崔東原賞
崔東原賞(チェ・ドンウォンしょう、朝鮮語: 최동원상)は、その年のKBOリーグで最も活躍した投手に贈られる賞である。毎年、崔東原の背番号にちなみ11月11日に故郷の釜山で授賞式が行われる。受賞者にはトロフィーと賞金2000万ウォンが贈られる。
概要
[編集]崔東原賞はその年のKBOリーグで最も活躍した投手を表彰するため、MLBのサイ・ヤング賞やNPBの沢村栄治賞を参考に、韓国プロ野球の伝説的投手として知られる崔東原の名前を冠して2014年に制定された。そのため、KBO主催の賞ではなく崔東原記念事業会か主催している。
受賞者については記者による投票ではなく、プロ野球OBで構成された委員会での投票によって選ばれている。受賞に際し7つの選考基準(後述)があり、1つでも満たしていれば受賞資格がある。
第1回(2014年)から第4回(2017年)までは、韓国人投手育成のため外国人投手を選考から除外していたが、第5回(2018年)からは外国人投手も選考に含まれるようになった。また第1回では国際大会での成績も考慮していたが、第2回からはシーズンでの成績のみで受賞者を決定する。
委員会による選考や選考基準の存在など、日本の沢村栄治賞を参考にして作られた部分も多く存在している。その一方で、沢村栄治賞は「その年、最も多く活躍した完投型先発投手」を表彰するのに対し、崔東原賞は「その年に最も活躍した投手」を表彰する。そのため、沢村賞では選考基準を満たせなかった場合該当者なしのシーズンもあるが、崔東原賞では毎年必ず受賞者を決定している。
選考基準
[編集]先述の通り、選考基準を1つでも満たしていれば受賞資格がある。
- 登板試合数 - 25試合以上
- 勝利数 - 12勝以上
- 投球回数 - 180イニング以上
- 奪三振 - 150個以上
- クオリティ・スタート数 - 15QS以上
- 防御率 - 3.00以下
- セーブ数 - 35セーブ以上
なお7項目のうち、2016年までは「防御率 2.50以下」、2017年までは「登板試合数 30試合以上」「勝利数 15勝以上」「セーブ数 40セーブ以上」という選考基準であったが、2018年以降は現在の選考基準に変更されている。
歴代受賞者
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- 太字 は各基準項目のリーグ1位。
- は選考基準を満たしていない項目。
- セーブ数0の場合は省略
年度 | 受賞者 | 所属 | 登板 | 勝利 | 投球回 | 奪三振 | クオリティ・スタート | 防御率 | セーブ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2014年 | 梁玹種 | 起亜 | 29 | 16 | 171.1 | 165 | 17 | 4.25 | |
2015年 | 柳煕寛 | 斗山 | 30 | 18 | 189.2 | 126 | 17 | 3.94 | |
2016年 | 張元準 | 斗山 | 27 | 15 | 168 | 137 | 19 | 3.32 | |
2017年 | 梁玹種(2) | 起亜 | 31 | 20 | 193.1 | 158 | 20 | 3.44 | |
2018年 | ジョシュ・リンドブロム | 斗山 | 26 | 15 | 168.2 | 157 | 21 | 2.88 | |
2019年 | ジョシュ・リンドブロム(2) | 斗山 | 30 | 20 | 194.2 | 189 | 22 | 2.50 | |
2020年 | ラウル・アルカンタラ | 斗山 | 31 | 20 | 198.2 | 182 | 31 | 2.54 | |
2021年 | アリエル・ミランダ | 斗山 | 28 | 14 | 173.2 | 225 | 21 | 2.33 | |
2022年 | 金廣鉉 | SSG | 28 | 13 | 173.1 | 153 | 19 | 2.13 | |
2023年 | エリック・フェッド | NC | 30 | 20 | 180.1 | 209 | 21 | 2.00 |