ワンポイント双書を短く纏めたような参考書として扱うのが良いだろうという旨の書評を発表している[28]

  • 『難しい数式はまったくわかりませんが、微分積分を教えてください!』SBクリエイティブ、2019年5月。ISBN 9784815601744 
  • 『予備校のノリで学ぶ大学数学 ツマるポイントを徹底解説』東京図書、2019年6月。ISBN 9784489023163 
  • 『難しい数式はまったくわかりませんが、相対性理論を教えてください!』SBクリエイティブ、2020年1月。ISBN 9784815604172 
  • 『予備校のノリで学ぶ線形代数 ツマるポイントを徹底解説 単位も安心速習テスト対策5講義付き!』東京図書、2020年5月。ISBN 9784489023385 
  • 『難しい数式はまったくわかりませんが、確率・統計を教えてください!』SBクリエイティブ、2021年1月。ISBN 9784815607999 
  • 『難しい数式はまったくわかりませんが、量子力学を教えてください!』SBクリエイティブ、2021年6月。ISBN 9784815610074 

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b 高浜行人「(進路わたし流)仕事は全部、「好き」が始まり ユーチューバー・ヨビノリたくみさん」『朝日新聞デジタル』朝日新聞社、2021年8月2日。2023年6月19日閲覧。
  2. ^ Yobinoriのツイート(1081855165588594689)2019年12月25日閲覧。
  3. ^ Yasu_Yobinoriのツイート(1081858044424740865)
  4. ^ 予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」Official Website”. yobinori.jp. 2019年3月21日閲覧。
  5. ^ wpadmin_u (2019年11月5日). “教育系YouTuber 葉一氏とヨビノリたくみ氏が対談 | 教育新聞”. 2020年12月22日閲覧。
  6. ^ 平成28年修士論文│東京大学 大学院総合文化研究科 広域科学専攻 相関基礎科学系”. 2021年3月15日閲覧。
  7. ^ Takahiro Sagawa Web Site”. 2021年3月16日閲覧。
  8. ^ 難解な物理・数学を解説。博士課程からYouTuberへの転身を聞く|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社”. ニュースイッチ Newswitch. 2022年8月21日閲覧。
  9. ^ a b 75万人登録のユーチューバー 物理研究から転身のわけ」『朝日新聞』2021年7月30日。2021年9月19日閲覧。
  10. ^ 沙川研究室 ‐東京大学大学院 工学系研究科”. 2021年3月15日閲覧。
  11. ^ 三橋浩志「文部科学省による各種通知と地理教育の関係について」『新地理』第68巻第2号、2020年、7-12頁、doi:10.5996/newgeo.68.2_7 オープンアクセス
  12. ^ a b 小林優介「YouTuberヨビノリたくみが文科省「科学技術賞」に 数学・物理の解説動画を評価」『KAI-YOU』カイユウ、2023年4月7日。2023年6月19日閲覧。
  13. ^ YouTube番組発の文学賞「ほんタメ文学賞」、千早茜『ひきなみ』が第1回大賞を受賞し話題!番組にて特別インタビューの配信決定!!”. KADOKAWA (2021年8月28日). 2022年1月2日閲覧。
  14. ^ a b 山田井ユウキ (2019年11月19日). “なぜYouTubeで授業なのか? 教育系YouTubeクリエイターが語るオンライン学習の可能性|ソリューション|IT製品の事例・解説記事”. TECH+. マイナビ. 2019年12月25日閲覧。
  15. ^ 教育系YouTuber 葉一氏とヨビノリたくみ氏が対談”. 教育新聞. 2019年12月25日閲覧。
  16. ^ 今週の積分|予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」”. yobinori.jp. 2020年12月22日閲覧。
  17. ^ 文科省で講演してきました【YouTubeによる教育と研究の橋渡し】 - YouTube”. www.youtube.com. 2020年12月22日閲覧。
  18. ^ About|予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」”. yobinori.jp. 2020年12月22日閲覧。
  19. ^ 丸山玄徳「第63回物性若手夏の学校」『日本物理学会誌』第74巻第4号、2019年、239-240頁、doi:10.11316/butsuri.74.4_239 閲覧は自由
  20. ^ 大喜る人たちシーズン11(30日毎日配信)について|大喜る人たち【大喜利動画】”. note(ノート) (2020年9月22日). 2023年8月21日閲覧。
  21. ^ @Yobinori (2019年8月19日). "NHK #ジューダイ の放送、授業の収録で家を出ていてまだ見れてないので、リアルタイムで見れた人、感想を"100倍盛って"教えてください". X(旧Twitter)より2021年2月21日閲覧
  22. ^ 番組表検索結果詳細”. NHK. 2021年2月21日閲覧。
  23. ^ 番組表検索結果詳細”. NHK. 2021年2月21日閲覧。
  24. ^ 11/30(火) NHK Eテレ「沼にハマってきいてみた」「数学沼」秀光コース生徒出演のお知らせ”. 仙台育英学園 (2021年11月29日). 2024年7月1日閲覧。
  25. ^ NHK番組「3か月でマスターする数学」が放送されます!”. 数学体験館. 東京理科大学 (2024年6月20日). 2024年7月1日閲覧。
  26. ^ ドラゴン堀江 | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】”. AbemaTV. 2019年3月21日閲覧。
  27. ^ karadasagashi_mの2022年10月10日のツイート2022年10月19日閲覧。
  28. ^ 田口善弘「『予備校のノリで学ぶ大学数学』」『大学の物理教育』第25巻第2号、2019年、103-104頁、doi:10.11316/peu.25.2_103 閲覧は自由

外部リンク

[編集]