岩部純二
岩部純二 | |
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![]() 東京6Rパドック(2018年5月27日) | |
基本情報 | |
国籍 | ![]() |
出身地 | 北海道 |
生年月日 | 1976年3月25日(48歳) |
騎手情報 | |
所属団体 | 日本中央競馬会(JRA) |
初免許年 | 1994年3月5日 |
免許区分 | 平地 |
通算勝利 | 4815戦159勝 |
岩部 純二(いわべ じゅんじ、1976年3月25日 - )は、北海道出身の騎手。
来歴
[編集]競馬学校10期生として植野貴也・菊地昇吾・小林久晃・高山太郎・幸英明・吉田豊・渡辺薫彦と同期になり[1]、卒業後の1994年3月に美浦・成宮明光厩舎からデビュー。
1年目の1994年は3月5日の中山第1競走4歳未勝利・オンワードエンゼル(14頭中10着)[2]で初騎乗を果たし、5月8日の東京第6競走4歳未勝利・ミヤマビゼンで初勝利を挙げる[3]。夏の札幌ではタマツバキ記念・ライトリメーク(15頭中12着)[4]で重賞初騎乗[3]を果たしたほか、初の新馬勝ちを含む3勝[5]を挙げ、5勝[6]をマーク。
2年目の1995年には9月24日の函館第8競走3歳オープンでエクセレトシャトーに騎乗し、雨に見舞われた中で直線伸びないイシノサンデー[7]を抑えて勝利[8][注 1]。秋の東京では後に東海公営に移籍して交流重賞の常連となるマジックリボン[9]に騎乗し[10]、11月18日の第4競走3歳新馬では2着に3馬身付けて逃げ切り[11]、先行力を武器にあっさりと勝ち上がった[9]。夏の北海道シリーズでは札幌3勝・函館7勝の計10勝[12]、秋の東京では6勝[12]、2桁人気では4勝[12]するなど、初の2桁勝利となる18勝[6]をマーク。
1996年には冬の東京6勝と夏の札幌5勝[13]で2年連続2桁勝利の12勝[6]をマークし、2月17日の東京第8競走4歳以上500万下では後にシルクジャスティスの弟となるジャックセイウンでタイキシャーロックに勝利[14]。夏の札幌ではスルスミアピールで500万下を勝利し、昇級初戦のポプラステークス(900万下)ではアロハドリームの3着に入った[15]。
1997年には函館3勝・札幌4勝と8勝[6]中7勝を夏の北海道シリーズで挙げ[16]、函館ではバンブーアトラス産駒アトラスベルで新馬勝ちし[17]、札幌ではリンドシェーバー産駒シャコーフェイバーで2勝する[18]。
1998年には6月21日の函館第10競走北海ハンデキャップを8頭中8番人気のセーガルスキーで勝利して単勝万馬券[19]の波乱を起こし、8月29日には地方馬が11頭出走した札幌第6競走3歳500万下をニッポーテイオー産駒アグネステンオー[20]で人気に応えた[21]。秋の福島では10月10日の第1競走4歳未勝利を父ニホンピロウイナー、母の母タカエノカオリのモリスズラン[22]に騎乗し、父アサティス・母父ビゼンニシキのアイアンプチプラム[23]に勝利[24]。11月21日の第4競走4歳未勝利では父ヤマニンゼファー・母父ダイナコスモスのウインディヒル[25]で14頭中12番人気ながら父トニービン・母父ノーザンテーストのアラビックナイト[26]に勝利し、日本ダイナースクラブのワンツーで枠連・馬連万馬券[27]の波乱を起こす。12月20日の中京第1競走3歳未勝利では後にアスカクリチャンの母となる父ダイナレター・母父マルゼンスキーのローレルワルツ[28]に騎乗し、メンバー中唯一の関東馬で12頭中10番人気ながら勝利して単勝・馬連万馬券[29]の波乱を起こすなど、2年ぶりの2桁勝利となる18勝[6]をマーク。
2000年にはヒシマサル産駒ヒシパッカー[30]で1月30日の小倉第5競走4歳以上500万下を逃げ切って単勝2万・馬連3万馬券[31]の波乱を起こし、7月15日の函館第6競走3歳新馬では後にスノードラゴンの母となるタヤスツヨシ産駒マイネカプリースで逃げ切った[32]。同年は2年ぶりの2桁勝利となる10勝をマークしたが、現時点で2桁はこの年が最後となっている[6]。
2001年3月31日の中山第10競走千葉日報杯では父メジロマックイーン・母父ハイセイコーの芦毛ストロングライフ[33]で15頭中14番人気ながら2着に入って枠連・馬連・ワイド万馬券[34]の波乱を起こし、5月6日の福島第11競走福島中央テレビ杯では15頭中13番人気のウイズハヤテカゼで4着までクビ差の接戦を勝利[35]。
2003年と2004年にはメジロライアン産駒で父シンボリルドルフ・母メジロラモーヌの「十冠ベイビー」[36]メジロリベーラを母に持つメジロヘリテイジに騎乗し[37]、2003年は文化の日の福島500万下で2着に4馬身付けて逃げ切り[38]、2004年には大井の指定交流競走'04メトロポリタンオクトーバーカップでは16頭中13番人気ながら2着[39]に入った。
2004年には不思議な馬名[40]で知られるヤナギムシにデビュー時以来騎乗した小倉の500万下でオレハマッテルゼの2着[41]に入り、2006年からはヤナギムシの主戦騎手として起用され[41]、2006年・2007年と2年連続で吉野ヶ里特別(1000万下)2着[41]、2007年の石和特別(1000万下)では12番人気で2着に粘って3連単191万馬券[42]の波乱を起こした。
2004年2月8日の小倉第2競走3歳未勝利ではマキノシャンハイで先手を取ると、直線では後続を大きく引き離して1秒7の大差勝ちした[43]。
2005年は初めて0勝[6]に終わり、2006年には8月20日に99勝目を挙げて通算100勝に王手をかけ、2007年2月4日の小倉第5競走4歳以上500万下・オーデコロンで約5ヶ月ぶりに勝利して達成[44]。
2007年にはメジロリベーラの3番仔[45]で後にコウソクストレートの母となる[46]メジロアリスに騎乗し、新馬では内から差を詰めた3番人気ダイナマイトシコクをクビ差抑えて[47]逃げ切る[48]。夏には新潟2歳ステークス、暮れにはフェアリーステークスに駒を進めた[46]。
2008年10月25日のメイクデビュー福島ではスノーライダーで中団追走から直線で抜け出して快勝し[49]、2011年1月8日の中山第10競走初春賞ではキングパーフェクトで渋太く差し切って人気に応えた[50]。
2013年3月23日の中山第10競走利根川特別ではケイジーウィンザーでハナ差凌いで逃げ切り[51]、2014年には1月12日の中山第9競走成田特別をトウショウギフトで9馬身差勝利し[52]、7月12日の福島第9競走三陸特別では父メイショウボーラー・母父テイエムオペラオーの騙馬ケイジータイタンで先手を奪って押し切る[53]。
2016年には南田美知雄厩舎のオーバースペックで福島の2歳未勝利を大外から差し切り[54]、次走は未勝利と同じ距離の札幌2歳Sというプランもあったが[55]、自ら参戦を判断した[55]新潟2歳ステークスでは向正面最後方から直線一気の末脚でヴゼットジョリーの2着に食い込む[56]。
2017年にはパッセで福島の新馬では2番手から直線で先頭に立って後続を突き放し[57]、函館2歳ステークスではゲートを出てから無理せず前で運んで5着[58]に粘った。
30年目を迎えた2024年には9月17日の中山第4競走2歳新馬で11番人気マリンバンカーに騎乗し、まずまずのスタートから主張してハナを切り、手応えよく直線に入ると、追いすがる後続をものともせず、ステッキ1発のみで最後は流す余裕を見せて逃げ切る[59]。2着に1馬身3/4差の完勝で694日ぶりの勝利を挙げ、南田は2458日ぶりの新馬戦勝利となった[59]。
騎乗成績
[編集]日付 | 競馬場・開催 | 競走名 | 馬名 | 頭数 | 人気 | 着順 | |
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初騎乗 | 1994年3月5日 | 2回中山3日1R | 4歳未勝利 | オンワードエンゼル | 12頭 | 7 | 10着 |
初勝利 | 1994年5月8日 | 2回東京6日6R | 4歳未勝利 | ミヤマビゼン | 13頭 | 5 | 1着 |
重賞初騎乗 | 1994年7月23日 | 2回札幌5日10R | タマツバキ記念 | ライトリメーク | 15頭 | 13 | 12着 |
脚注
[編集]- ^ “幸英明連載【3】脱走事件の中でも光っていた〝ナベちゃん〟の信念”. tospo-keiba.jp. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “4歳未勝利|1994年3月5日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ a b “岩部純二のプロフィール”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “タマツバキ記念|1994年7月23日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “抽出[1994年度 1着レース]|岩部純二の騎手成績|競馬データベース - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ a b c d e f g “岩部純二の年度別成績”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ 『優駿』2007年4月号 44頁
- ^ “3歳オープン|1995年9月24日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ a b “マジックリボン”. uma-furusato.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “マジックリボン (Magic Ribbon)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “3歳新馬|1995年11月18日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ a b c “抽出[1995年度 1着レース]|岩部純二の騎手成績|競馬データベース - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “抽出[1996年度 1着レース]|岩部純二の騎手成績|競馬データベース - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “ジャックセイウン (Jack Seiun)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “スルスミアピール (Surusumi Appeal)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “抽出[1997年度 1着レース]|岩部純二の騎手成績|競馬データベース - netkeiba.com”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “アトラスベル (Atlas Belle)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “シャコーフェイバー (Shako Shaver)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “北海ハンデキャップ|1998年6月21日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “アグネステンオー (Agnes Ten O)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “3歳500万下|1998年8月29日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “モリスズラン (Mori Suzuran)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “アイアンプチプラム (Iron Petit Plum)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “4歳未勝利|1998年10月10日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “ウインディヒル (Windy Hill)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “アラビックナイト (Arabic Night)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “4歳未勝利|1998年11月21日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “[https://db.netkeiba.com/horse/1996101458/ ローレルワルツ (Laurel Waltz)]”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “3歳未勝利|1998年12月20日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “ヒシパッカー (Hishi Packer)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “4歳以上500万下|2000年1月30日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “マイネカプリース (Meine Caprice)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “ストロングライフ (Strong Life)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “千葉日報杯|2001年3月31日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “福島中央テレビ杯|2001年5月6日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ ““超良血”だったのに…完全に期待外れに終わった競走馬といえば?”. dot.asahi.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “メジロヘリテイジ (Mejiro Heritage)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “3歳以上500万下|2003年11月3日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “’04メトロポリタン|2004年10月14日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “あの馬の素顔◇流星社”. www.ryusei.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ a b c “ヤナギムシ (Yanagimushi)”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “石和特別|2007年4月28日”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “【未勝利戦】(小倉2R)〜マキノシャンハイ大差勝ち|競馬実況web|競馬|ラジオNIKKEI”. www.radionikkei.jp. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “岩部純二騎手、JRA通算100勝達成”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
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- ^ a b “コウソクストレート”. www.lakevillafarm.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “メジロアリスがダイナマイトシコクを抑える/2歳新馬”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “【2歳新馬】(新潟6R)〜メジロアリスが逃げ切り勝ち|競馬実況web|競馬|ラジオNIKKEI”. www.radionikkei.jp. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “スノーライダーが快勝/2歳新馬”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “【初春賞】(中山)~キングパーフェクトG前でハナ差差す|競馬実況web|競馬|ラジオNIKKEI”. www.radionikkei.jp. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “【利根川特別】(中山)~ケイジーウィンザー ハナ差凌いで逃げ切り勝ち”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “【成田特別】(中山)~トウショウギフトが7馬身差でV”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “【三陸特別】(福島)~ケイジータイタンが先手を奪って押し切る”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “【2歳未勝利】(福島1R)~オーバースペックが大外から差し切り勝ち”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ a b “「あのジョッキーに勝たせてあげたい」 新潟2歳Sの戦前ウラ話 - 2ページ目”. umakeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “【新潟2歳S】オーバースペック直線一気で2着確保”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “パッセが2番手から抜け出し快勝/福島新馬”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ “【函館2歳Sレース後コメント】カシアス浜中俊騎手ら”. netkeiba.com. 2025年2月22日閲覧。
- ^ a b “47歳の岩部純二が694日ぶりのJRA勝利 11番人気マリンバンカーで逃げ切る/新馬戦 - 2歳馬特集”. nikkansports.com. 2025年2月22日閲覧。
注釈
[編集]- ^ なおこのレースは、2025年2月現在最後に行われたJRAオープンクラスの平地一般競走である。