中村一義

中村 一義
生誕 (1975-02-18) 1975年2月18日(49歳)
出身地 日本の旗 日本 東京都
ジャンル J-POP
ロック
職業 ミュージシャン
シンガーソングライター
担当楽器 ボーカル
ギター
ベース
ドラムス
活動期間 1997年 -
レーベル マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
(1997年 - 1999年)
HIFUMI Records
(2000年)
東芝EMI
(2000年 - 2003年)
FIVE D plus
(2011年 - 2012年)
KIKA:GAKU
(2013年 - 2015年)
ビクターエンタテインメント
(2016年 - )
共同作業者 100s
公式サイト 公式サイト

中村 一義(なかむら かずよし、1975年2月18日 - )は、日本ミュージシャン東京都江戸川区出身。血液型はA型。

来歴

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幼い頃から家庭内不和があり、両親との離縁を経て父方の祖父母の家へと移住する。この父方の祖父は満州の生まれであり、後に100sとしてアルバム『ALL!!!!!!』をリリースした際の各種インタビューでも語ったように、中村自身1/4中国の血を継いでいるクォーターである。当初はゴッホシャガールに影響を受け絵画に興じていたが、安田学園高校在学中の頃から、その表現方法を音楽へと転換する。最初に聞き始めたのは、イギリスのクリエイション・ブーム期の音楽で、当時はその影響から友人らとバンドを組み、英歌詞の曲を作っていたが、本人曰く「鳴かず飛ばず」だった。

高校卒業と時を同じくして、日本語の詩による音楽作りをはじめる。この際、より本格的な音楽活動へと打ち込むべく、大学進学用の支度金を使って楽器を購入し、当時住んでいた祖父母の家の自室をスタジオ代わりとし、デモテープなどを録音している。資金を借りた祖母には「2年だけ」時間が欲しいと伝え、「それでダメだったら死ぬ」覚悟であったという(結果的には約束の2年ギリギリでデビューに行き着いた)[1]

1995年ファイブ・ディーに所属が決定。1997年にシングル『犬と猫』で、マーキュリー・ミュージックエンタテインメントからデビューを果たす。デビュー同年には1stアルバム『金字塔』を発表。当時22歳という若さにして、セルフプロデュースによって作られたこの作品は、意味深かつ独特の日本語詞と卓越したポップセンスにより、音楽雑誌を中心に、業界において高い評価を受ける。渋谷陽一はシングルカバーに「10年に一人の天才」と書き、いとうせいこうは自身のホームページで「桑田佳祐を継ぐ日本語詞の使い手」と評した。なお、デビューと同時期に結婚をしている。

中村自身は『金字塔』は今までの人生の全てを出し切った作品であり、このアルバムをリリースしてアーティスト活動も終えるつもりであった。しかし、「大人の事情」で2枚目を出すことになったため、制作は苦心したようである。また、この頃は自身の音楽へのこだわりや方向性の強さから、ライブは一切行っていなかった[1]

1998年、2ndアルバム『太陽』をリリース。1999年に発表したシングル『ジュビリー』を最後に、マーキュリーとのレーベル契約を終了する。2000年にインディーズレーベルからシングル『ハレルヤ』をリリースした後、東芝EMIからシングル『1,2,3』と、3rdアルバム『ERA』を発表する。同年夏にはフェスへ出演し、自身初となる公式アナウンスによるライブを披露する(以前にシークレットゲストとしての演奏はあった。詳しくは後述)。

2001年に出演した「ROCK IN JAPAN FES.2001」にて構成したバンドメンバーと意気投合し、同じメンバーにて2002年に4thアルバム『100s』をリリース。同年には同メンバーと共に、自身初となるライブツアーを行い、12月には大阪城ホール日本武道館などで追加公演が開催された(後述)。また、この年にはスピッツのトリビュートアルバム『一期一会 Sweets for my SPITZ』に『冷たい頬』で参加している。2003年に行われた「ROCK IN JAPAN FES.2003」には、2001年と同じバンドメンバーを率いて「中村一義 (100s)」名義で参加。2004年には完全に「100s」という名義となり、ソロ活動から本格的にバンド活動へと移行。2009年までに3枚のアルバムを発表した。

2010年5月、コンセプトサイト「KIKA:GAKU(キカガク)」をオープンした。創作活動の基盤として長きにわたって構想を練られたこのサイトは、創作の源となる要素や出会う人・モノから様々なテーマをひも解いていく場として立ち上げられた[2]

2012年、ソロ活動を再開。約10年ぶりのソロアルバム『対音楽』をリリースした。また同年は中村のデビュー15周年であり、それを記念したツアー「楽演2012」を開催した。ツアー最終日である武道館公演は「博愛博2012」と題し100sやくるりサニーデイサービスBase Ball Bearと共演した。

2013年7月、町田昌弘と2人で周るトーク&弾き語りライヴツアー「まちなかオンリー!」を開催[3]。以後シリーズ化している。またこの年のフェス共演がきっかけとなり、町田や活動を再開したHermann H.&The Pacemakersのメンバーらと各地のイベントなどに「中村一義 with Hermann H.&The Pacemakers」名義で出演[4]

2014年、「中村一義 with Hermann H.&The Pacemakers」名義で出演したメンバーと2002年以来12年振りとなるソロ名義によるバンド編成ツアー『RockでなしRock'n roll』および中村の出身地である東京都江戸川区での公演「エドガワQ」を開催[4][5]。バンドメンバーは中村一義(Vo)、町田昌弘(Gt)、岡本洋平(Gt,Cho/ Hermann H.&The Pacemakers)、平床政治(Gt/ Hermann H.&The Pacemakers)、TOMOTOMO club(Ba/ THE BEACHESTHE JERRY LEE PHANTOM)、マシータ(Dr)、ヨースケ@HOME(MC, Cho)[6]。またこのバンドを「海賊」と名付け、翌年以降のツアーや2016年発表のアルバム『海賊盤』のレコーディングを共に行っている[6]

2017年、デビュー20周年を記念し、ライヴ・アレンジで再録した楽曲を収めた『最高築』を発表した。

楽曲

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句読点やダブルミーニングなどのことば遊びを多用した詞と裏声による歌唱法を特徴としている。

その詞世界については、彼と同居していた祖父から毎日のように語られた哲学や思想が色濃く反映されていることが公言されており、祖父の言葉をまとめた書籍『中村語録』が発行されているほか、祖父の逝去時には、中村本人の文章により、100s公式ホームページにその訃報が公表された。

100sのバンドメンバーとの出会いまでは、一部のゲストミュージシャンを除いて、ほぼ全ての楽器を自分で演奏していた。自室[7]を中心にレコーディングを行うことから、当時、日本における宅録アーティストのはしりとして祭り上げられる機会も多かった。

ライブ活動

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デビューから数年の間、一度もライブ活動を行っていなかったという。ミュージシャンとしては非常に稀有な経歴を持っていたが、

1999年4月28日に名古屋ボトムラインで行われた「CLUB SNOOZER SPECIAL」のシークレットゲストとして初のライブを行う。このイベントの東京公演(5/1赤坂ブリッツ)の一部が、VHS/DVD『90's FILMS』に収録されている。

『ERA』発表目前の2000年8月13日に、ひたち海浜公園で開催された「ROCK IN JAPAN FES.2000」における最終日のトリでの出演が告知されたが、当日の天候不良によりイベント自体が途中終了となった。同年9月3日に日比谷野外音楽堂で行われた「Sweet Love Shower 2000」での演奏が、結果的に自身初の公式アナウンスによるライブとなった。

なお、翌年の2001年8月5日に行われた「ROCK IN JAPAN FES.2001」でも最終日のトリを務めており、前述の通り、このライブをきっかけにバンドメンバーでの活動を開始した。

2002年5 - 6月には自身初となる全国ツアー「博愛博」にて4都市12公演を行うほか、同年11 - 12月には「博愛博+」と題して、さらに7都市7公演を行っている。

バンド名義での活動後は、アルバムの発表に併せて全国ツアーが行われるなど、ライブ活動は増加している。

主なライブ

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ディスコグラフィー

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シングル

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  発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
1st 1997年1月22日 犬と猫/ここにいる PHCL-12010 オリコン最高79位、登場回数4回
2nd 1997年3月26日 街の灯 PHCL-12012 オリコン最高61位
3rd 1997年3月26日 天才とは PHCL-12013 オリコン最高63位
4th 1997年5月7日 永遠なるもの PHCL-12014 オリコン最高51位
5th 1997年11月27日 主題歌/金字塔 PHCL-11001 オリコン最高43位
6th 1998年5月8日 魂の本/あえてこそ PHCL-11005 オリコン最高40位
7th 1998年8月4日 そこへゆけ/歌 PHCL-11006 オリコン最高39位
8th 1998年10月14日 笑顔 PHCL-11007 オリコン最高35位
9th 1999年9月22日 ジュビリー/威風堂々 PHCL-12016 オリコン最高24位、登場回数3回
10th 2000年4月25日 ハレルヤ/恋は桃色 HFM-1002 オリコン最高48位
11th 2000年7月19日 1,2,3 TOCT-22088 オリコン最高30位
12th 2000年11月8日 君ノ声 TOCT-4256 オリコン最高58位
13th 2002年1月23日 キャノンボール TOCT-4353 オリコン最高18位、登場回数4回
14th 2002年4月11日 セブンスター TOCT-4374 オリコン最高13位、登場回数3回
15th 2002年7月31日 新世界 TOCT-4393 オリコン最高16位、登場回数3回
16th 2012年2月15日 運命/ウソを暴け! VFCV-00091 オリコン最高40位、登場回数3回
17th 2016年8月10日 世界は変わる 配信限定
18th 2018年10月17日 叶しみの道 (Acoustic Demo [RX-78 Prototype]) 配信限定
19th 2024年3月20日 春になれば 配信限定

オリジナルアルバム

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  発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
1st 1997年6月18日
1998年12月9日(12インチアナログ盤)
金字塔 PHCL-5055 オリコン最高10位、登場回数5回
16曲目にシークレットトラック「おまけ」を収録。
2nd 1998年11月18日 太陽 PHCL-5120 オリコン最高16位、登場回数3回
3rd 2000年9月6日 ERA TOCT-24401 オリコン最高9位、登場回数5回
4th 2002年9月19日 100s TOCT-24841 オリコン最高12位、登場回数4回
5th 2012年7月11日 対音楽 VFCV-00096/B【CD+DVD】
VFCV-00097【CDのみ】
オリコン最高19位、登場回数5回
6th 2016年3月2日 海賊盤 VIZL-927【初回限定盤】
VICL-64514【通常版】
オリコン最高23位、登場回数3回
ボーナストラックに「魔法をかけてやる!!」を収録。
7th 2020年2月5日 VIZL-1698【初回限定盤】
VICL-64307【通常版】

ベストアルバム

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  発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
1st 2000年3月29日 90's PHCL-5146 オリコン最高76位
2nd 2003年3月26日 15 Singles+1 1997-2002 TOCT4600〜4615 ※初回生産限定品
オリコン最高198位
3rd 2011年4月13日 最高宝 VFCV-00085〜6/B【2CD+DVD】
VFCV-00087〜8【2CD】
オリコン最高44位
4th 2017年5月13日 最高築 VIZL-1163【CD+BOOK+GOODS】
VICL-64788【CDのみ】
オリコン最高49位

BOXセット

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  発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
1st 2011年4月13日 魂の箱 VFCV-00075〜84/B オリコン最高93位

リミックスアルバム

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  発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
1st 2012年3月28日 6 REMIX'N BIRDS VFCV-00093 オリコン最高134位

参加作品

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発売日 タイトル 規格品番 備考
2001年01月01日 NOW J-POP 2001 TOCT-24527 『1、2、3』で参加
2002年01月23日 Tuesday Song UMCK-1089 326プロデュースのコンピレーション・アルバムに『永遠なるもの』で参加
2002年10月17日 一期一会 Sweets for my SPITZ MUCT-1003 スピッツのトリビュートアルバムに『冷たい頬』で参加
2003年11月26日 LOVE51〜アイニコイ UICZ-4087 『笑顔』で参加
2004年02月25日 DISCOVER THE SONGS 1+1 TOCT-25324 カバー曲を集めたコンピレーション・アルバムに『恋は桃色』(細野晴臣)で参加
2004年04月21日 J-Standard 003「元気」 BVC3-37008 コンピレーション・アルバムに『キャノンボール』で参加
2004年12月08日 802 HEAVY ROTATIONS J-HITS COMPLETE 96-99 TOCT-25520 FM802によるコンピレーション・アルバムに『犬と猫』で参加
2004年12月08日 802 HEAVY ROTATIONS 〜J-HITS COMPLETE '99-'01 VICL-61540 FM802によるコンピレーション・アルバムに『ジュビリー』で参加
2008年09月10日 DRIVIN' J-POP MEMORIES UICZ-8046 『犬と猫』で参加
2010年04月21日 ソラニン songbook KSCL-1576 『セブンスター』で参加

映像作品

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  発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
1st 1998年12月9日 金字塔 PHVL-3812 VHS
2nd 2001年7月25日 ERARE TOBF-5088【DVD】
TOVF-1369【VHS】
3rd 2002年1月30日 90's FILMS UMBK-1519【DVD】
UMVK-1519【VHS】
4th 2002年8月28日 博愛博〜haku-ai-haku〜 EAST DNV-001 オンライン通販限定品
5th 2002年8月28日 博愛博~haku-ai-haku~ WEST DNV-002 オンライン通販限定品
6th 2003年3月19日 021217 TOBF-5203 〜 5204 オリコン最高72位
7th 2013年6月18日 20121221 -博愛博 2012- KKGK-1027 〜 1028 タワーレコードのみでの限定販売
8th 2015年2月18日 エドガワQ KIKA:GAKU限定販売
9th 2016年3月2日 金字塔完成記念日~エドガワQ 2015~ VIBL-793 Live at 江戸川区総合文化センター on November 28, 2015

書籍

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  • 「魂の本 〜中村全録〜」太田出版、2011年3月23日)

ミュージックビデオ

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監督 曲名
掛川康典生西康典 君ノ声
佐内正史 笑顔」「愛にしたわ。
高木聡 スカイライン」「世界は変わる
谷篤 運命
中村一義 愛すべき天使たちへ (Acoustic Ver.)
中村友彦 キャノンボール」「セブンスター」「永遠なるもの」「街の灯」「金字塔」「犬と猫」「主題歌」「新世界
山口保幸 1,2,3
山村浩二 ジュビリー
青木亮二 キャノンボール(最高築ver.)
不明 そこへゆけ」「ショートホープ」「魂の本」「生きている」「天才とは

タイアップ

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曲名 タイアップ
犬と猫 NHK-FMミュージック・スクエア』1996年12月期 - 97年1月期オープニング曲
ハレルヤ 日産自動車「2.9%低金利クレジット・キャンペーン」CMソング
君ノ声
キャノンボール 日産自動車「低金利キャンペーン」CMソング
世界は変わる 日本テレビ系テレビアニメ『エンドライド』エンディングテーマ [8]

脚注

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  1. ^ a b デビューしていきなり打ち立てた「金字塔」 中村一義(前編)”. &W (2017年6月23日). 2020年9月2日閲覧。
  2. ^ 中村一義がコンセプトサイトKIKA:GAKUをオープン”. BARKS (2010年5月28日). 2019年6月15日閲覧。
  3. ^ 中村一義のトーク&弾き語りツアー『まちなかオンリー!』、全国8都市で開催”. CINRA.NET (2013年6月10日). 2019年6月15日閲覧。
  4. ^ a b 中村一義、全国ツアータイトル&バンドメンバー決定 11月には故郷江戸川区にて記念ライブも”. Real Sound (2014年7月24日). 2019年6月15日閲覧。
  5. ^ 中村一義、2002年以来のソロ名義バンドツアー9月に開催”. 音楽ナタリー. 株式会社ナターシャ (2014年5月16日). 2019年6月15日閲覧。
  6. ^ a b 中村一義の新バンド「海賊」による東名阪ツアー、特設サイト開設”. CINRA.NET (2015年8月26日). 2019年6月15日閲覧。
  7. ^ 通称“状況が裂いた部屋”として、クレジットにも記載される。
  8. ^ “中村一義、初のアニメタイアップ!「エンドライド」のEDを担当”. 音楽ナタリー. (2016年6月17日). https://natalie.mu/music/news/191188 2016年6月17日閲覧。 

外部リンク

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