パリメトロ2号線
2号線 | |||
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バルベス=ロシュシュアール駅 | |||
基本情報 | |||
国 | フランス | ||
所在地 | パリ | ||
種類 | 地下鉄 | ||
路線網 | パリメトロ | ||
起点 | ポルト・ドーフィヌ駅 | ||
終点 | ナシオン駅 | ||
駅数 | 25駅 | ||
開業 | 1900年 | ||
運営者 | パリ交通公団 | ||
路線諸元 | |||
路線距離 | 12.4 km | ||
軌間 | 1,435 mm (標準軌) | ||
線路数 | 複線 (右側通行) | ||
電化方式 | 直流750V 第三軌条方式 | ||
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パリメトロ2号線(パリメトロ2ごうせん、Ligne 2 du métro de Paris)は、パリ交通公団が運営するフランス・パリのメトロ路線の一つ。パリ市西部のポルト・ドーフィヌ駅と東部のナシオン駅を結ぶ。ほぼフェルミエー・ジェネローの城壁跡に沿ってパリの北半分を回る半環状路線である。
概要
[編集]2号線は1900年に開業し、1903年に現在の全線が開通した。なお開業時点では2号線は現6号線の一部を含む名称であり、現2号線部分は2号北線(ligne 2 nord)と呼ばれていた。2号南線の方が先に開業していたため、2号線はパリで3番目に古いメトロ路線と言える。ただし全線開通は南線より早く、また先に開通した1号線は後に郊外へ延伸されたため、現在の全線が開通したのは2号線がもっとも古い。
2号線の大部分は地下を走っているが、バルベス=ロシュシュアール駅西方からコロネル・ファビアン駅北方までの2kmは道路の中央部に設けられた高架線となっている。2号線はこの区間でパリ北駅とパリ東駅からのフランス国鉄線、さらにサン・マルタン運河と交差するが、建設当時の技術(開削工法)ではこれらの下を潜るトンネルを掘るのは難しかったためである。なおサン・ラザール駅からの国鉄線と交差する部分では、この部分の国鉄線が掘割状になっていることを利用し、2号線は道路の地下だが国鉄線よりは上を通っている。
歴史
[編集]1898年のメトロ整備計画では、2号線(B線)はフェルミエー・ジェネローの城壁跡に沿ってパリを一周する環状路線とされていた。またポルト・ドーフィヌ駅 - エトワール駅(現シャルル・ド・ゴール=エトワール駅)間は1号線(A線)の一部とされていた。その後1号線がポルト・マイヨー駅方面に変更されたことにともない、ポルト・ドーフィヌ - エトワール間を2号線に編入し、環状運転は行わずに北線と南線に分けられることになった。
建設は西側から進められ、1903年に2号北線の全線が開通した。
- 1900年12月13日 - ポルト・ドーフィヌ - エトワール間開業
- 1903年1月31日 - エトワール - バニョル(Bagnole、現アレクサンドル・デュマ駅)間開業
- 1903年4月2日 - ナシオン駅の工事完了にともない、バニョル - ナシオン間が開業。全線開通。
1903年8月10日には電気回路の短絡が原因で列車火災が発生し、84人が死亡する惨事となった。詳細はパリメトロ火災を参照。
1907年10月14日に正式に南線と分離され、2号線となった。
車両
[編集]1979年以降はMF 67が使われている。5両編成で1、3、5両目が電動車である。全長は約90m。各車両ごとに片側4つのドアがある。非常時を除き車両間の往来はできない。
2007年から新型のMF 2000が試験的に運行されている。将来は完全にMF 67を置き換える予定である。
車両基地はナシオン駅から東へ進んだプティト・サンチュール沿いのシャロンヌ(Charonne)にある。元は1号線と共用の車両基地だったが、1934年に1号線がシャトー・ド・ヴァンセンヌまで延伸されてフォンテネーに車両基地を移したため、2号線専用になった。大規模な検査や改修作業は7号線のショワシー(Choisy)車両基地で行われる。
駅一覧
[編集]- ポルト・ドーフィヌ駅 (Porte Dauphine)
- 接続路線 : RER C線(アヴェニュ・フォッシュ駅)
- 終端は半径30mのラケット状のループ線になっており、その入口に到着ホーム(単式ホーム1面1線)が、出口に出発ホーム(島式ホーム1面2線)がある。
- ヴィクトル・ユゴー駅 (Victor Hugo)
- 旧駅はカーブ上にあったため、1931年に東よりに移転した。
- シャルル・ド・ゴール=エトワール駅 (Charles de Gaulle - Étoile)
- 接続路線 : メトロ1、6号線、RER A線
- シャルル・ド・ゴール広場の地下、1、6号線の下にホームがある。開業時の駅名はエトワール(Étoile)で、1970年広場の改名に伴い現駅名に改名した。
- テルヌ駅 (Ternes)
- 駅名は中世の農場の名から。
- クールセル駅 (Courcelles)
- 日本大使館最寄り駅。駅名はかつて存在した集落名から。これにちなんでフェルミエー・ジェネローの城壁に設置されていた関税徴収所の名でもある。
- モンソー駅 (Monceau)
- モンソー公園最寄り駅。駅名はパリに併合される前のコミューン名(バティニョール・モンソー)から。
- ヴィリエ駅 (Villiers)
- 接続路線 : メトロ3号線
- 駅名は駅名はかつて存在した集落名から。
- ローム駅 (Rome)
- フランス国鉄線との交差部に位置する。駅名は国鉄線の西に並行するローム(ローマ)通り(rue de Rome)から。
- プラス・ド・クリシー駅 (Place de Clichy)
- 接続路線 : メトロ13号線
- ブランシュ駅 (Blanche)
- ムーラン・ルージュ最寄り駅。ここからピガール駅にかけてはパリ最大の歓楽街、風俗街である。
- ピガール駅 (Pigalle)
- 駅名は、彫刻家ジャン=バティスト・ピガールにちなむピガール広場にあることから。
- 接続路線 : 12号線
- アンヴェール駅 (Anvers)
- バルベス=ロシュシュアール駅 (Barbès - Rochechouart)
- ラ・シャペル駅 (La Chapelle)
- スターリングラード駅 (Stalingrad)
- 接続路線 : メトロ5、7号線
- 高架駅。開業時の駅名は近隣のコミューン名と同じオーベルヴィリエ(Aubervilliers)で、1942年に7号線のブールヴァール・ド・ラ・ヴィレット(Boulevard de la Villette)駅と合併してオーベルヴィリエ - ブールヴァール・ド・ラ・ヴィレット駅となり、さらに1946年に現駅名に改名した。現駅名はスターリングラード攻防戦を記念して命名された広場にちなむ。
- ジョレス駅 (Jaurès)
- コロネル・ファビアン駅 (Colonel Fabien)
- ベルヴィル駅 (Belleville)
- クロンヌ駅 (Couronnes)
- 1903年のパリメトロ火災の主な現場である。
- メニルモンタン駅 (Ménilmontant)
- ペール・ラシェーズ駅 (Père Lachaise)
- 接続路線 : 3号線
- フィリップ・オーギュスト駅 (Philippe Auguste)
- アレクサンドル・デュマ駅 (Alexandre Dumas)
- 開業時の駅名はバニョル(Bagnole)で、1970年に現駅名に改名した。
- アヴロン駅 (Avron)
- ナシオン駅 (Nation)
参考文献
[編集]- Jean Tricoire, Un Siècle de Métro en 14 Lignes: De Bienvenüe à Météor, 第3版, La Vie du Rail, 2004年, ISBN 2-915034-32-X.
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- RATP (フランス語他)