天王星型惑星
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天王星型惑星(てんのうせいがたわくせい)または海王星型惑星(かいおうせいがたわくせい)[1]は、メタン、アンモニアを含む氷や液体の水[2]を主体とした巨大な惑星[3][4]。太陽系では土星より外側にある天王星・海王星がこれにあてはまる[2]。
特徴
[編集]かつては、天王星、海王星はその大きさと位置から木星型惑星に分類されていた[3]。しかし、ボイジャー2号の観測により、豊富な水やメタンが存在することが判明した。その結果、水素やヘリウムを主体とし、ガス成分が多く、密度も比較的低い木星型惑星(木星、土星)に対し、水やメタン等が多く、ガス成分が比較的少ない天王星及び海王星を天王星型惑星として区分するようになった[2][3]。
その組成から天王星型惑星は、巨大氷惑星[5]、アイスジャイアント(英語: ice giant)と呼ばれる[4][6]。これに対し、組成の主体がガスである木星型惑星は、巨大ガス惑星[5]、ガスジャイアント(英語: gas giant)と呼ばれる[4][5]。
木星、土星は様々な有機化合物によって白、赤、橙、黄、茶色を混ぜ合わせた色をしているが、天王星、海王星は透き通るような青色をしている。これは水、そして大気中に含まれるメタンにより、赤色の光が吸収され、青い光のみを強く反射しているためだと考えられている。また水素の割合は低く、水やメタンの氷がマントルを構成し、地球の10倍程度の質量を持つ、岩石・金属質の中心核を取り囲んでいると考えられている。
天王星、海王星とも、太陽からの距離に対して表面の温度が比較的高く、これは中心部の重力収縮によるものだと考えられている。
天王星型惑星の形成
[編集]惑星形成については、太陽系#起源と進化や太陽系の形成と進化を参照。
太陽系外惑星
[編集]いわゆるホット・ジュピターのうち、質量が比較的小さいものを「ホット・ネプチューン」と呼ぶことがある。また海王星質量未満だが、10地球質量程度(スーパーアース)よりは大きい惑星は海王星型に近い性質を持つため、「ミニ・ネプチューン」と呼ばれる。さらにそうした中で、惑星が海に覆われており生命が存在する可能性を持つものには「ハイセアン惑星」という呼称も提唱されている[7]。
脚注
[編集]- ^ 国立天文台: “天文部 多様な太陽系外惑星たち”. 理科年表オフィシャルサイト. 丸善. 2023年1月25日閲覧。
- ^ a b c 日本学術会議物理学委員会IAU分科会及び天文学・宇宙物理学分科会 (2007年6月21日). “対外報告 第二報告:新しい太陽系像について-明らかになってきた太陽系の姿-”. 2014年12月25日閲覧。
- ^ a b c 小久保英一郎 (2007年8月). “惑星系形成論 : 最新 “ 太陽系の作り方 ””. 理科年表オフィシャルサイト. 2019年4月1日閲覧。
- ^ a b c “太陽系の構成”. 宇宙情報センター. 宇宙航空研究開発機構. 2019年4月1日閲覧。
- ^ a b c “巨大ガス惑星”. 天文学辞典. 日本天文学会 (2018年3月15日). 2019年4月1日閲覧。
- ^ “2万5000光年彼方、天王星のような巨大氷惑星”. アストロアーツ (2014年10月30日). 2015年3月16日閲覧。
- ^ “大気と海があり生命存在の可能性がある「系外惑星」の新しい分類が登場”. Sorae (2021年9月3日). 2021年9月5日閲覧。