山前譲
山前 譲(やままえ ゆずる、1956年1月7日 - )は、日本の推理小説研究家[1]。北海道生まれ[1]。北海道大学理学部地球物理学科卒業[2]。雑誌『幻影城』のファンクラブ「怪の会」の元会員[3]。ミステリー文学資料館編集委員。
略歴
[編集]建設土木コンサルタント会社に勤めたのち、1982年に私淑していた鮎川哲也の『戌神はなにを見たか』(講談社文庫)の解説を執筆[1]。幅広い推理小説の知識を持ち、解説のほかにアンソロジーの編纂も多い[1]。
2003年、『幻影の蔵』(新保博久との共著)で第56回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)を受賞[1]。著書に『日本ミステリーの100年』がある。
著書
[編集]- 日本ミステリーの100年 おすすめ本ガイド・ブック(2001年3月、知恵の森文庫)
- 幻影の蔵―江戸川乱歩探偵小説蔵書目録(2002年、新保博久、山前譲共著、東京書籍)
編纂・監修
[編集]江戸川乱歩全集
[編集]- 孤島の鬼(2003年8月 光文社文庫)
- 大暗室(2003年8月 光文社文庫)
- 黄金仮面(2003年9月 光文社文庫)
- 黒蜥蜴(2003年10月 光文社文庫)
- 幻影城(2003年11月 光文社文庫)
- 悪魔の紋章(2003年12月 光文社文庫)
- 新宝島(2004年1月 光文社文庫)
- 三角館の恐怖(2004年2月 光文社文庫)
- 続・幻影城(2004年3月 光文社文庫)
- 透明人間(2004年4月 光文社文庫)
- 緑衣の鬼(2004年5月 光文社文庫)
- 目羅博士の不思議な犯罪(2004年6月 光文社文庫)
- 屋根裏の散歩者(2004年7月 光文社文庫)
- パノラマ島綺譚(2004年8月 光文社文庫)
- 十字路(2004年9月 光文社文庫)
- 月と手袋(2004年10月 光文社文庫)
- 魔術師(2004年11月 光文社文庫)
江戸川乱歩コレクション
[編集]- 乱歩打明け話(1994年11月 河出文庫) - 共編:新保博久
- クリスティーに脱帽 海外ミステリ論集(1995年3月 河出文庫) - 共編:新保博久
- 一人の芭蕉の問題 日本ミステリ論集(1995年4月 河出文庫) - 共編:新保博久
- 変身願望(1994年12月 河出文庫) - 共編:新保博久
- 群集の中のロビンソン(1995年1月 河出文庫) - 共編:新保博久
- 謎と魔法の物語 自作に関する解説(1995年6月 河出文庫) - 共編:新保博久
本格推理展覧会
[編集]- 密室の奇術師(1995年8月 青樹社文庫) - 監修:鮎川哲也
- 犯罪者の時間(1995年11月 青樹社文庫)
- 凶器の蒐集家(1996年2月 青樹社文庫)
- 迷宮の旅行者(1999年10月 青樹社文庫) - 監修:鮎川哲也
- 名探偵の憂鬱(2000年7月 青樹社文庫) - 監修:鮎川哲也
七人の名探偵シリーズ
[編集]- 七人の刑事(1998年1月 廣済堂ブルーブックス)
- 七人の警部(1998年4月 廣済堂ブルーブックス)
- 七人の女探偵(1998年6月 廣済堂ブルーブックス)
女性ミステリー作家傑作選
[編集]- 赤のミステリー(1997年12月 光文社)
- 白のミステリー(1997年12月 光文社)
- 【再編集・改題】殺意の宝石箱(1999年9月 光文社文庫)
- 【再編集・改題】恐怖の化粧箱(1999年10月 光文社文庫)
- 【再編集・改題】秘密の手紙箱(1999年11月 光文社文庫)
小説推理傑作選
[編集]- そして謎解きへ(1996年11月 双葉社)
- いつか心の奥へ(1997年9月 双葉社)
- さらに不安の闇へ(1998年1月 双葉社)
鉄道ミステリー名作館
[編集]- 全席死定(2004年3月 徳間文庫)
- 葬送列車(2004年4月 徳間文庫)
- 愛憎発殺人行(2004年5月 徳間文庫)
その他
[編集]- 推理小説雑誌細目総覧 昭和20年代篇(1985年8月 推理小説文献資料研究会)
- 十二支殺人事件 干支アンソロジー(1991年12月 天山文庫)
- 12星宮殺人事件(1993年12月 飛天文庫) - 著者:赤川次郎
- 古寺巡礼殺人事件(1994年7月 飛天文庫) - 著者:西村京太郎
- 乱歩【上】(1994年9月 講談社) - 共編:新保博久
- 乱歩【下】(1994年9月 講談社) - 共編:新保博久
- 真夜中の密室(1995年5月 飛天文庫)
- 黒い軍旗(1995年9月 飛天文庫)
- 江戸川乱歩 日本探偵小説事典(1996年10月 河出書房新社) - 共編:新保博久
- 森村誠一読本(1998年10月 ケイエスエス)
- 金曜の夜は、ラブ・ミステリー 男の秘密、女の秘密(2000年1月 王様文庫)
- 湯の街殺人旅情 日本ミステリー紀行(2000年2月 青樹社文庫)
- 海外トラベル・ミステリー(2000年4月 王様文庫)
- ミステリー・チャレンジシリーズ2 犯人はだれだ?(2001年4月 白石ノベルス)
- 幻影の蔵 江戸川乱歩探偵小説蔵書目録(2002年10月 東京書籍) - 共編:新保博久
- 本格一筋六十年想い出の鮎川哲也(2002年12月 東京創元社)
- 殺意の海 釣りミステリー傑作選(2003年9月 徳間文庫)
- 名探偵登場! 日本ミステリー名作館(2004年11月 KKベストセラーズ)
- 西村京太郎鉄道ミステリーの旅(ポスト・サピオムック)
- ときめき ミステリアンソロジー(2005年1月 広済堂文庫)
- 文豪の探偵小説(2006年11月 集英社文庫)
- 江戸川乱歩小説キーワード辞典(2007年7月 東京書籍) - 著者:平山雄一、共監:新保博久
- 文豪のミステリー小説(2008年2月 集英社文庫)
- ねこ!ネコ!猫! Nekoミステリー傑作選(2008年10月 徳間文庫)
- 探偵雑誌目次総覧(2009年6月 日外アソシエーツ) - 監修:ミステリー文学資料館
- 乱歩・正史・風太郎(2009年11月 出版芸術社) - 著者:高木彬光
- 判決 法廷ミステリー傑作集(2010年3月 徳間書店)
- この謎が解けるか? 鮎川哲也からの挑戦状! 1(2012年2月 出版芸術社) - 著者:鮎川哲也、共編:芦辺拓
- この謎が解けるか? 鮎川哲也からの挑戦状! 2(2012年4月 出版芸術社) - 著者:鮎川哲也、共編:芦辺拓
- 鉄ミス倶楽部 東海道新幹線50(2014年9月 光文社文庫)
- THE名探偵 ミステリーアンソロジー(2014年9月 ジョイ・ノベルス)
- THE密室 ミステリーアンソロジー(2014年9月 ジョイ・ノベルス)
- 日本縦断世界遺産殺人紀行(2014年12月 ジョイ・ノベルス)
- 死を招く乗客 ミステリーアンソロジー(2015年2月 ジョイ・ノベルス)
- 京都綺談(2015年6月 実業之日本社)
解説
[編集]- 鮎川哲也「戌神はなにを見たか」(1983年4月 講談社文庫)
- 赤川次郎「沈める鐘の殺人」(1986年7月 講談社文庫)
- 日下圭介「血の色の花々の伝説」(1987年5月 講談社文庫)
- 津村秀介「紅葉坂殺人事件」(1987年9月 講談社文庫)
- 赤川次郎「棚から落ちて来た天使」(1989年9月 講談社文庫)
- 赤川次郎「三姉妹探偵団4」(1990年3月 講談社文庫)
- 長井彬「M8の殺意」(1990年9月 講談社文庫)
- 津村秀介「寝台特急18時間56分の死角」(1991年1月 講談社文庫)
- 大藪春彦「アウトバーン0号作戦」(1992年9月 光文社文庫)
- 津村秀介「異域の死者 上野着17時40分の死者」(1992年10月 講談社文庫)
- 赤川次郎「結婚記念殺人事件」(1992年10月 講談社文庫)
- 山村美紗「恋盗人」(1993年3月 講談社文庫)
- 我孫子武丸「メビウスの殺人」(1993年5月 講談社文庫)
- 阿井渉介「湖列車連殺行」(1993年8月 講談社文庫)
- 西村京太郎「愛と憎しみの高山本線」(1993年8月 文春文庫)
- 泡坂妻夫「砂のアラベスク」(1993年10月 文春文庫)
- 胡桃沢耕史「女子高生は諜報員」(1993年10月 講談社文庫)
- 津村秀介「寝台急行銀河の殺意」(1993年11月 講談社文庫)
- 中町信「下北の殺人者」(1993年12月 講談社文庫)
- 峰隆一郎「殺人急行北の逆転240秒」(1994年5月 講談社文庫)
- 斎藤澪「炎まつり殺人事件」(1994年6月 講談社文庫)
- 津村秀介「恵那峡殺人事件」(1994年6月 講談社文庫)
- 深谷忠記「房総・武蔵野殺人ライン」(1994年6月 講談社文庫)
- 宇神幸男「消えたオーケストラ」(1994年7月 講談社文庫)
- 高木彬光「神津恭介の予言」(1994年9月 出版芸術社)
- 津村秀介「横須賀線殺人事件」(1994年12月 講談社文庫)
- 松本清張「一九五二年日航機「撃墜」事件」(1994年12月 角川文庫)
- 津村秀介「能登の密室」(1995年4月 講談社文庫)
- 赤川次郎「豪華絢爛殺人事件」(1995年6月 講談社文庫)
- 中町信「湯煙りの密室」(1995年7月 講談社文庫)
- 佐野洋「推理日記5」(1995年8月 講談社文庫)
- 笹沢左保「一方通行」(1995年11月 講談社文庫)
- 津村秀介「海峡の暗証」(1996年6月 講談社文庫)
- 高木彬光「神津恭介の回想」(1996年6月 出版芸術社)
- 中町信「津和野の殺人者」(1996年7月 講談社文庫)
- 折原一「水の殺人者」(1996年8月 講談社文庫)
- 岩崎正吾「異説本能寺 信長殺すべし」(1996年9月 講談社文庫)
- 阿井渉介「虹列車の悲劇」(1996年12月 講談社文庫)
- 赤川次郎「妖怪変化殺人事件」(1997年1月 講談社文庫)
- 阿井渉介「黒い列車の悲劇」(1997年3月 講談社文庫)
- 川田弥一郎「死の人工呼吸」(1997年6月 講談社文庫)
- 津村秀介「東北線殺人事件 久慈・熱海殺人ルート」(1997年6月 講談社文庫)
- 浅川純「水戸・日立ビジネス特急誘拐事件」(1997年8月 講談社文庫)
- 西村京太郎「恐怖の海 東尋坊」(1997年12月 文春文庫)
- 佐野洋「動詞の考察」(1997年12月 講談社文庫)
- 津村秀介「飛騨の陥穽」(1998年1月 講談社文庫)
- 和久峻三「濡れ髪明神殺人事件」(1998年3月 講談社文庫)
- 赤川次郎「死神のお気に入り 三姉妹探偵団12」(1998年4月 講談社文庫)
- 津村秀介「山陰の隘路」(1998年4月 講談社文庫)
- 南里征典「六本木芳熟夫人」(1998年8月 講談社文庫)
- 赤川次郎「流行作家殺人事件」(1999年1月 講談社文庫)
- 山村美紗「京都恋供養殺人事件」(1999年2月 講談社文庫)
- 峰隆一郎「寝台特急『瀬戸』鋼鉄の柩」(1999年3月 講談社文庫)
- 赤川次郎「次女と野獣 三姉妹探偵団13」(1999年4月 講談社文庫)
- 笹沢左保「死の追走」(1999年10月 講談社文庫)
- 栗本薫「ウンター・デン・リンデンの薔薇 六道ヶ辻」(2000年3月 角川文庫)
- 阿井渉介「雪花嫁の殺人 警視庁捜査一課事件簿」(2002年1月 講談社文庫)
- 赤川次郎「ABCD殺人事件」(2002年1月 講談社文庫)
- 津村秀介「伊豆の朝凪 米沢着15時27分の死者」(2002年4月 講談社文庫)
- 赤川次郎「三姉妹、呪いの道行 三姉妹探偵団16」(2002年5月 講談社文庫)
- 太田蘭三「奥多摩殺人渓谷」(2003年1月 講談社文庫)
- 鮎川哲也「竜王氏の不吉な旅 三番館の全事件1」(2003年2月 出版芸術社)
- 鮎川哲也「クライン氏の肖像 三番館の全事件3」(2003年4月 出版芸術社)
- 内田康夫「伊香保殺人事件」(2003年6月 講談社文庫)
- 赤川次郎「三姉妹、初めてのおつかい 三姉妹探偵団17」(2003年9月 講談社文庫)
- 今野敏「アキハバラ」(2004年2月 中公文庫)
- 内田康夫「華の下にて」(2004年2月 講談社文庫)
- 赤川次郎「恋の花咲く三姉妹 三姉妹探偵団18」(2005年6月 講談社文庫)
- 伊野上裕伸「医師会の闇 震えるメス」(2005年9月 文春文庫)
- 山田宗樹「黒い春」(2005年10月 幻冬舎文庫)
- 赤川次郎「月もおぼろに三姉妹 三姉妹探偵団19」(2006年7月 講談社文庫)
- 江戸川乱歩「黒蜥蜴 江戸川乱歩ベストセレクション5」(2009年1月 角川ホラー文庫)
- 伊野上裕伸「抹殺 病院探偵水本玲」(2009年6月 中公文庫)
- 赤川次郎「MとN探偵局 悪魔を追い詰めろ!」(2011年10月 実業之日本社文庫)
- 西村京太郎「十津川警部捜査行 殺意を運ぶリゾート特急」(2012年10月 実業之日本社文庫)
- 本格ミステリ作家クラブ 編『空飛ぶモルグ街の研究』(2013年1月 講談社文庫)
- 内田康夫「風の盆幻想」(2013年6月 実業之日本社文庫)
- 梓林太郎「私立探偵・小仏太郎 秋山郷 殺人秘境」(2013年6月 実業之日本社文庫)
- 内田康夫「平城山を越えた女」(2013年11月 文春文庫)
- 内田康夫「多摩湖畔殺人事件」(2014年1月 光文社文庫)