神山睦美
神山睦美(かみやま むつみ、1947年 - )は、日本の文芸評論家[1]。思想評論家。
経歴
[編集]岩手県水沢市(現・奥州市)生まれ。1965年 岩手県立水沢高等学校卒業。1971年 東京大学教養学部教養学科フランス分科卒業。1972年 東京大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化修士課程入学(修士を終えずに退学)。桐生外語学院、東進ハイスクール、河合塾文理など予備校講師を務める[2]。
人物
[編集]全共闘活動の後、個人学習塾を開く。その後も、予備校の教壇に立ちながら、在野での思想、評論活動を行う。 詩、小説、思想と批評対象は多岐にわたり、通常1年交替の図書新聞文芸時評を3年間続けた[3]。2013年3月17日「吉本隆明さん―逝去一年の会」の事務局代表をつとめ、毎年「横超忌」(吉本隆明を偲ぶ会)開催の決定に尽力した[4]。文芸評論家の加藤典洋と親交があったが、その死に際して、毎日新聞にて「文芸評論家・神山睦美さん故・加藤典洋さんを語る」というインタビューに答えた[5]。太平洋戦争時、三菱重工会長として東条英機の内閣顧問を務め、戦後A級戦犯となった郷古潔は大伯父にあたる[6]。
受賞歴
[編集]著作
[編集]- 『夏目漱石論序説』(国文社、1980年)
- 『成熟の表情―現代詩人論』(砂子屋書房、1981年)
- 『「それから」から「明暗」へ』(砂子屋書房、1982年)
- 『陰画(ネガ)としての基層』(砂子屋書房、1983年)
- 『差異とシステム』(砂子屋書房、1985年)
- 『シミュレーションとしての事件』(砂子屋書房、1986年)
- 『吉本隆明論考』(思潮社、1988年)
- 『家族という経験』(思潮社、1990年)
- 『服従という思想―他者のあらわれる場所』(思潮社、1994年)
- 『クリティカル・メモリ―死霊異聞』(砂子屋書房、1999年)
- 『実践国語文章講座』(砂子屋書房、2002年)
- 『小論文の時事ネタ本(人文・国際・情報系編)』(学習研究社、2003年)
- 『思考を鍛える論文入門』ちくま新書、2004年)
- 『夏目漱石は思想家である』(思潮社、2007年)
- 『読む力・考える力のレッスン』(東京書籍、2008年)
- 『二十一世紀の戦争』(思潮社、2009年)
- 『小林秀雄の昭和』(思潮社、2010年)
- 『大審問官の政治学』(響文社、2011年)
- 『漱石の俳句・漢詩』(笠間書院、2011年)
- 『希望のエートス 3・11以後』(思潮社、2013年)
- 『サクリファイス』(響文社、2015年)
- 『日々、フェイスブック』(澪標、2016年)
- 『日本国憲法と本土決戦』(幻戯書房、2018年)
- 『終わりなき漱石』(幻戯書房、2019年)
- 『「還って来た者」の言葉 コロナ禍のなかでいかに生きるか』(幻戯書房、2021)
- 『戦争とは何か』(澪標、2022年)
- 『奴隷の抒情』(澪標、2024年)
共著・編著
[編集]- 『家族論の現在 シリーズ変貌する家族 8』(上野千鶴子・鶴見俊輔・中井久夫・中村達也・宮田登・山田太一編集)
- 『ファミリィ・トライアングル―高齢化社会を超えて』(米沢慧との対話)(春秋社、1995年)
- 『1冊でわかる村上春樹』(村上春樹を読み解く会著 神山睦美監修)(KADOKAWA、2015年)
- 『短編で読み解く村上春樹』(村上春樹を読み解く会著 神山睦美監修)(マガジンランド、2016年)
- 『漱石における〈文学の力〉とは』(佐藤泰正編集)「『文学論』の再帰性」(笠間書院、2016年)
- 編著『未来の他者へ 『サクリファイス』『希望のエートス』批評集』(響文社、2017年)
出典
[編集]- ^ 神山睦美とは(コトバンク)ー「昭和後期-平成時代の文芸評論家」とされている。
- ^ 神山睦美『戦争とは何かー略歴』(澪標)311ページ
- ^ 図書新聞 2003年1月15日から2005年12月15日まで毎月15日に掲載
- ^ 吉本隆明さんの命日 「横超忌」として定着を (産経新聞 2013年3月24日(日)朝刊)
- ^ 文芸評論家・神山睦美さん 故・加藤典洋さんを語る 「自分は雑魚」ベースに(毎日新聞 2019/6/6 東京夕刊)
- ^ 郷古潔とは(コトバンク)-「1882-1961昭和時代の経営者。岩手県出身」とされている
- ^ 第2回鮎川信夫賞発表(「現代詩手帖」2011年4月号10ページ)
- ^ 小野十三郎賞に神山さんら(朝日新聞DIGITAL2020年3月26日5時00分)