長谷川宙輝
東京ヤクルトスワローズ #53 | |
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2024年5月 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 東京都小平市 |
生年月日 | 1998年8月23日(26歳) |
身長 体重 | 176 cm 86 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2016年 育成選手ドラフト2位 |
初出場 | 2020年6月19日 |
年俸 | 900万円(2025年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について |
長谷川 宙輝(はせがわ ひろき、1998年8月23日 - )は、東京都小平市出身[2]のプロ野球選手(投手)。左投左打。東京ヤクルトスワローズ所属。
経歴
[編集]プロ入り前
[編集]幼稚園年長時から鷹の台スパローズで野球を始める[2]と、 聖徳学園中学校では軟式野球部の投手としてプレー[2][3]。その一方で、小・中学生時代には、地元球団である東京ヤクルトスワローズのファンクラブにも入っていた[4]。
聖徳学園高等学校への進学後は、1年生の時の夏から背番号7番でベンチ入りを果たした。2年時の東京都秋季大会ブロック予選では、日本工大駒場高校戦で20奪三振、東大和高校戦で毎回奪三振と14奪三振を記録。「西東京のドクターK」として一躍注目された[2]。3年生の時の夏の西東京大会では、多摩工業高校との2回戦で、6回までの登板ながら被安打1で毎回奪三振や11奪三振と好投[5]。雨に見舞われた国学院久我山高校との3回戦では、141球と粘投しながら0-6で敗れた[6]。
高校時代には全国大会と無縁であったが、2016年度NPB育成ドラフト会議にて福岡ソフトバンクホークスから2巡目指名を受け[7]、支度金300万円、年俸300万円(金額は推定)という条件で、育成選手として入団[8]。背番号は134[9]。チームには同姓の長谷川勇也外野手が支配下登録選手として既に在籍していたため、報道などでは長谷川宙という略称が用いられた。
ソフトバンク時代
[編集]2017年シーズンには、三軍戦17試合に登板。通算投球イニングは68回1/3で、3勝4敗1セーブ、防御率4.61を記録した[10]。9月中旬からは、二軍のウエスタン・リーグ公式戦[11]にも、救援で2試合に登板。いずれも無失点で凌いだ[12]。一軍がパシフィック・リーグ優勝によってクライマックスシリーズ(CS)への進出を決めたことから、10月11日には、CSファイナルステージに向けた紅白戦(福岡ヤフオク!ドーム)にも抜擢された[13]。
2018年シーズンには、ウエスタン・リーグ公式戦で12試合に登板。通算投球イニングは44回で、1勝2敗、防御率5.32を記録した[14]。三軍戦にも16試合に登板。通算で67回を投げるとともに、5勝3敗、防御率1.88という好成績を残した[15]。
2019年シーズンには、ウエスタン・リーグ公式戦9試合に登板。通算投球イニングは22回1/3で、1勝2敗、防御率6.04だった[16]。三軍戦にも15試合に登板。通算で67回1/3を投げるとともに、5勝3敗、防御率2.41を記録した[17]。育成選手契約の期限と定められている3年以内の支配下選手登録には至らなかったが育成選手としての再契約を打診され受諾、フェニックスリーグと秋季キャンプにも参加する一方、10月31日付で自由契約選手として公示[18]。しかしキャンプ中の11月13日に臨んだ球団との再契約交渉で回答を保留。11月15日にキャンプを離脱すると、同月21日に退団を申し入れた[19]。この背景には、他球団からのオファーが可能な育成選手再契約禁止期間中の11月11日に、ヤクルトから支配下登録選手としての契約を打診されていたことが後に判明している[20]。
ヤクルト時代
[編集]2019年11月22日、東京ヤクルトスワローズが長谷川を支配下登録選手として獲得することを発表[21]。12月2日付で正式に契約を結んだ。推定年俸は650万円で、背番号は90[22]。
2020年シーズンには、プロ入り後初めて、春季キャンプを一軍でスタート。キャンプ中の2月12日には、シーズン初の対外試合(KBO・サムソンライオンズとの練習試合)に、救援で一軍デビューを果たした[23]。オープン戦以降も一軍の実戦で好投を続けた結果、「勝利の方程式」を担う救援要員[24]として、レギュラーシーズンも一軍でスタート[25]。6月19日には、中日ドラゴンズとの開幕戦6回表に一軍公式戦への初登板を果たした。同月25日の対阪神タイガース戦(いずれも明治神宮野球場)では、1点ビハインドの9回表から登板。阪神打線を三者凡退に抑えるとチームがその裏に西浦直亨の3点本塁打で逆転サヨナラ勝利を収めたことにより、自身に初めての白星が付いた[26]。一軍公式戦での白星はこの1勝のみで、防御率も5.82と芳しくなかったが、支配下登録および移籍1年目にしてフルシーズン一軍に帯同。チームの左投手では最多の44試合に登板し、7ホールドを記録した。シーズン終了後の12月4日、推定年俸1050万円(前年から400万円増)という条件で契約を更改。同年のシーズン限りで現役を引退した五十嵐亮太から背番号53を引き継いだ[27][28]。
2021年シーズンは開幕一軍入りをするも、4試合の登板に終わった。9月27日に血行障害の一種である「胸郭出口症候群」の手術を受けた[29]。オフに、推定年俸850万円で契約を更改した[30]。
2022年は一軍登板はなかった。11月16日、推定年俸800万円で契約を更改した[31]。同年1月22日に結婚していたことが11月26日に発表された[32]。
2023年は一軍登板は1試合に終わった[33]。オフに、推定年俸750万円で契約を更改した[34]
2024年シーズンには、4月16日に一軍合流[35]、4月21日の横浜DeNAベイスターズ戦で352日ぶりの一軍登板を果たすと、その後は救援として7試合連続無失点を記録し、6月2日に出場選手登録を抹消されるまで、13試合で2ホールド、防御率3.00と安定した成績を残した。
選手としての特徴
[編集]最速153km/hのフォーシームと、縦に鋭く落ちるスライダーのコンビネーションが最大の武器。アクセントとして、チェンジアップやスローカーブを織り交ぜる。右打者との対戦では、フォーシーム、ツーシーム、チェンジアップを多用。左打者に投じるスラーブの切れ味も、高く評価されている。
フォーシームについては、ソフトバンクの育成選手時代にウエイトトレーニングを重ねた結果、最高球速が5km/h、平均球速がおよそ10km/h上昇[36]。ヤクルト移籍後の2020年8月頃から、フォークボールも投げるようになった。
詳細情報
[編集]年度別投手成績
[編集]年 度 | 球 団 | 登 板 | 先 発 | 完 投 | 完 封 | 無 四 球 | 勝 利 | 敗 戦 | セ 丨 ブ | ホ 丨 ル ド | 勝 率 | 打 者 | 投 球 回 | 被 安 打 | 被 本 塁 打 | 与 四 球 | 敬 遠 | 与 死 球 | 奪 三 振 | 暴 投 | ボ 丨 ク | 失 点 | 自 責 点 | 防 御 率 | W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020 | ヤクルト | 44 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 7 | .333 | 196 | 43.1 | 50 | 3 | 23 | 0 | 0 | 45 | 2 | 1 | 29 | 28 | 5.82 | 1.68 |
2021 | 4 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | 18 | 3.1 | 4 | 2 | 3 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 5 | 4 | 10.80 | 2.10 | |
2023 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | 12 | 2.0 | 3 | 1 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 3 | 3 | 13.50 | 3.00 | |
2024 | 19 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1.000 | 92 | 21.0 | 21 | 4 | 10 | 1 | 1 | 21 | 2 | 0 | 11 | 11 | 4.71 | 1.48 | |
通算:4年 | 68 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 2 | 0 | 9 | .600 | 318 | 69.2 | 78 | 10 | 39 | 1 | 1 | 70 | 4 | 1 | 48 | 46 | 5.94 | 1.68 |
- 2024年度シーズン終了時
年度別守備成績
[編集]年 度 | 球 団 | 投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 | 刺 殺 | 補 殺 | 失 策 | 併 殺 | 守 備 率 | ||
2020 | ヤクルト | 44 | 3 | 9 | 0 | 1 | 1.000 |
2021 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 | .000 | |
2023 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | ---- | |
2024 | 19 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 68 | 4 | 11 | 1 | 1 | .938 |
- 2024年度シーズン終了時
記録
[編集]- 投手記録
- 初登板:2020年6月19日、対中日ドラゴンズ1回戦(明治神宮野球場)、6回表に2番手で救援登板、2/3回 1失点
- 初奪三振:2020年6月23日、対阪神タイガース1回戦(明治神宮野球場)、9回表に大山悠輔から空振り三振
- 初勝利:2020年6月25日、対阪神タイガース3回戦(明治神宮野球場)、9回表に3番手で救援登板、1回無失点
- 初ホールド:2020年7月8日、対中日ドラゴンズ5回戦(ナゴヤドーム)、6回裏に3番手で救援登板、1回無失点
- 打撃記録
- 初打席:2024年4月21日、対横浜DeNAベイスターズ6回戦(明治神宮野球場)、2回裏に大貫晋一から空振り三振
背番号
[編集]- 134(2017年 - 2019年)
- 90(2020年)
- 53(2021年 - )
登場曲
[編集]- 「ぶっ倒れるまで」HKT48(2019年 - 2020年7月)
- 「最高かよ」HKT48(2019年)
- 「青春の馬」日向坂46(2020年6月 - 同年7月)
- 「NO WAR in the future」けやき坂46(2020年7月 - )※9月から偶数イニング登板時
- 「Fight for your heart」三浦春馬(2020年9月 - )※奇数イニング登板時[37]
- 「ハッピーオーラ」けやき坂46(2021年3月 - )
脚注
[編集]- ^ 「ヤクルト - 契約更改 - プロ野球」日刊スポーツ。2024年12月3日閲覧。
- ^ a b c d 「聖徳学園のK腕長谷川、楽天松井裕に近づけ/西東京」日刊スポーツ、2016年6月29日。2017年1月6日閲覧。
- ^ 「2016年インタビュー・聖徳学園高等学校 長谷川 宙輝投手【前編】」高校野球ドットコム、2016年7月9日。2017年1月6日閲覧。
- ^ 「ソフトバンク育成左腕・長谷川宙がヤクルト入り 再契約を保留「突然のことで悩んで時間をもらった」」スポーツニッポン、2019年11月22日。2019年11月22日閲覧。
- ^ 「“西東京のドクターK”聖徳学園・長谷川が6回0封11K!」デイリースポーツ、2016年7月11日。2017年1月6日閲覧。
- ^ 「■雨中の141球、粘投実らず 聖徳学園・長谷川投手」朝日新聞DIGITAL・バーチャル高校野球、2016年7月14日。2017年1月6日閲覧。
- ^ 「幼い頃から知っている選手がプロの世界へ、陰ながら応援したい」SANSPO.COM、2016年11月1日。2017年1月6日閲覧。
- ^ 育成2位・長谷川が入団合意、「千賀さん見習う」西日本スポーツ 2016年11月10日 紙面。
- ^ 「ニュース・新入団会見レポ。1位田中正義投手は背番号25!」福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト、2016年11月22日。2017年1月6日閲覧。
- ^ 「3軍選手成績 非公式戦個人成績 投手成績 2017/11/16(木)現在」福岡ソフトバンクホークス オフィシャルサイト。2017年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月10日閲覧。
- ^ 「育成ルーキーのホークス長谷川宙149キロ二軍デビュー」西日本スポーツ、2017年9月20日。2017年10月16日閲覧。
- ^ 「2017年度 福岡ソフトバンクホークス 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)」日本野球機構。2017年10月16日閲覧。
- ^ 「ソフトバンク育成の長谷川宙、紅白戦ヤフオク初登板」日刊スポーツ、2017年10月11日。2017年10月16日閲覧。
- ^ 「2018年度 福岡ソフトバンクホークス 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)」日本野球機構。2019年3月10日閲覧。
- ^ 「3軍選手成績 非公式戦個人成績 投手成績 2018/11/7(水)現在」福岡ソフトバンクホークス オフィシャルサイト。2019年3月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月10日閲覧。
- ^ 「2019年度 福岡ソフトバンクホークス 個人投手成績(ウエスタン・リーグ)」日本野球機構。2019年10月14日閲覧。
- ^ 「3軍選手成績 非公式戦個人成績 投手成績(ホークス) 2019/10/4(金)現在」福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト、2019年10月4日。2019年10月14日閲覧。
- ^ 「自由契約選手(育成選手) | 2019年度公示」『日本野球機構』。2024年4月10日閲覧。
- ^ 「ソフトバンク育成長谷川宙輝がヤクルトへ支配下移籍」日刊スポーツ、2019年11月22日。2019年11月22日閲覧。
- ^ 「ソフトバンク育成左腕・長谷川宙がヤクルト入り 再契約を保留「突然のことで悩んで時間をもらった」」スポーツニッポン、2019年11月22日。2019年11月22日閲覧。
- ^ 「選手獲得のお知らせ」東京ヤクルトスワローズ、2019年11月22日。2019年11月22日閲覧。
- ^ 「ヤクルト 元ソフトバンク・長谷川宙輝と正式契約 少年時代は燕党「夢が叶った」」スポーツニッポン、2019年12月2日。2019年12月2日閲覧。
- ^ 「ヤクルト長谷川“一軍”初対外試合で奪三振ショー」日刊スポーツ、2020年2月12日。2020年2月12日閲覧。
- ^ 「ヤクルト長谷川勝ちパターン入り「強い球」監督期待」日刊スポーツ、2020年6月15日。2020年6月26日閲覧。
- ^ 「2020年プロ野球6月19日開幕 晴れの一軍メンバー/セ一覧」日刊スポーツ、2020年6月18日。2020年6月26日閲覧。
- ^ 「ヤクルト長谷川サヨナラ演出「忘れられない初勝利」」日刊スポーツ、2020年6月25日。2020年6月26日閲覧。
- ^ 「ヤクルト長谷川「恥じない成績を」五十嵐の背番号53」日刊スポーツ、2020年12月4日。2020年12月5日閲覧。
- ^ 「背番号変更のお知らせ」『東京ヤクルトスワローズ公式サイト』2020年12月4日。2020年12月4日閲覧。
- ^ 「ヤクルト・長谷川、胸部手術していた 血行障害の一種「胸郭出口症候群」のため」『イザ!』2021年9月28日。2021年12月13日閲覧。
- ^ 「【ヤクルト】2022年 年俸一覧」『スポーツ報知』2022年2月22日。2024年4月10日閲覧。
- ^ 「ヤクルト、山野と育成再契約 背番号は013」『サンケイスポーツ』2022年11月16日。2024年4月10日閲覧。
- ^ 「ヤクルト・長谷川宙輝が結婚 24歳MAX154キロ左腕〝直球プロポーズ〟実らせ22年1月に」『サンケイスポーツ』2022年11月27日。2024年4月10日閲覧。
- ^ 「【球界ここだけの話(3249)】ヤクルト・長谷川宙輝が投手2人の戦力外で感じたこと「何で僕が残っているんだと」」『サンケイスポーツ』2023年12月1日。2024年4月10日閲覧。
- ^ 「【ヤクルト】2024年 年俸一覧」『スポーツ報知』2024年2月15日。2024年4月10日閲覧。
- ^ 「ヤクルト・長谷川宙輝が今季初の1軍合流 「いま野球ができるということがすごくうれしい」」『サンスポ』2024年4月16日。2024年6月4日閲覧。
- ^ 「超有望株は“ミスチルの後輩”! ソフトバンク長谷川宙輝、未来の「HERO」を夢見る」Yahoo!ニュース、2017年9月28日。2017年10月7日閲覧。
- ^ 「チーム情報 球場使用曲一覧」福岡ソフトバンクホークスオフィシャルサイト。2019年4月6日閲覧。
- ^ 「選手登場曲」東京ヤクルトスワローズ。2020年9月17日閲覧。
関連項目
[編集]- 東京都出身の人物一覧
- 福岡ソフトバンクホークスの選手一覧
- 東京ヤクルトスワローズの選手一覧
- 亀澤恭平 - ソフトバンクに育成選手として入団した後に、長谷川と同様の経緯で、支配下登録選手として中日ドラゴンズへ移籍。
- 小澤怜史 - ソフトバンク時代のチームメイト(1年先輩)で、長谷川に続いて、2020年12月にヤクルトへ移籍した右投手。ソフトバンクには2016年に支配下登録選手として入団したが、入団後に故障した影響で、2018年から育成選手契約へ移行していた。育成選手契約の期限であった2020年末に再契約を打診されなかったため、12球団合同トライアウトへの参加を経て、ヤクルトに育成選手として入団。
外部リンク
[編集]- 個人年度別成績 長谷川宙輝 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 長谷川 宙輝 - 東京ヤクルトスワローズオフィシャルサイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE
- 長谷川宙輝 (@ys_baseball90) - X(旧Twitter)