旅名人の九州満喫きっぷ

旅名人の九州満喫きっぷ(たびめいじんのきゅうしゅうまんきつきっぷ)は、日本九州16社局の鉄道軌道線が3回まで一日乗り降り自由となる特別企画乗車券である。九州旅客鉄道(JR九州)が発売する。

旅名人の九州満喫きっぷ

概要

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利用可能期間中(発売日から3か月間)の任意の日に券面の1回分を使用することで、1人の旅客が参加事業者(後述)の鉄道・軌道線の普通列車快速列車を含む。以下同)の普通車自由席に1日間乗り降り自由となる。1枚の「旅名人の九州満喫きっぷ」で合計3回分使用できる。残り回数が2回以上である場合、1枚の券面の複数回数分を複数人で同時に使用することができ、その場合は同時に使用している旅客全員が同一行程でなければならない。

JR九州線においては、特急列車の普通車自由席を特急料金なしで乗車できる特例のある早岐 - 佐世保間および宮崎 - 宮崎空港間では特急列車の普通車自由席を利用することができる[注 1]。普通列車の普通車指定席は別途指定席券を購入することで利用できる[注 2]新幹線、特急列車(前述の特例のケースを除く)の乗車は一切できない。

JR九州線以外においては、「特急」「急行」という列車種別であっても特別料金が不要な西日本鉄道(西鉄)の特急・急行は利用可能である。平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線列車および肥薩おれんじ鉄道おれんじ食堂」リビングカーの指定席は別途指定席券を購入することで利用できる[注 3]南阿蘇鉄道トロッコ列車には乗車できない。

JR西日本は参加事業者でないため、九州島内(山陽新幹線博多南線)であっても利用はできない。

乗車日が翌日にまたがる場合、JR九州線は0時を過ぎて最初に停車する駅まで、その他の鉄軌道線は最終列車まで有効となる。

JR九州のみどりの窓口・旅行センター・JR九州 旅行の窓口・九州内の主な旅行会社で発売している。なお、新大牟田駅など当該駅からの本券の利用ができない九州新幹線単独駅のみどりの窓口でも発売を行っている一方、JR九州が営業する窓口がない下関駅およびJR九州以外の鉄軌道事業者では発売していない。

参加事業者・フリーエリア

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下記の鉄道・軌道全線。

略史

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当初は2007年10月1日から2008年3月31日の間を発売・使用期間として10,000円で発売された。JR九州および同社との連絡運輸を行っている各社局の計11社[注 4]の鉄道線が利用できた[2]

発売期間中に約4,400枚が発売され、利用者から発売継続の要望が寄せられたため、2008年4月18日から対象社局を拡大[注 5]してリニューアルし、再度発売されることになった。この対象社局拡大で、九州島内は鋼索鉄道索道およびJR西日本、新幹線を除き全ての鉄道・軌道線に乗車できるようになった。リニューアルされたきっぷの発売期間および使用期間は2008年4月18日から7月13日と同年9月12日から11月30日であり、その他の条件は同じとなっていた[3]

2009年も設定され、発売期間および使用期間は2009年4月1日から7月31日と同年9月1日から11月30日であった[4]

2010年度は価格が10,500円に改定され、発売・使用期間ともに拡大され、2010年4月1日から2011年3月31日までと、通年利用できるようになった。また前年まで利用対象外とされていた平成筑豊鉄道門司港レトロ観光線が利用対象に加えられた[5]

2011年度も2010年度と同内容で発売し、2011年4月1日から2012年3月31日まで利用できた[6]

2012年度からは有効期間を発売日から3か月間とし、発売期間を設けずに発売する[7][8]

2014年4月1日から消費税率が5%から8%となったことに伴い、価格が10,800円に改定された[9]

2019年10月1日から消費税率が8%から10%となったことに伴い、価格が11,000円に改定された[10]

SUNQパスとの比較

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「旅名人の九州満喫きっぷ」は九州内の多数の鉄道事業者が参加する、鉄道が乗り降り自由となる企画乗車券であるが、九州のバス界においても多数の事業者が参加する、バスおよび一部船舶が乗り降り自由となる企画乗車券「SUNQパス」が存在する。その中でも、「SUNQパス(全九州+下関3日間)」は、「旅名人の九州満喫きっぷ」と価格・使用期間・有効エリアなどにおいても類似点がある。以下にその比較表を記述する。

項目 旅名人の九州満喫きっぷ SUNQパス(全九州+下関3日間)
価格 11,000円[注 6] 14,000円[注 7]
使用期間 有効期限内の任意の3日間[注 8] 使用開始日から起算し連続した3日間。
複数人での使用 1枚を複数人数で利用可能。
未使用であれば3人まで同時に利用でき、1回分を使用した状態であれば残り2回分を2人で同時に利用できる。
不可
有効エリア 地域 九州島内および山口県下関市[注 9] 九州島(平戸島天草諸島などのを含む)内および山口県西部[注 10]
乗り物 九州内の鉄道事業者16社局の鉄軌道線(日田彦山線BRTを含む)。 九州内および山口県のバス・船舶事業者47社局[注 11]のバス路線(日田彦山線BRTを除く)および航路。
優等車種への乗車 特別料金不要列車のみ可能。 高速バスおよび一部船舶まで[注 12]
定時性 一般的に、大幅な遅延が発生する確率はバスより低いとされる。 道路状況により、数分から数十分の遅延が発生しやすい。
着席可能性 本券のみで着席が保証される列車設備を利用することはできない。
普通列車の普通車指定席は別途指定席券を購入すれば利用可能であるが、別途料金が発生するうえ、指定席を備える普通列車自体が限られている[注 2]
予約制高速バスに別料金を支払うことなく予約しての乗車が可能[注 13]

脚注

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注釈

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  1. ^ これらの区間を運行する特急列車は案内上は特急列車とされているが、制度上は普通列車である[1]
  2. ^ a b 2024年7月現在、フリーエリア内に普通車指定席を有する定期普通列車は存在しない。臨時列車においても、運行は限られている。
  3. ^ 2024年7月現在、門司港レトロ観光線においては個人を対象とした指定席発売(列車予約)は行われておらず、「おれんじ食堂」については乗車のみのプランを受け付けていない。
  4. ^ JR九州、北九州高速鉄道、平成筑豊鉄道、福岡市地下鉄、西日本鉄道、甘木鉄道、松浦鉄道、島原鉄道、南阿蘇鉄道、くま川鉄道、肥薩おれんじ鉄道。
  5. ^ 筑豊電気鉄道、長崎電気軌道、熊本電気鉄道、熊本市電、鹿児島市電を追加。
  6. ^ 2009年度までは10,000円、2013年度までは10,500円。
  7. ^ 2017年度までは10,000円、2024年9月までは11,000円。
  8. ^ 正確には3回分。「有効期限内の任意の3日間」になるのは1人で3回分を利用する場合であり、一度に複数人が利用する場合はその利用日に人数分回数を消費するため、3日間とはならない。
  9. ^ 駅単位では下関駅のみ。
  10. ^ 長門市美祢市宇部市以西。
  11. ^ 西日本鉄道、西鉄バス北九州西鉄バス佐賀西鉄バス久留米西鉄バス大牟田西鉄バス筑豊西鉄バス宗像西鉄バス二日市九州急行バス北九州市交通局堀川バス、JR九州バス、昭和自動車佐賀市交通局祐徳自動車長崎自動車さいかい交通長崎県交通局長崎県央バス、島原鉄道、西肥自動車させぼバス九州産交バス産交バス熊本バス、熊本電気鉄道、熊本都市バス大分バス大野竹田バス臼津交通大分交通国東観光バス玖珠観光バス大交北部バス日田バス亀の井バス宮崎交通鹿児島交通鹿児島交通観光バス南国交通鹿児島市交通局サンデン交通ブルーライン交通関門汽船福岡市営渡船熊本フェリー鹿児島市船舶局
  12. ^ 路線によっては事前の予約が必要。
  13. ^ 高速バスでは予約制でなくても着席が原則であるが、満席の際に乗車できない可能性がある。

出典

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  1. ^ JR東日本:旅客営業規則>第2編 旅客営業 -第2章 乗車券類の発売 -第7節 急行券の発売」東日本旅客鉄道。2024年7月5日閲覧旅客営業規則第57条第9項第1号および第3号
  2. ^ JR九州/旅名人の九州満喫きっぷ」九州旅客鉄道。2007年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  3. ^ JR九州/旅名人の九州満喫きっぷ」九州旅客鉄道。2008年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  4. ^ JR九州/旅名人の九州満喫きっぷ」九州旅客鉄道。2009年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  5. ^ JR九州/旅名人の九州満喫きっぷ」九州旅客鉄道。2010年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  6. ^ JR九州/旅名人の九州満喫きっぷ」九州旅客鉄道。2012年3月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  7. ^ 「旅名人の九州満喫きっぷ」発売!』(プレスリリース)、九州旅客鉄道、2012年3月22日。[リンク切れ]
  8. ^ JR九州/旅名人の九州満喫きっぷ | JR九州 列車の旅」九州旅客鉄道。2012年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  9. ^ 九州の全鉄道が乗り放題!旅名人の九州満喫きっぷ | JR九州 列車の旅」九州旅客鉄道。2014年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月27日閲覧
  10. ^ 消費税率の引上げに伴う割引きっぷの価格改定について (PDF)』(プレスリリース)、九州旅客鉄道、2019年8月23日。2022年6月27日閲覧

関連項目

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外部リンク

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