保津川川下り船転覆死亡事故
日付 | 2023年(令和5年)3月28日 |
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時間 | 10時55分頃(JST) |
場所 | 京都府亀岡市内の保津川 |
原因 | 操船ミスによる転覆 |
生存者 | 27 |
死者 | 2 |
負傷者 | 9 |
保津川川下り船転覆死亡事故(ほづがわかわくだりせんてんぷくしぼうじこ)は、2023年3月28日、 京都府亀岡市の保津川において川下り船が転覆し、船頭2名が死亡した水難事故である。
概要
[編集]事故に遭った川下り船は、10時40分頃に船頭4人と乗客25人(うち子供3人)を乗せて乗船場を出発した[1]。そのおよそ15分後の10時55分頃に、4キロメートルほど下った大高瀬付近で舵取り役の船頭が水を掻こうとしたところ、空振りし川に落ちた。他3人の船頭が舵を取ろうとしたがコースから外れ岩に衝突。船は転覆し乗っていた全員が川に投げ出された[2]。
乗客乗員全員がベルト型の救命具を着けており、乗客は自力で岸に上がるなどして全員無事だったが、船頭のうち2名が死亡した[1][3][4]。乗客の中には波に流されているところを船頭に助けられたと証言する者がおり、死亡した船頭らは救助活動を優先して犠牲になったとみられる[5]。なお乗客のうち9人は、低体温症や打撲などの軽症で救急搬送された[2]。
事故を受け川下り船を運行していた保津川遊船企業組合は、当面の間の川下りの運行を取りやめたほか[6]、運輸安全委員会が事故調査官2人の派遣を行った[3]。
保津川下りでは度々事故が発生しており、2001年9月には岩に激突したことで転覆し、5名が流されけが人が出ており、2006年には船に落石があったことで乗客が重傷を負う事故が発生し[7]、2015年8月にも船頭が落水し死亡する事故を起こしている[8]。2023年7月17日、国土交通省の職員立ち合いによる検査が行われ、事故への安全対策が採られたとして運行を再開した[9]。
脚注
[編集]- ^ a b “乗員乗客全員がベルト型救命具を着用 京都・保津川下り船転覆”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2023年3月28日). 2023年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月28日閲覧。
- ^ a b “京都「保津川下り」の舟が転覆 船頭1人死亡 別の船頭1人不明 | NHK”. NHKニュース. 日本放送協会. 2023年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月28日閲覧。
- ^ a b “京都・保津川下り、急流の難所でベテラン船頭が舵空振り…転落し船は数百m先の岩にぶつかり転覆”. 読売新聞オンライン. 読売新聞社 (2023年3月28日). 2023年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月28日閲覧。
- ^ 「行方不明の船頭の遺体を発見 「保津川下り」事故、死者計2人に」『朝日新聞デジタル』2023年3月30日。2023年3月30日閲覧。
- ^ 「亡くなった船頭が木箱を渡してくれ、長女は助かった 京都・保津川下り転覆2カ月「手動救命具は無理」」『京都新聞』2023年5月28日。2023年8月20日閲覧。
- ^ “京都・保津川下り転覆、船頭困惑「みんなベテランなのになぜ」 泣いている乗客も|社会|地域のニュース|京都新聞”. 京都新聞 (2023年3月28日). 2023年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月28日閲覧。
- ^ “「ぶつけて止めろ」大声の後、小4男児「船がひっくり返り川に落ちた」…保津川下り転覆”. 読売新聞. (2023年3月29日)
- ^ “京都・保津川下り転覆事故はなぜ起きたか 遊船組合代表が謝罪、主因は「船頭の空舵」”. 京都新聞. (2023年3月29日)
- ^ “京都「保津川下り」17日に再開へ 増水による延期経て”. 産経新聞. (2023年7月16日)
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 事故概要 - 運輸安全委員会(JTSB)
- 川下り船等の安全性に関する調査研究報告書(PDF) - 日本小型船舶検査機構(JCI)
- 事故再発防止対策について(PDF) - 保津川遊船企業組合