十勝オホーツク自動車道
高速自動車国道 (無料〈新直轄方式〉) | |
---|---|
E61 十勝オホーツク自動車道 | |
路線延長 | 89.3 km |
開通年 | 2013年(平成25年) - |
起点 | 足寄IC |
主な 経由都市 | 足寄町、陸別町、訓子府町、北見市 |
終点 | 北見東IC |
接続する 主な道路 (記法) | 記事参照 |
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十勝オホーツク自動車道(とかちオホーツクじどうしゃどう、英語: TOKACHI-OKHOTSK EXPWY[1])は、北海道足寄郡足寄町の足寄インターチェンジ (IC) から北見市の北見東ICに至る高速道路である[2]。略称は十勝オホーツク道(とかちオホーツクどう)[3]。
将来的には、隣接する道東自動車道(本別JCT - 足寄IC間)や端野高野道路(北見市 - 美幌町間)、美幌バイパス(美幌町 - 大空町間)と一体的に運用される見込で、これにより文字通り十勝圏とオホーツク圏とを連絡する広域ネットワークが形成される予定である。
高速道路ナンバリングによる路線番号は、「E61」が割り振られている[4]。
概要
[編集]国土開発幹線自動車道の路線名は北海道横断自動車道網走線、高速自動車国道の路線名は北海道横断自動車道黒松内北見線である。全長89.3キロメートル (km) のうち足寄IC - 北見西ICが高速自動車国道の新直轄方式で、北見西ICから北見東IC間の10.3 kmについては、北海道横断自動車道に並行する一般国道自動車専用道路(A'路線)の北見道路として共に国土交通省北海道開発局により整備・管理されており、開通済みの区間は無料で通行できる。
1966年(昭和41年)7月には国土開発幹線自動車道建設法により、小樽市から北見市までが北海道横断自動車道北見線の予定路線とされた。しかしながら、戦後3位の長期政権となった小泉政権の進める"聖域なき構造改革"の大号令の下で2000年頃をピークに全国的に公共事業費が削減の一途を辿ると、北海道横断自動車道網走線も例外ではなかった。 2006年(平成18年)2月7日に国土開発幹線自動車道建設会議では、陸別町の救急患者の約4割が北見市内の医療機関に搬送されている実情を考慮し[5]山間部を避けて大きく迂回している国道242号の代替路として陸別町小利別 - 北見間を緊急に整備すべき区間としたものの、残る足寄 - 陸別町小利別間(約51 km)については当面着工しない抜本的見直し区間とされ、この区間は暗礁に乗り上げる事となった[註 1]。
事業が継続された陸別町小利別 - 北見間のうち訓子府IC - 北見西IC間(約12 km)については2015年(平成27年)11月に供用。陸別町小利別 - 訓子府IC間(約16 km)も翌2016年度内の供用見込としていたが、2014年末から2015年春にかけての大雪の影響により工事が遅延した関係で北海道開発局は開通時期の延期も示唆し[5]、2017年(平成29年)10月9日に開通した[6]。
一方、抜本的見直し区間とされた足寄 - 陸別町小利別間については2014年(平成26年)8月8日に整備計画の変更により、うち陸別町陸別 - 陸別町小利別間(約20 km)の建設凍結が解除され当面着工しない区間は足寄町 - 陸別町陸別間(約31 km)に縮小された[7]。足寄町 - 陸別町陸別間についても北海道開発局では、インバウンド特需によりレンタカーで道内全域を周遊する外国人観光客が増加している状況を踏まえ、「整備の重要性は高まっている」として早期の事業再開を目指す方針を示している[5]。これに対し沿線自治体や経済団体は引き続き同区間の整備を要望するものの、北見市側から女満別空港へのアクセスを重視した北見道路と美幌バイパスとを結ぶ端野町川向 - 美幌町高野間の整備がより現実的として、こちらを優先的に国に働き掛けていたが[5]、この区間は2019年度に端野高野道路として事業化された[8]。
また、当面着工しない区間として残っていた足寄町 - 陸別町陸別(約31 km)についても2021年(令和3年)7月30日に事業再開が決定された[9]。
路線データ
[編集]足寄IC - 北見市
[編集]- 起点:北海道中川郡本別町西仙美里(足寄IC)[10]
- 終点:北海道北見市北上(北見西IC)[10]
- 延長:79.0 km[10]
- 規格:第1種第2級[10]
- 設計速度:100 km/h[10]
- 道路幅員:12.0 m[10]
- 車線幅員:3.5 m[10]
- 車線数:暫定2車線[10]
北見道路
[編集]- 起点:北海道北見市北上(北見西IC)[11]
- 終点:北海道北見市端野川向(北見東IC)[11]
- 延長:10.3 km[11]
- 規格:第1種第3級[11]
- 設計速度:80 km/h[11]
- 道路幅員:12.0 m[11]
- 車線幅員:3.5 m[11]
- 車線数:暫定2車線[11]
インターチェンジなど
[編集]- 全区間北海道内に所在。
- IC番号欄の背景色が■である区間は既開通区間に存在する。施設欄の背景色が■である区間は未開通区間または未供用施設に該当する。未開通区間の名称は全て仮称である。
- 略字は、JCTはジャンクション、ICはインターチェンジをそれぞれ示す。
IC番号 | 施設名 | 接続路線名 | 本別JCTから (km) | 足寄ICから (km) | 備考 | 所在地 | |
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E61 道東自動車道 | |||||||
1 | 足寄IC | 国道242号・国道274号 | 13.2 | 0.0 | 十勝総合振興局 | 足寄郡足寄町 | |
事業中[9] | |||||||
- | 陸別IC | 道道502号斗満陸別停車場線 | 事業中[12] | 十勝総合振興局 | 足寄郡陸別町 | ||
陸別小利別IC | 国道242号 | 64.1 | 50.9 | ||||
訓子府IC | 道道143号北見白糠線 | 80.1 | 66.9 | オホーツク総合振興局 | 常呂郡訓子府町 | ||
1 | 北見西IC | 道道261号置戸福野北見線 | 92.1 | 78.9 | 北見市 | ||
1-1 | 北見北上IC | 道道27号北見津別線 | 93.1 | 79.9 | |||
2 | 北見中央IC | 道道217号北見美幌線 | 97.4 | 84.2 | |||
2-1 | 北見川東IC | 北見市道川東東6号道路 | 100.2 | 87.0 | |||
3 | 北見東IC | 道道1024号川向端野線 | 102.4 | 89.2 | |||
E61 端野高野道路 |
歴史
[編集]年表
[編集]- 1966年(昭和41年)
- 7月1日 : 北海道横断自動車道として、国幹道の予定路線とされる。
- 北見線: (小樽市 - )北海道足寄郡足寄町附近 - 北見市
- 7月1日 : 北海道横断自動車道として、国幹道の予定路線とされる。
- 2003年(平成15年)
- 2006年(平成18年)2月7日 : 第2回国土開発幹線自動車道建設会議、陸別町小利別 - 北見間を緊急に整備すべき区間として取り扱われる。
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)8月8日 : 陸別町陸別 - 陸別町小利別間の建設凍結を解除。
- 2015年(平成27年)
- 2017年(平成29年)10月9日 : 陸別小利別IC - 訓子府IC間開通[6]。
- 2021年(令和3年)7月30日 : 陸別町陸別 - 足寄IC間の建設凍結を解除[9]。
開通予定年度
[編集]- 未定:足寄IC - 陸別小利別IC[15]
路線状況
[編集]車線・最高速度
[編集]区間 | 車線 | 最高速度 | ||
---|---|---|---|---|
上下線 | 上り線 | 下り線 | ||
陸別小利別IC - 北見東IC | 2 (暫定2車線) | 1 | 1 | 70 km/h |
道路施設
[編集]主なトンネル
[編集]構造物名 | 延長 | 区間 | 備考 |
---|---|---|---|
南丘第一トンネル | 1,388 m | 北見北上IC - 北見中央IC | 当路線で最も長いトンネル。 |
南丘第二トンネル | 472 m | ||
北見ヶ丘トンネル | 697 m | ||
寺の沢トンネル | 415 m | ||
川東トンネル | 913 m | 北見中央IC - 北見川東IC |
※ 全区間、対面通行(暫定2車線)
トンネルの数
[編集]区間 | 上り線 | 下り線 |
---|---|---|
陸別小利別IC - 北見北上IC | 0 | |
北見北上IC - 北見中央IC | 4 | |
北見中央IC - 北見川東IC | 1 | |
北見川東IC - 北上東IC | 0 |
道路管理者
[編集]- 不明:陸別小利別IC - 訓子府IC
交通量
[編集]24時間交通量(台) 道路交通センサス
区間 | 平成27(2015)年度 | 令和3(2021)年度 | |
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足寄IC - 陸別小利別IC間 | 未開通 | ||
陸別小利別IC - 訓子府IC | 調査当時未開通 | 1,249 | |
訓子府IC - 北見西IC | 2,313 | ||
北見西IC - 北見北上IC | 5,151 | 5,717 | |
北見北上IC - 北見中央IC | 5,151 | 5,717 | |
北見中央IC - 北見川東IC | 4,551 | 4,853 | |
北見川東IC - 北見東IC | 4,551 | 4,853 |
(出典:「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」・「令和3年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
- 令和2年度に実施予定だった交通量調査は新型コロナウイルス感染症の影響で延期され[17]、翌年度に実施された。
地理
[編集]通過する自治体
[編集]接続する高速道路
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “Japan's Expressway Numbering System” (PDF). Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism. 2022年4月4日閲覧。
- ^ a b “十勝オホーツク自動車道 足寄〜北見間「訓子府IC〜北見西IC」<通行無料>が開通します 〜オホーツクの観光振興・安心安全・地域産業に貢献します〜” (PDF). 国土交通省北海道開発局 網走開発建設部 (2015年10月13日). 2019年5月22日閲覧。
- ^ “道路交通情報Now!!”. 日本道路交通情報センター. 2015年11月21日閲覧。
- ^ 高速道路ナンバリング路線図(国土交通省)
- ^ a b c d “道横断道、足寄延伸は不透明 道開発予算、端野―美幌整備を重視”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2015年12月23日)
- ^ a b “十勝オホーツク自動車道「陸別小利別IC〜訓子府IC」が平成29年10月9日(月)16時に開通します 〜農産品輸送を支援し、広域観光周遊に寄与〜” (PDF). 国土交通省北海道開発局 網走開発建設部・帯広開発建設部 (2017年9月8日). 2017年9月8日閲覧。
- ^ “北海道縦貫自動車道(士別市多寄町〜名寄市)等の 事業の再開について” (PDF). 国土交通省北海道開発局道路部 (2014年8月8日). 2014年8月24日閲覧。
- ^ 『平成31年度予算に向けた新規事業採択時評価(事業概要資料)【道路・街路事業】』(pdf)(プレスリリース)国土交通省、2019年3月28日 。2019年4月13日閲覧。
- ^ a b c “北海道横断自動車道(足寄町〜陸別町陸別)の事業再開について 〜高規格道路のミッシングリンク解消に向けて事業を推進〜” (PDF). 国土交通省北海道開発局 (2021年7月30日). 2021年7月31日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “北海道横断自動車道 網走線 足寄~北見 再評価原案準備書説明資料 平成29年度” (PDF). 北海道開発局. 2021年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月10日閲覧。
- ^ a b c d e f g h “一般国道39号 北見道路 再評価原案準備書説明資料 平成18年度” (PDF). 北海道開発局. 2019年5月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月28日閲覧。
- ^ 北海道横断自動車道 足寄~北見 再評価原案準備書説明資料 (PDF) - 北海道開発局 2009年3月16日
- ^ “平成27年度北海道開発局関係予算について” (PDF). 国土交通省北海道開発局 (2015年4月9日). 2015年5月5日閲覧。
- ^ “農産輸送の効率化期待、横断道・訓子府―北見西が開通 十勝接続は依然不透明”. 北海道新聞. (2015年11月10日) 2015年11月23日閲覧。
- ^ 平成25年度 北海道における事業計画(H25年4月) (PDF) (北海道開発局2013年4月16日付資料、同年5月20日閲覧)
- ^ “道路に関する許認可”. 国土交通省 北海道開発局 網走開発建設部. 2019年5月22日閲覧。
- ^ “令和2年度全国道路・街路交通情勢調査の延期について” (PDF). 国土交通省 (2020年10月14日). 2021年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年12月15日閲覧。
関連項目
[編集]- 北海道地方の道路一覧
- 北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線 - 本道路とほぼ並行していたが、本道路開通前の2006年4月21日に廃止
- ミッシングリンク (日本の高速道路)