新潟県北部地震
新潟県北部地震 | |
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地震の震央の位置を示した地図 | |
本震 | |
発生日 | 1995年4月1日 |
発生時刻 | 12時49分34秒(JST) |
震央 | 北蒲原郡笹神村付近 北緯37度53.4分 東経139度14.8分({{{10}}}) |
震源の深さ | 16 km |
規模 | 気象庁マグニチュード(Mj)注15.6 |
最大震度 | 気象庁震度階級4:新潟県 新潟市・相川町・笹神村・出雲崎町 |
津波 | 無し |
地震の種類 | 大陸プレート内地震(逆断層型) |
地すべり | 無し |
前震 | |
最大前震 | 1994年12月19日 M4.1 最大震度2 |
余震 | |
回数 | 305回注2 |
最大余震 | 1995年4月2日 M4.7 最大震度4 |
被害 | |
死傷者数 | 死者:無し 負傷者:82人(重傷者:6人、軽症:76人) |
被害地域 | 笹神村付近 |
プロジェクト:地球科学 プロジェクト:災害 |
新潟県北部地震(にいがたけんほくぶじしん)は、1995年4月1日12時49分に新潟県笹神村(現・阿賀野市の一部)を震源にしたMj 5.6[1][3][4]の地震である。新潟県北部の地震と呼称される例もある。
概要
[編集]地震計で観測された最大震度は4であったが、県指定の文化財である市島邸湖月閣が完全に倒壊したのを始め、笹神村を中心に住家の全壊や半壊の被害が相次いだため、震度5に訂正された。また、震源が浅かったことから、震央付近の狭い範囲(5.6km * 1kmの範囲)で震度6に相当する揺れがあったものと推測された[5]。震央地区上高田の熊野神社では、重力加速度を超える震動を生じた痕跡が残されていた[5]。
当時震源付近に観測点はなく、やや離れた気象庁の観測点(新潟地方気象台)による観測と解析により震央は、新潟県(加治川)沖に発生し内陸部の笹神村に被害を生じたと報道されたが、他の機関による観測データを合わせた解析により羽越本線神山駅と月岡駅の中間にある笹神村上高田付近と求められた。また、震源の深さを気象庁では16km[1]としているが、10kmとする解析結果もある[5]。
地震像
[編集]震央は1964年新潟地震の余震域の南端にあたり[6]、これまで地震活動は活発ではなかったが、1994年10月頃から群発地震が起こるようになった。1994年12月にはマグニチュード4〜5の地震が散発的に発生していたが、この地震はその群発地震の一連の活動の1つであることがその後の余震活動から明らかになっている[2]。震源断層は既知の断層の活動による地震ではなく、当時知られていなかった伏在断層の活動による地震で新潟市付近の新潟平野に生じていた地震空白域の東端で発生した地震であり、一部の研究者からは大地震の可能性を指摘されていた[5]。
被害状況
[編集]人的被害としては死者はゼロで負傷者は82名であった。
建物被害
[編集]市町村名 | 住家被害 | 非住家 被害 | 合計 | |||
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全壊 | 半壊 | 一部 損壊 | 計 | |||
合計 | 55 | 181 | 1,376 | 1,612 | 1,169 | 2,781 |
豊栄市 | 0 | 23 | 176 | 199 | 168 | 367 |
笹神村 | 52 | 98 | 364 | 514 | 536 | 1,050 |
水原町 | 1 | 48 | 289 | 338 | 58 | 396 |
豊浦町 | 2 | 11 | 534 | 547 | 391 | 938 |
新発田市 | 0 | 1 | 7 | 8 | 6 | 14 |
新潟市 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
新津市 | 0 | 0 | 0 | 0 | 6 | 6 |
荒川町 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 |
京ヶ瀬村 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 2 |
聖籠町 | 0 | 0 | 2 | 2 | 0 | 2 |
加治川村 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 2 |
亀田町 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 1 |
味方村 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
- 出所:[7]
人的被害
[編集]市町村名 | 重症 | 軽症 | 計 |
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豊栄市 | 1 | 17 | 18 |
笹神村 | 2 | 40 | 42 |
水原町 | 1 | 5 | 6 |
豊浦町 | 1 | 7 | 8 |
新発田市 | 1 | 1 | 2 |
京ヶ瀬村 | 0 | 2 | 2 |
横越村 | 0 | 1 | 1 |
亀田町 | 0 | 2 | 2 |
西川町 | 0 | 1 | 1 |
前兆現象
[編集]群発地震以外の前兆現象としては、近くにある月岡温泉では湧出量の増加や井戸で自噴現象が観測されるなど、本地震前後に地下水・温泉の異常が報告されている[5]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “震度データベース検索”. 気象庁. 2019年7月12日閲覧。
- ^ a b “1995年新潟県北部の地震に関する緊急災害調査報告”. 国土地理院. 2013年9月3日閲覧。
- ^ 気象庁マグニチュード改訂前でM 6.0
- ^ a b 新潟の地震 その2-最近の新潟付近の地震 (PDF) 新潟大学理学部地質科学科 - WARPによるアーカイブ
- ^ a b c d e 1995年新潟県北部の地震について 第四紀研究 Vol.35 (1996) No.3 P153-163
- ^ 新潟県北部の地震(1995年4月1日、M6.0) (PDF) 気象庁地震予知情報課
- ^ 新潟北部の地震の建物被害(新潟県消防防災課調べ) - 国土地理院 - WayBack Machineによるアーカイブ
- ^ 表704―2「新潟県の地域別被害状況」、宇佐美龍夫『最新版 日本被害地震総覧「416」―2004』(東京大学出版会)531頁より。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 地震予知連絡会会報 第54巻
- 新潟県北部地震調査 日本雪工学会誌 Vol.11 (1995) No.3 P172-176
- 新潟地方気象台ホームページ
- 1995年新潟県北部の地震に関する緊急災害調査報告(国土地理院)