上間陽子
人物情報 | |
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生誕 | 1972年(51 - 52歳) 日本 沖縄県コザ市 |
出身校 | 東京都立大学 |
学問 | |
研究分野 | 教育学 |
研究機関 | 琉球大学 |
学位 | 修士 |
主要な作品 | 『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』 『海をあげる』 |
上間 陽子(うえま ようこ、1972年 - )は、日本の教育学者である[1]。琉球大学教育学研究科教授[2]。
経歴
[編集]1972年[3]、沖縄県コザ市に生まれる[4]。東京都立大学博士課程退学[5]。
1990年代から2014年までは東京都、その後は沖縄県において、未成年少女たちの支援と調査に携わる[6]。風俗調査、沖縄階層調査、若年出産女性調査などを実施している[7]。
2017年に著書『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』[8]、2020年にエッセイ集『海をあげる』が刊行された[9]。2021年、第14回わたくし、つまりNobody賞を受賞した[10]。
2021年、若年女性の妊娠と出産を支援するシェルター施設「おにわ」を沖縄県に開設した[11]。上間は、同じく琉球大学教授の本村真と共同で代表を務めるほか、現場管理を担当している[12]。
影響
[編集]歌手の星野源は、楽曲「不思議」を制作する際に上間の著書『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』と『海をあげる』を読んで深く影響されたという[13]。2021年放送のラジオ番組『星野源のオールナイトニッポン』の中で、星野は「『不思議』の歌詞には出てきてないんですけど、『裸足で逃げる』の中で出てくる方々の耳にどうやって染み込んでいくのかな。なんかそこを(考えた)」と語っている[13]。
著書
[編集]単著
[編集]共編著
[編集]- 『沖縄子どもの貧困白書』(かもがわ出版、2017年、小田切忠人・加藤彰彦・金城隆一・鎌田佐多子と共編著)
- 『誰も置き去りにしない社会へ 貧困・格差の現場から』(新日本出版社、2018年、平松知子・鳫咲子・岩重佳治・小野川文子・吉田千亜・飯島裕子・山野良一・荻野悦子・中嶋哲彦と共著)
- 『地元を生きる 沖縄的共同性の社会学』(ナカニシヤ出版、2020年、上原健太郎・打越正行・岸政彦と共著)
- 『言葉を失ったあとで』(筑摩書房、2021年、信田さよ子と共著)
- 『「いろんな人がいる」が当たり前の教室に』(解説、高文研、2021年、原田真知子著)
- 『復帰50年 沖縄子ども白書 2022』(かもがわ出版、2022年、川武啓介・北上田源・島村聡・二宮千賀子・山野良一・横江崇と共編著)
- 『別冊NHK100分de名著 フェミニズム』(NHK出版、2023年、上野千鶴子・加藤陽子・鴻巣友季子と共著)
受賞
[編集]- 2018年 - 第8回紀伊國屋じんぶん大賞 第4位(『裸足で逃げる 沖縄の夜の街の少女たち』)[14]
- 2021年 - 第14回わたくし、つまりNobody賞[15]
- 2021年 - 第7回沖縄書店大賞 沖縄部門 大賞(『海をあげる』)[16]
- 2021年 - 第18回本屋大賞 ノンフィクション部門(『海をあげる』)[17]
脚注
[編集]- ^ “頑張りきれない場所もある――暴力にさらされる沖縄の女性たち『裸足で逃げる』著者・上間陽子さんインタビュー (1/3)”. wezzy (2017年3月4日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “<己の道> 琉球大教授、教育学者 上間陽子さん(48)”. 中日新聞 (2021年1月15日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “わが大学の先生と語る 「人を感じ、人と寄り添うインタビュー」琉球大学 上間 陽子先生”. 全国大学生活協同組合連合会 (2017年). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “教育学者・上間陽子さんも絶賛。 ドラマ『フェンス』が示す真の沖縄の姿とは。”. HANAKO (2023年3月28日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “上間 陽子”. ナカニシヤ出版. 2023年7月31日閲覧。
- ^ “【第1回】上間陽子さんと共に考える~困難を抱える子どもたちと寄り添い合うには~(こども支援ナビ Meetup vol.14)”. こども支援ナビ (2023年). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “【第2回】上間陽子さんと共に考える~困難を抱える子どもたちと寄り添い合うには~(こども支援ナビ Meetup vol.14)”. こども支援ナビ (2023年). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “上間陽子「裸足で逃げる―沖縄の夜の街の少女たち」 受け止め、聞くということ”. 好書好日 (2018年6月1日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “「海をあげる」書評 かすかな言葉に耳を傾け、抗う”. 好書好日 (2021年1月16日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “上間陽子さんに「わたくし、つまりNobody賞」 沖縄が抱える暴力、貧困、基地…沈黙の声を聞く”. じんぶん堂 (2021年5月19日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “10代の妊娠出産を守る シェルター「おにわ」開所”. 朝日新聞 (2021年10月6日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “若年出産シングルマザーの保護施設を沖縄に開所 上間陽子氏、本村真氏が共同代表”. 琉球新報 (2021年9月30日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ a b “星野源の「不思議」 込められた沖縄の「少女たち」への思い”. 琉球新報 (2021年9月23日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “「紀伊國屋じんぶん大賞2018 読者と選ぶ人文書ベスト30」を発表”. 紀伊國屋書店 (2017年12月26日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “上間陽子”. わたくし、つまりNobody賞 (2021年). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “沖縄書店大賞決まる 上間陽子さん「海をあげる」など3作品 準大賞は空えぐみさん”. 琉球新報 (2021年4月27日). 2023年7月31日閲覧。
- ^ “ノンフィクション本大賞に上間陽子さん「海をあげる」 少女や基地…沖縄の「小さな声」つづる”. 琉球新報 (2021年11月10日). 2023年7月31日閲覧。