明日の記憶

明日の記憶
著者 荻原浩
発行日 2004年
発行元 光文社
日本の旗 日本
言語 日本語
ページ数 327
公式サイト https://www.kobunsha.com/
コード ISBN 978-4-334-92446-1
ISBN 978-4-334-74331-4文庫本
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明日の記憶』(あしたのきおく)は、荻原浩による日本の小説

2004年9月に光文社から単行本が刊行された。2005年には第2回本屋大賞の第2位にランクインし、第18回山本周五郎賞を受賞[1]2007年11月8日に文庫化され、光文社文庫から刊行された。

2006年に渡辺謙主演、東映配給で映画化された。

あらすじ

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家庭も省みず仕事に生きる、49歳の広告代理店のやり手営業マン・佐伯雅行。仕事においては大きなクライアントとの契約が決まり、プライベートでも娘の結婚が決まるなど、順風満帆に見えた彼だが、突如物忘れが激しくなり、めまいや幻覚といった不可解な体調不良が襲う。

妻の枝実子に促され、渋々忙しい仕事の合間を縫って病院を訪れ診察を受けた結果、医師から若年性アルツハイマー病という診断を下される。知らないうちに自分の体内で起こっていた受け止めがたい現実に直面した彼は、錯乱し自暴自棄になり、病院の屋上から飛び降りようとするが、医師の必死の説得により何とか思いとどまる。

そして、屋上から階下へ戻る階段の途中で座り込み、枝実子と話し合い、2人は涙を流しながらも病気と向き合う覚悟を決める。

登場人物

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佐伯 雅行 
広告代理店第二営業局部長。49歳。若年性アルツハイマー病にかかる。
佐伯 枝実子 
雅行の妻。病気になった夫を献身的に支える。
渡辺 梨恵(佐伯 梨恵) 
24歳の佐伯夫妻の一人娘。直也とできちゃった結婚をする。仕事一筋の父親に反発したことも。
渡辺 直也
梨恵の夫であり、設計事務所を経営する33歳の建築家。
渡辺 芽吹
梨恵の娘であり、雅行の孫娘。
園田
雅行の部下。昇進に焦りを抱く。
安藤 
雅行の部下。
生野 啓子 
雅行の部下。佐伯チームのメンバーでは23歳といちばん若く、明朗快活で部を盛り上げる華やかな存在。
河村 篤志 
大手メーカーを親会社とするIT企業「GIGA FORCE」の宣伝課長。佐伯チームの一大クライアントであり、佐伯を振り回す。
児島
学生時代の同期。48歳にして肝臓がんで死亡。佐伯が陶芸をやめた後、アマチュアでは名の通る陶芸家になっていた。
吉田 武宏 
大学病院神経内科の医師で、雅行の主治医でありアルツハイマー病治療の先駆者でもある。
木崎 茂之 
アルツハイマー病にかかった雅行が、進行を少しでも遅らせようと通う陶芸教室の先生。
しかし佐伯の病気をうまく利用し、月謝を騙し取ろうとした。
菅原 卯三郎 
奥多摩の工房「日向窯」の主人。雅行と枝実子が結婚するきっかけを作った。現在は認知症となっている。

映画

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明日の記憶
監督 堤幸彦
脚本 砂本量
三浦有為子
原作 荻原浩
製作 坂上順
川村龍夫
製作総指揮 渡辺謙
出演者 渡辺謙
樋口可南子
音楽 大島ミチル
撮影 唐沢悟
編集 伊藤伸行
製作会社 「明日の記憶」製作委員会
配給 東映
公開 日本の旗 2006年5月13日
香港の旗 2007年4月12日
大韓民国の旗 2007年5月10日
アメリカ合衆国の旗 2007年5月18日
中華民国の旗 2007年9月14日
上映時間 122分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 22億円[2]
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2006年公開映画で、渡辺謙の映画初主演作品である[3]。渡辺は2004年11月、立ち寄ったハリウッドの書店でたまたま手にとったこの本を読み、自身が封印していた白血病の闘病生活の記憶が怖いくらいによみがえってきたと同時に、温かさを感じた[4]。そして原作者である荻原浩に、映画化を熱望する手紙を直接送ったのが、映画化のきっかけである[4]

映画のスタッフロールでは、渡辺謙は「エグゼクティブ・プロデューサー」[4][5]とクレジットされ、所属事務所であるケイダッシュが製作委員会に参加している。渡辺は、「難病を扱う作品であっても辛く悲しいだけの物語にはしたくない[5]」、「作品を作るなら現代を切り取る能力がなければならない」と考え[4]、以前『池袋ウエストゲートパーク』で一緒に仕事をした堤幸彦を監督に指名した[5]

第30回日本アカデミー賞で作品が優秀作品賞に選ばれ、渡辺謙が最優秀主演男優賞[6]樋口可南子が優秀主演賞、大島ミチルが優秀音楽賞を受賞した。

キャスト

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スタッフ

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ラジオドラマ

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2006年9月11日に、TBSラジオMBSラジオで放送された。

脚注

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  1. ^ 第十八回山本周五郎賞”. 山本周五郎賞. 新潮社 (2005年). 2015年5月7日閲覧。
  2. ^ 過去興行収入上位作品(興収10億円以上番組)”. 日本映画製作者連盟. 2015年5月7日閲覧。
  3. ^ 坂本龍馬を演じた『幕末純情伝』ではトップクレジットだったが、主演は沖田総司を演じた牧瀬里穂である。
  4. ^ a b c d “夫婦の深さ・温かさ演じる 「明日の記憶」主演の渡辺謙”. asahi.com. (2006年5月15日). オリジナルの2015年5月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150518083435/https://www.asahi.com/culture/movie/TKY200605150263.html 2015年5月7日閲覧。 
  5. ^ a b c 渡辺謙(インタビュアー:前田かおり)「『明日の記憶』渡辺謙単独インタビュー」『シネマトゥデイ』https://www.cinematoday.jp/interview/A00010462015年5月7日閲覧 
  6. ^ “18年越し悲願…渡辺謙が涙の初受賞”. Daily Sports online. (2007年2月17日). オリジナルの2007年2月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070219031704/http://www.daily.co.jp/gossip/2007/02/17/0000243902.shtml 2015年5月7日閲覧。 
  7. ^ “森本レオ20年ぶりラジオドラマ「出る杭…初心に」”. zakzak. (2006年8月22日). オリジナルの2007年3月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070308134419/http://www.zakzak.co.jp/gei/2006_08/g2006082203.html 2015年5月7日閲覧。 

外部リンク

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