QRIO
QRIO、Qrio(キュリオ)は、ソニーがかつて開発していた二足歩行ヒューマノイドロボット。
身長は58cm、体重は7kg (SDR-4X II)。
概要
[編集]ソニーは QRIO を「コーポレートアンバサダー」(企業親善大使)と位置付けていた。開発したのは土井利忠ソニー上席常務。
当初より、ダンスを踊る・集団でシンクロした動作をするなど、エンタテインメントロボットとして位置付けられている。そのため、以下のような各種安全機構も充実していた。
- ステレオカメラが搭載されており、障害物を把握することができる。
- 転倒した場合でも破損しにくい小柄なボディ(重量は約7kgで身長58cm)
- 路面適応制御
- 凹凸や傾斜を判断して重心を移動
- 階段や段差を目で見て認識し、上り下りができる
- 外力適応制御
- 体を押すと、押された方向へ歩く - 自ら移動することで重心を移動し、転倒を防ぐ
- 「だっこ」されると自動的に手足の動作を制限し、受動的な状態になる
- 人間に手足を掴まれ、無理に動かされると「いたいよ~」と音声で無理な動作を止めるように求める
- 総合転倒運動制御
- 転倒の際に受身を取る
- 倒れても自力で起き上がる
- はさみ込み防止センサーや、指はさみを起こさない可動部カバーシャッター構造の採用
歴史
[編集]- 2000年11月21日 - SDR-3X が発表される。
- 2002年3月19日 - SDR-4X が発表される。
- 2003年
- 3月24日 - SDR-4X II が発表される。
- 9月4日 - これまで SDR (Sony Dream Robot) と呼ばれていたロボット群に QRIO という名称が与えられ、以後はQRIOと呼ばれることになった。以後も、サブタイトル的にSony Dream Robotという言葉は使われた。
- 10月1日 - JR東海の新幹線品川駅開業イベントの一環として、二足歩行ロボットとしては初めて乗客として品川駅のホームから新幹線に乗り込み、静岡駅まで「旅行」した。
- 12月31日 - 第54回NHK紅白歌合戦に扇子を持った4台のQRIOが出演。赤組を舞で応援するとともに、松浦亜弥の曲(ね〜え?)を紹介した。
- 2004年
- 従来の三倍の歩幅での歩行が可能となり、三次元認識機能も追加された。
- 3月26日から28日 - 東京お台場のメディアージュにて開催された「Sony Spring Festival in Mediage」に QRIO が出演、メディアージュ内にある「ソニースタイル ショールーム」にて QRIO のオリジナルダンスショーを開催、同時に QRIO のデモストレーションも実施。また、館内にあるソニーの科学館「ソニーエクスプローラサイエンス」にて行われた QRIO の開発者による講演にて、従来の三倍の歩幅で歩く QRIO が初めて一般向けに公開された。
- 秋 - ピタゴラスイッチに出演。「アルゴリズムたいそう」を行った。
- 2005年
- 3月24日 - 2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の開幕式に登場。ASIMOと競演し、握手を交わした[1]。
- 11月、アメリカ合衆国のミュージシャン・ベックの楽曲「Hell Yes」のプロモーションビデオに出演。プログラマーたちは、QRIO に振り付けをプログラムするにあたって3週間を費やしたという[2]。
- 2006年
脚注
[編集]- ^ 2005年日本国際博覧会 愛知万博「愛・地球博」開幕式出演
- ^ “ベック ビデオの主役はソニーの小型ロボット”. MTV JAPAN. (2005年11月14日). オリジナルの2017年12月1日時点におけるアーカイブ。
- ^ “ソニー、ロボット撤退の舞台裏”. 朝日新聞. (2014年5月9日). オリジナルの2015年1月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ “そしてソニーはロボット開発をやめた”. 日経ビジネス. (2016年6月14日)
- ^ “銀座ソニービル建て替えのカウントダウンイベント「It’s a Sony展」が懐かしすぎて胸が苦しくなった”. GIGAZINE. (2017年1月18日)
外部リンク
[編集]- 公式サイト - Internet Archiveによるアーカイブ。
- ソニー・インテリジェンス・ダイナミクス研究所株式会社 - Internet Archiveによるアーカイブ。
- Qrio株式会社